君は『ポケモンスマイル』を知っているか？

ポケモンによる健康への誘い

2023年に株式会社ポケモンはスマートフォン向け睡眠ゲームアプリ『Pokémon Sleep』をリリースした。
また、2016年にはナイアンティックと株式会社ポケモンによって共同開発されたスマートフォン向け位置情報ゲームアプリ『ポケモンGO』がリリースされている。

これらのアプリはポケモンによるゲーミフィケーションとして注目を浴びた。
ゲーミフィケーションとは、ゲームの様々な要素（参加者間の競争・協力、ユーザー自身の挑戦、達成感など）を、ゲーム以外の分野に応用することを指す言葉だ。
つまり、ゲーム要素によってユーザーを健康な生活へ誘導しようという試みが『Pokémon Sleep』であり『ポケモンGO』なのだ。

ところで、あなたはポケモンによる健康な生活への誘い……ポケモンを利用したゲーミフィケーションのアプリがもうひとつ存在することをご存知だろうか？

そう。
それがこの記事で紹介するアプリケーション

である。

これが『ポケモンスマイル』だ！

まずはこちらのムービーをご視聴頂きたい。
『ポケモンスマイル』は、拡張現実(AR)を使用して、楽しく歯磨きを習慣化しようという趣旨のゲームアプリだ。

ちなみに、 iOS / Android の両方に対応している。

カメラに向かって歯磨きをすると、相棒に選んだポケモンが虫歯菌を攻撃し、歯をキレイにしてくれる。
虫歯菌に侵されたポケモン達を救出して、ボールで捕まえて仲間にすることができる。捕まえたポケモンは図鑑画面で確認することが可能だ。可愛くデフォルメされたキャラクターがタップでジャンプしてくれる。

また、歯磨きを続けていると、歯磨きを頑張ったことを讃えるメダルがもらえたり、歯磨き中にかぶることができる帽子が手に入ることがある。
新しい帽子を手に入れると、もっと歯磨きが楽しくなるのだ！

子どもの歯磨きを習慣化させるにはもってこいのアプリというわけだ。
我が家の三歳児もこれで歯磨きをイヤイヤする日が激減した。大変助かっている。感謝。

とはいえ注意事項も

アプリのレビューを見ていると、低評価のクチコミも散見される。
おおまかに低評価の理由は以下のようなものだ。

①セーブデータが消えた
②歯を磨いても反応しない
③難易度が高く子どもが泣く

①については何とも言えない。
対応機種を使用しているかとか、子どもの誤操作ではないかとか、そういった部分が不明のため、信頼に足るものか判断できない。
自分の環境では今のところ起きていない。

②が一番多いレビューかもしれない。
「力を入れて磨かないと反応しないため、力を入れて磨くと口の中が血だらけになる」みたいなレビューが結構な数存在する。
感度の問題については公式も把握しているようで、透明な色の歯ブラシだと反応させるが難しいので色付きを使って欲しいとか、明るい場所でプレイして欲しいとアナウンスしている。これはよくある質問などを確認するまでもなく、ゲームを起動するたびに表示される。
少なくとも2024年現在では明るい部屋でプレイする分において、星を減らすほどの反応の悪さは感じない。
また、子どもだけでプレイせずに保護者が見守るようにとのメッセージもゲーム起動時に毎回表示される。口の中が血塗れになるような磨き方は保護者が止めるべきだろう。そもそもカメラで手の動きを判断しているのに、歯ブラシに込める力の強さで感度が変化するはずもない。
また、歯科衛生士が指示するような磨き方では反応しないといったレビューもあるが、幼児期に正しい磨き方を自分でするのは難しいため、あくまで習慣化をサポートするアプリだと認識し、正しい磨き方は仕上げ磨きなどでサポートするべきではないだろうか。

③の難易度についてはよくわからない。②の感度の悪さに起因する問題かもしれない。部屋の明るくしたり透明の歯ブラシを避けることで解決できる部分もあろう。
デフォルトでは歯磨きの時間が3分に設定されているが、幼い子は3分間も歯ブラシを動かし続けるのは大変なので、成長度合いに合わせて親の方で調整してあげる必要がある。
子どもが途中でふざけたりして、捕獲に失敗することはあるものの、我が家では三歳児でも真面目に歯磨きしていればポケモンがゲットできないことはない。
この手の評価は2020年のリリース直後のものが非常に多く、2022年以降のものはほぼないため、アップデートで改善された可能性がある。

総じて、アナウンス通り親がサポートしてあげれば問題ない範囲と思う。

ここがすごいぞポケモンスマイル

最後に『ポケモンスマイル』のすごいところを紹介したい。

ポケモンスマイルでは、なんと毒ポケモンが意外な優遇のされ方をしている。毒ポケモンだ。セキチクジムもびっくりである。

ベトベトンやドガースが前述の帽子に採用されている。
ドロドロとしたベトベトンを頭にかぶって、時には目を塞ぐほどに垂れてくる粘液と一緒に歯磨きができるのだ。

なんで？

一応言っておくと、全ポケモンの帽子が存在するわけではない。かなり限られた枠だ。そこをピカチュウなどの人気ポケモンが何枠も占領している。そんな限られた枠に、ベトベトンである。

同じ毒ポケモンでもニドランとかもっとかわいい感じのポケモンがいると思う。仮に開発者にセキチクシティ出身者がいたとしても、サファリパークで捕獲できるニドランを採用するはずだ。

どういう判断なのか分からないが、すごいぞポケモンスマイル。