おばあちゃんの知恵袋 問題編1

突然ですが皆さん、暗号とかお好きですか。
わたしが学生時代に懐かしいワープロ専用機で書いた習作を発掘しました。
今から20年以上前に書いたものです。
再構成して、何回かに分けて掲載します。
暗号と、ヒント、解答などを小分けにしていきます。
まずは小学生でもわかる簡単な問題から。
今回のはヒントなしで、次回解答編です。

以下、物語本文です。

光太郎は屈託していた。社会はこの若者の就職を許さず、彼は今日も今日とて、四畳半のアパートでごろごろしていた。
仕方がないので、彼はメモ用紙に少し考えながら何か書いていった。
書き終わると、メモ用紙を床の上に投げ出し、再び寝ころんだ。
「おい光太郎、何やってるんだ」
窓を開けて、まるで泥棒のように侵入してきたのは友人の青一(せいいち)だ。
「1階は便利だな。玄関を通らなくても出入りできるからな」
無茶なことを言いながら、ちゃんと靴を脱いで入ってくるところは、この青一という男にも幾分かの思慮深さがあることを証明している。長い脚から入ってくる。彼は長身でスマートだ。小柄な光太郎とは20センチくらい身長差がある。
青一は、さっきまで光太郎が書いていたメモ用紙を拾い上げた。
「何だ、これは?」
そこには次のようなことが書いてあったのである。

A5K1N4G1N1A2
S2G5T5M5N1A2
H2M1D1

「青一よ、この暗号が表す言葉の意味がわかるかな?」
不敵な笑みをたたえて、光太郎は言った。

(つづく)

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