#046 うちのSurface君が不具合を起こしたので修理依頼を出した件 (集荷から到着まで篇)

 さて、ここからが本番です。前篇をまだ読んでいない人は、先に読むことをおすすめします。こっちが圧倒的に長いので。
 手順だけ知りたい方はこちらの記事の方が良いかも。個人的な事情を含めたお話に付き合える方はこのままお進みください。

④集荷依頼のメールを送る

 集荷依頼のメールには注文番号、郵便番号、住所、氏名、電話番号、メールアドレス、集荷を依頼するデバイスの数量を書きます。

 ...しかしBlu Logisticsてどこの企業だ、と思ったらシカゴとかに支店を置いている企業だった。ちなみに日本に支店はなし。メール日本語で大丈夫だったんだろうか...
 それ以上に気掛かりだったのは時間。メールを出したのは土曜日、あちらが対応できるのは少なくとも月曜日になるでしょうが、東京とアメリカでは13時間の時差があります。

 こちらとしては一刻も早く集荷してもらって一刻も早く新品が来てもらわないといけないのです。なんせ日本はお盆の時期。今年は特に重要で、そのために拠点を離れる必要が出てきます。そんなタイミングで新品を届けに来られても、受け取る人がおりませんがな。
 タイムリミットはお盆前の土曜日である8/11。サポートに依頼の電話を掛けてから2週間ちょっとあります。余裕がある、と普通なら考えます。

 が、集荷のメールが届くまでに1週間費やす羽目に。しかもメールだとBlu Logisticsが直々に連絡すると書いてあったのに、メールの送り主は「アリスペッドジャパン」という、東京に本社のある物流会社。

画像1

 まぁリアルでこんなポーズとってこんな台詞を叫びましたよ。叫びたくもなるでしょうよ。意味ないじゃないっすか。なんで海外の企業にメール送らないといけなかったの?
 あぁ、Blu Logisticsってこのアリスペッドジャパンの海外代理店だったのね。ふーん。じゃあ尚更このアリスペッドジャパンに集荷依頼のメールを送るようにすれば無駄な手間が省けたでしょうよ。

 しかもあくまでも集荷のメールが届いたってだけで、その時点ではまだ私の許にSurface君があったっていうね。で、実際に集荷に来るまでに9日かかっている。スムーズなサポートを目指しているんじゃないのかマイクロソフトは? この段階でもたついてどうする。

 さらに集荷の日が金曜の夕方。これでも(メールが届いてから)早い方なんですけれど、こりゃあどう考えてもアメリカに渡るのに時間がかかるパターンすね...。
 案の定追跡システムを更新したら土日の2日間かけても届け先にSurface君が着いてなくて中継の営業所を1つ跨ぐのに1日以上かかってやんの。月曜日に配送営業所に着いたとはいえ、残念ながらそこがゴールではないわけだし。佐川急便ェ...。いや、ここだけ切り取れば普通のスケジュールなのかもしれないけれど、場合が場合だから...

 あれ? 集荷のお届け先がカンタムソリューションズ? 梱包用の箱送って来た会社じゃん。最初からここに頼んどけば良かったんじゃね? 集荷方法と集荷先が分かっていたら、私が直接佐川だか日本郵便だかヤマトだかに依頼してたよ。
 でもこれだと配送料をこちらが負担することになるのか...。それを差し引いても、わざわざ遠回りな方法をとる必要は果たしてあったのでしょうか。こんなもんなのかなぁ、普通?

 しかしうちのSurface君が無事に渡米したとしてもそこからどれだけかかる? 一応マイクロソフトは色んなところに支店がある、だがどこで交換するのか? アメリカは日本と違って広大な国。他の拠点まで中継する必要があるとしたらそれだけでどのぐらい時間を要する?
 ネットだと発送から2,3日で新品が配送されているケースを見かける、だが海外を通したらどうなる?
 メールが届いてからずっと、いろんなことで頭をぐるんぐるん悩ませていました。他の人のケースと同じだったら、こんなにも心配する必要はなかったのですがね...。

 状況が若干違うだけで、こんなにプロセスが変わるもんなんでしょうか。変わると言ったって、結局は交換に行き着くじゃあないか。何が違うよ?
 だからメールを見てもし同様の集荷方法になると分かったら、メールが送られてからすぐに集荷依頼のメールを出しておいたほうがいいかもしれませんね。タイミングによってはかなり足止めを喰らわされるし。その時点では梱包用の箱が届いてなくても、メールの返事が来るまでの間になんとかなります。知らんけど。

 まぁ、とりあえず行きのルートはメールに書かれていたのとは大分違ったわけですが概ね分かりました。問題は帰り。サポートに連絡してまもなく送られてくる最初のメールは、集荷までの内容しか載っていません。今回の件もありますし、行きと同じ会社が取り継いでくれるとも限りません。
 もし間に合わなかったら...その時は私のところに直接新品を届けに来てくれる業者に、送り先の変更を連絡する必要があります。間に合ったとしてもギリギリのスケジュールですから、この際可能な限り早く私の手元にパソコンが届いてくれれば御の字ではあるのです。

 だが誰に連絡すればいいのか、それは新品が日本に到着した時にならないと分からない。ていうかそもそも送り先変更できるのかさえ、この段階では不明のまま。
 いつ受信BOXに届くか分からない詳細のメールを待つか、こちらから動いて何らかの変更をするしか術がないのです。


⑤Surface君は何時手元に届く?

