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私の奈良旅③:綺麗な県営公園と斑鳩の寺

奈良旅行3日目。
ようやく天気が良くなり、朝から快晴となった。
今日も午前中は野鳥を探しながら公園を散歩、午後はお寺を見て回ろう。

快晴の朝。JR奈良駅

奈良の野鳥スポットで必ず名前に上がる公園が気になっていた。
今日は真夏日予報。
暑くて野鳥は少ないだろうが、一度行ってみよう。
JR奈良駅から大和路線で王寺駅へ。
そこから近鉄田原本線に乗り換え、3駅目が最寄り駅だ。

8:30池部駅に到着

目指す公園は歩いてすぐだ。

馬見丘陵公園。広そうだ。
園内は綺麗に整備されている。

朝の公園を地元の方が思い思いに散歩したりランニングしたりしている。
当然観光客はいない。
広い敷地に古墳が点在し、1年を通して野鳥が観察できるそうだ。
(馬見丘陵公園で見られる鳥たちについてはこちらから)
園内は自然が多く、歩いているだけで気持ち良い。
あちこちで地元の方だろうか、おしゃべりしながら花の手入れをしている。

コキアが色づき出している
居眠りするコキア
10月なのにヒマワリ
広々とした園内

さえぎる雲が無いなか、気温はぐんぐん上昇する。
予想通り、野鳥はおなじみの留鳥のみで少なめだ。

ボサボサカラス

普段探鳥会が池周囲で行われるとの情報に、下池に足を運んでみる。

はい、鳥なんかいやしません
遠くに、辛うじてカルガモと赤いクチバシのバンが確認できる

冬はおそらく旅鳥で賑わうんだろうね。
まだ暑い奈良。
冬鳥がやってくるのはもう少し先のようだ。

アオサギさん、クチバシに泥ついてるよ
野焼きの香ばしい香りが漂う
トノサマバッタに睨まれた
飛ぶヒヨドリを撮ったら、ヒヨドリロケット爆誕
ヒヨドリがカッコよく撮れた
ヒヨドリ「元が良いからね」
巣作りしているのか、枝を運ぶキジバト

鳥たちは繁殖期のみ巣作りする。
通常繁殖期は春から夏で、この時期は子育てが終わっている。
ところが、キジバトは1年中繁殖が可能だそうだ。
これから涼しくなる中、子育て頑張ってね。

他にも野鳥はいたが、藪の中。
カメラマン泣かせだ。

ヤマガラ
(証拠写真)メジロ

野鳥に会えずとも、真っ青な空と木々の緑に私の心はほぐれていく。
こんな気持ち良い公園があるなんて、奈良の人が羨ましい。
園内を南へ歩いていると、古墳が現れる。

ナガレ山古墳

上は景色が良さそうだ。
高鳴きしているモズが見えるかな。
登ってみよう。

5世紀頃に作られた、前方後円墳だそうだ。
公園で一番高く、遠く奈良盆地を一望できる
あ、モズ見つけた

日差しがジリジリ照り付けるが、駆け抜ける風はカラッとして心地よい。
景色とモズを楽しんだあと、古墳を降りる。

園内に咲く赤い曼殊沙華に白いものが混じっている。

紅白の曼殊沙華

白い曼殊沙華の花ことばは、「またあう日を楽しみに」「想うはあなたひとり」だそうだ。
ロマンチックだね。

約3時間散歩し、そろそろお昼が近くなった。
公園を十分楽しめたので、お寺モードに気持ちを切り替えよう。
目指すは斑鳩にある法隆寺と中宮寺。
先ほどの池部駅から王寺駅に戻り、王寺駅から法隆寺駅まではJRで一駅だ。
しかし法隆寺駅から20分くらい歩く必要があり、王寺駅からバスで向かうことにする。

法隆寺の玄関口、南大門

法隆寺は小学校での遠足などで何度か訪れているが、建物の古さや敷地の広さがとても印象に残っている。

記憶通り、敷地内は広い。修学旅行生が次々に通り過ぎる。
西院伽藍から拝観する

びっくりしたのが、法隆寺の拝観料が1500円に値上がりしていたこと。
来年からはさらに2000円に値上げするらしい。
お寺をワンコインで楽しめる時代は終わったのか。
それだけ維持するのが大変なんだろうね。
拝観エリア以外は無料らしい。

