エネルギーの感覚的説明

はじめに

高校物理において,エネルギーというのが実態もなくわかりにくいのに,いくらか種類が出てきてしまって,よくわからないものの定番のひとつになっていまっている気がするので,それを少しでも解消できないかと思い記事を作ってみました.

先に断っておきますが,物理についても素人ですし,正直なにか書いてみる練習としてやってみようと思っただけなので,とりあえずで公開します()
少なくとも,高校生程度に向けているということを前提にお願いします.

ここでは,端的に物理らしい形を少し紹介だけしたうえで,本題として,具体的な状況を与えて,そこからエネルギーがどのようなものなのかを掘り起こそうと思います.

参考にした書籍等を最後にまとめておくので,ちゃんと知りたい場合はそちらを参照ください.断った通りですが,途方もなく間違えてるかもしれないので...

高校でのエネルギー

最初に,高校でエネルギーがどのように定義されていたのかを振り返ってみると「エネルギーとは仕事をする能力である」と書かれていることが多ようです.これを軸にまとめていきます.

エネルギーについてもう少しだけ深める

ここでは,エネルギーについて補足的に書くことにとどめて,本題は次節に書くことにします.飛ばしてもいいです.

運動方程式

まず力学の基本は運動方程式です.力学の基本法則などと呼ばれていて,力学はこれが通底しています.実際,エネルギーもここから導かれます.

運動方程式は質量$${m}$$の物体に力$${F}$$が加えられたならば,その結果として物体には加速度$${a}$$が生じるという因果関係を表す式といわれますが,ちょっと難し表現かと思います.まあ細かいことは置いておいて,とりあえず次式

$$
ma = F
$$

が成り立つということです.

仕事とエネルギー

仕事とエネルギーの関係は運動方程式から導かれるとポロっと書きましたが,どのように導くのかというと,運動方程式を位置$${x}$$で積分するだけです.積分についてここでは触れませんし,計算には少しの数学公式を用いるため面倒なので説明せず,細かいところも気にせずに結果だけ書いておきます.

$$
\int ma\ dx = \int F\ dx\\
\therefore\ \frac{m}{2}v^2 = Fx + \mathrm{C}
$$

($${v}$$ : 速度,$${\mathrm{C}}$$ : 積分定数)

この結果については,物理を習っていれば見たことがあると思いますが,積分定数を無視すれば,左辺と右辺は(エネルギー)=(仕事)となっていますよね.

ここで,エネルギーとは何なのかと端的に言ってしまえば,運動方程式を位置で積分した結果のことをそう呼んでいるということになります.

エネルギーとは何なのかということについては,非常に軽くここに書いたつもりですが,これでは一体どのようなものなのかというのはわからないとおもいますので,本題として次節でその名前らしさというか,仕事らしさをまとめてみようと思います.

感覚的なエネルギー

図 電荷qが電荷Qから受ける力

上図は,
「原点にOに電荷$${Q}$$を固定し,電荷$${Q}$$がつくる電場を$${E}$$とする.さらに,位置$${x}$$に電荷$${q}$$をおく.このとき,電荷$${q}$$は反発して飛んで行ってしまうので,これが静止するように反対向きの力$${F}$$を加える.」
という場面です.

ここで重要となるのが,電荷$${q}$$を位置$${x}$$におくためには力$${F}$$を加えていなければ飛んで行ってしまう,電荷$${q}$$がそこにあるだけで飛んでいけるような潜在的に備えることになる何かが電荷$${q}$$にはあるということです.

この何かをエネルギーとよんでいます.

個人的には,この例でなんとなくの感覚をつかんだので,エネルギーとは「仕事をする能力」というよりも「仕事をしうる能力」といったほうがわかりやすいです.

言い換えれば,電荷$${q}$$は力$${F}$$がなければ仕事をしてしまう.つまり,仕事をしうる能力を潜在的に持っている.これをエネルギーというわけです.

さいごに

一応,運動方程式から導く形を紹介しておいて,具体例を用いてどんな状態であって,そこにエネルギーらしさが見られるかということをまとめたつもりですが,この話で少しでもエネルギーについてのイメージがつけば救われないかなと勝手ながら思っています.

ありがとうございました.

参考

[1] 細川貴英 『微積で解いて得する物理』,オーム社

私が物理についてまともに学習できた最初の本.例として用いた図の話もここから.よくよく考えれば,ほとんどここに書いてあることと一緒かもしれない()

[2] 山本義隆 『新・物理入門』,駿台文庫

高校物理の参考書では難しいと有名な本.とはいえ,内容はめっちゃ良い.読んでからずっといつでも読める位置に置いてある.

高校参考書という位置にいるからか高校から大学への繋ぎとして良く機能するだろうし,それどころか大学初年度分もカバーできるくらい良いと思う.

[3] 小出昭一郎 『物理テキストシリーズ1 力学』,岩波書店

物理の定番シリーズのうちのひとつ.物理入門コースも定番だけど,力学は物理入門コースよりも物理テキストシリーズのほうが好み.

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