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2023/8/14月 ぽたぽた焼き

1週間ほど遡る8月6日は愛犬の命日。名前はリッキー

どうぶつ奇想天外という番組に出ていた犬の名前をそのまま使わせてもらった。名付け親は自分で7歳〜19歳まで12年共に過ごした家族だった。

雷や花火の音を恐がり、飼い主である自分を2回ほど噛み、脱走して隣の家の犬のエサを食べたりするような愛くるしい犬だった。

そして一度死んで蘇った事がある奇跡の犬でもある。

19歳の夏 僕が暇過ぎて外で日向ぼっこしていた時の事
何気なく目線を向けると目を閉じてぐったりしていた。
正直もう死んじゃうのかとそう思った。数ヶ月前から体調が悪く、動物病院の先生からもう長くないと言われていたからだ。その姿を見た時、人生で1番泣いただろう。
自分でも制御できないくらい顔面ぐちゃぐちゃで嗚咽する程泣いていた。

すると元大工のじいちゃんが釘とトンカチと木材を持ってきて無表情で棺桶を作り始めたのだ。対応力の早さに驚いて、涙が一気に引いていった。そんな感じで悲しんでいた所でリッキーが2時間後くらい経った時、ムクっと起き上がってきたのだ。これには家族みんなが驚いた
隣で棺桶を作られて死んでたまるかと意地を見せてくれたのかもしれない。

ただ、それからというもの水は飲むが、ドッグフードは食べない。奇跡の復活劇だったがそんなに長くは生きられないのだろうとそれだけは分かったのだ。色んなものを食べさせようと試みたが何も食べない。大好物も食べないので諦めかけていたが、何となくあげてみたぽたぽた焼きだけ食べた。意味がわからなかった。

でも結局
ぽたぽた焼きと水の生活を2週間したところでお別れの時間がきてしまう。だがよく頑張ったと褒めてあげた。この時は涙よりもみんな笑顔。みんなでじいちゃんの手作り棺桶に入れて今までありがとうと伝えてリッキーは静かに息を引き取った。

悔やまれるのは亡くなる瞬間に立ち会う事ができなかった事その瞬間俺はウイイレをしていた。


おわり

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