西院伽藍の奥に建つ大講堂
左手に日本最古の五重塔
右手に金堂。ご本尊の薬師如来が安置されている。
雨ざらしでも龍の迫力は残っている
暑いが、時折風が吹き抜ける
周囲を囲む廻廊。小学生の時に遠足で見た記憶として残る。

平安時代に建て直られた大講堂を除く全ての建物が、飛鳥時代の創建時に建てられたものというから驚く。
1300年以上姿を変えず、この地で人々を受け入れてきたんだね。
100年生きられない私たちはちっぽけだと、つくづく思う。
スカイツリーや東京タワーが1000年残る気もしない。

法隆寺の御朱印

「和を以って貴しと為す」と書かれた御朱印。
法隆寺を建立した聖徳太子が定めた日本初の憲法、十七条憲法の第一条冒頭に「以和為貴」と記されている。
「何事も皆仲良く話し合い、いさかいを起こさないのが良い」という聖徳太子の願いを現代にも伝えたいという、寺の思いが込められている。
ロシア、中国、イスラエルやアメリカのお偉いさんに届くと良いな。

東院伽藍の夢殿

総じて飛鳥時代の仏さまは、京都の仏さまより面長でお鼻が大きめ。
それぞれのお堂に国宝級の仏像がたくさんありすぎて、私の頭はパンクする。
探鳥後の疲れた頭には少々ボリュームが多かったかもしれない。
お隣の中宮寺に行こう。

東院伽藍を出てすぐのところに中宮寺がある
中宮寺入口

中宮寺は聖徳太子の母によって創建された寺だという。
一時衰退したが尼寺として再建し、現在の本堂は高松宮妃殿下の御発願で昭和43年に建てられた。
中宮寺は何といってもご本尊が有名だ。

国宝、如意輪観世音菩薩さま

木造菩薩半跏像とも呼ばれる観音さま。
頬に手を当てて何やら考えるしぐさ。
清純な気品をたたえている。
10年前に出会った時、何て美しい仏さまなんだと思ったことを覚えている。

本堂は池の中に建てられている
風が通り抜ける本堂の奥で微笑んでおられる

右には2歳の時の聖徳太子像もおられる。

如意輪観音さまから見える景色

先ほどの修学旅行生が押し寄せるかとびくびくしていたが、幸い見学コースに入っていなかったようだ。
おかげでお堂で静かに観音さまと過ごすことができた。
高松宮妃殿下が耐震耐火を願われて建てられたこのお堂。
私は普段木造の寺が好きなのだけれど、観音さまにはこのお堂が合っている気がする。

ご本尊さまと聖徳太子さまの御朱印をいただいた
法隆寺敷地内は修学旅行生で溢れている

この後、法隆寺の近くにある「ぽっくり寺」で有名な吉田(きちでん)寺に行こうと思っていた。
ごく普通のお寺だが、ポックリ逝きたいと願う患者さんたちが多く、どうやってポックリ逝かせるのだろうと思ったから。
しかし暑さと疲労で私の足が「いいかげんにしろ」と文句を言っている。
まだ14時だが、明日もあるし無理せずぼちぼち戻ろうかな。

法隆寺駅から奈良駅までJRが通っているが、法隆寺の前から春日大社までバス1本で行くことができる。
このバスは1時間かかるが、観光地や田園風景を車中から楽しめる。

バスから法起寺(笑)
郡山城跡だって見られちゃう
色づいた田んぼが広がる
薬師寺駐車場。こんなに観光バス来てるんか(汗)

奈良旅3日目が終わり、明日で終わり。
何だかあっという間の3日間だった。
野鳥が好き、寺も好きな私にとって奈良は天国のようだ。
心配していた混雑も、移動の不便さからかインバウンドが訪れる場所は限られているようだ。
明日もインバウンドを避けつつ、最後の奈良を満喫しよう。
お風呂で汗を流し、ストレッチ。
ビールを飲んでベッドにもぐりこむ。


奈良旅の1日目、2日目はこちら。

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