扁桃腺との長い戦い、そして決断

「また扁桃腺か…」
もう何度目だろう。数ヶ月に一度は必ずと言っていいほど、私を襲ってくる悪客。高熱、激痛、そして何よりも、日常生活を奪われる絶望感。仕事もままならず、大好きなご飯も喉を通らない。そんな日々が嫌だった。

特にコロナ禍になってからは、少しでも熱が出てしまうと、病院に行けたとしても長時間の待ち時間と隔離。熱にうなされながら、吹きさらしの場所で何時間も過ごすのは、本当に辛い……
何度も繰り返される扁桃炎に、私はもう嫌気がさしていた。このままでは、いつまでたっても健康な日々を送れない。

そんな思いでいたら、扁桃腺摘出術があることを知った。

扁桃腺は、子供の頃は免疫を作る上で重要な役割を担っているそうだが、大人になるとその役割はほとんどなくなるのだそう。しかし、中には私のように、度々炎症を起こし、日常生活に支障をきたすケースもあるとのこと。扁桃腺を摘出することで、この繰り返される炎症から解放される可能性がある、と。

「手術か…」

正直なところ、手術に対しては恐怖心があった。全身麻酔、入院、そして術後の痛み。それらの不安が頭をよぎる。しかし一方で、この繰り返される扁桃炎から解放されることへの期待も大きかった。

もう一つ、私を悩ませていたのは、手術費用。

どこかで見た情報では、扁桃腺の手術費用は20万円近くかかると書かれていた。

そんな大金を用意してまで、手術を受けるか……?しかし、このまま扁桃炎を繰り返す日々を送るのも、精神的に辛い……。

ある日、ふと計算してみた。扁桃炎になった際の受診費用や、1週間仕事を休んだ時の収入減を考えると、一回の扁桃炎で約5万円の損失があることに気づいた。それがもし3ヶ月に一度のペースで起こるとすると、1年で手術費用を回収できる計算になる。
しかも私は入院保険にも入っているので、入院すれば保険金もおりる。別に費用的な負担はほとんどないことに気づいた。

「毎回こんなにも辛い思いをしているのに、手術費用をケチっている場合じゃない!」

そう思った私は、次の扁桃炎になったタイミングで、勇気を振り絞って医師に相談してみた。
すると、医師は「君の頻度なら手術全然できるよー、紹介状書く?」とあっさり応じてくれ、すぐに大きな病院を紹介してもらえた。

そこは以前、おじいちゃんやおばあちゃんがお世話になった、地域で1番大きい病院。診察の結果、12月17日から1週間の入院が決まり、1か月前に術前検査を受けることになった。思ったよりもスムーズに進み、少し戸惑いながらも、手術に向けての準備が始まった。
術前検査は、採血、尿検査、レントゲン、心電図、歯科検診など。
特に肺機能検査は、大きな機械に繋がれたパイプをくわえ、息を思いっきり吸ったり吐いたりするもので、かなり体力を消耗した。上手く出来ず何度もやり直しになり、結局1番最初のデータを使うことになった。わたしの頑張りが……w

麻酔の説明を受けた際、全身麻酔で手術を行うと聞き、少し不安にはなった。
手術中、意識がない状態で行われるのか。説明されても現実味がない。
質問はあるかと聞かれたが、よく分からず特にないですと答えた。

大部屋での入院が決まり、どんな感じだかあんまりイメージも持てないのでまぁ頑張るかという心境。
でも、仕事で栄養士をしているので、手術後の食事にどんな工夫がされているのか、実際に体験できるのは貴重な機会だとは思っている。
栄養士として、手術後の食事には特に注目どころ。手術後は、喉に負担をかけないよう、飲み込みやすい流動食からスタートする。
これまで、私は仕事で患者さんのために、飲み込みにくい方でも食べられるような食事を考えてきた。実際に自分がその立場で食事をすることで、より深く患者さんの気持ちや、飲み込みやすい食事を提供する大切さを理解できるのではないかと期待している。


入院生活や術後の経過などなるべく細かく記録して、これから扁桃腺摘出術を受ける方の参考になったりしたら嬉しいなと思っているけれど、私はあんまり文章を書くというか完成させることが苦手なので、ちゃんと続くか分からない……。

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