 最初の依頼から2週間程経つも、特にこれといって何の連絡もなし。流石に雲行きの怪しさが隠しきれなくなったのでマイクロソフトのサポートに連絡しました。

 ①Surface君がアメリカの方で受理されるのを待っていたらタイムオーバーが現実味を帯びてしまうので、新品を先に受け取ることはできないか。
 ②先に受け取ることが出来ない場合、新品の発送先の変更は可能か。
 ③そもそも何故アメリカに送る必要があるのか、無償交換が決まっているのであれば日本国内での対応は可能ではないのか。

 3つ訊きました。今までの謎が解き明かされることを期待。で、それぞれに対するサポートの返答はこちら。

 ①直接返答してはくれなかったけれど、無理であることをやんわりと理解しました。はぐらかされたとも言う。
 ②追跡番号つきのメールが発送時に来るようなので、それを使って発送先の変更を行う。これは厄介ですね。どこの業者も原則荷受人からの配達先変更は認められていません。せいぜい元の配達先の地域を担当する営業所止めにできるぐらいです。転送させる方法もありますが、お金がかかってしまいますし。
 ③なんか社内ポリシーで、特殊案件はアメリカで対処する必要があるとか。だから交換するのもアメリカじゃないとダメなんだと。まぁバッテリーがふくらむスクラムしたSurface君に関しては特殊案件扱いでそうしなきゃいけないとして、新品との交換もイチイチそこでやるの?

 というかこのやり取りで察した人もいるかもしれませんが、8/11までに受け取ることがかなり難しくなりました。まぁそうだよな、逆にアメリカでスムーズに事が進んだら今までのグダグダは何だったんだということになりますもの。...と思っていたのですが詳しくは後述。

 ...あ、連絡を終えてから気づいた。
 ②に関しては、こちらが不在中の滞在先を教えればなんとかなるんじゃね? 可能性がゼロじゃなければ、賭けてみる価値は十分にある...! サポートにとってはしつこい存在だとそろそろ思われているかもしれんけれど、再度連絡してみました。

 したら、「確認する、数日後折り返しの電話を入れる」だって。今までにそうしたケースってなかったのかね。どうもさっきのやり取りの内容だと、新品の荷送人がマイクロソフトらしいので発送する前にそちらから変更してもらった方がお互い都合が良いとは思うんだがね。発送後では対応が難しくなるのは、そっちも同じことだし。
 サポートとしては②の方法で対処してもらうつもりだったようだけれど、原則無理じゃあ仕方ないよね。簡単に変更できたらトラブルになりかねないから、当然ではある。知恵袋を見る限り対応してくれた業者もいるようだけど、全てが全てそうなるわけじゃない。

 勿論行きの件もあったし、マイクロソフトは間に別の業者を介して送ってくるかもしれません。でもその時は住所の変更を依頼する先が変わるだけの話であり、とにかく荷送人側から帰り用の住所にしてもらえればOKなのです。だから今は折り返し電話を待つとしましょう。

 連絡後にメールボックス見たら、「デバイスを受領した」っていう旨のメールが来てた。...何処に?


⑥スムーズなんだかグダグダなんだか...

 翌日。折り返し電話が掛かってきました。こういう所は早いっすね。
 話によると、確約は出来ないものの可能な限り対処できるように一応聞いておくとのこと。難しい話なのか...。しかし可能性はゼロではなかった、ということで気休めにはなりました。さっさと訊いておいてよかったぜ。とりあえず滞在先の住所を伝えておきました。

 そんなことをしてたら同日、メールボックスに代替品の発送がされたというメールが来た。アレ? 何かスピードが速くなってね? この場合サービスセンターって、どこのことを言っているんでしょうかね。アメリカだったら余計に日本での膠着ぶりが情けなくなるぞ。

 代替品? と思った人もいると思います。これまで新品との交換という表現を使って来たのですが、実は厳密に言うと再生品なんですね、本当に送られてくるのは。amazonのマーケットプライスでいう良かそこらの判定がつけられた中古品みたいなものです。
 ネットで調べてみると、この代替品でもトラブルが起きている人がいるようで。支障をきたさない程度のキズなら別に構わないけれど、この期に及んでまともじゃないのがやって来るのは勘弁してほしいな...普通に使えるデバイスであることを願おう。
 で、どんなデバイスが送られてきたかはここから数えてあと27行ぐらいで分かります。スマホから見る場合だともうちょい後になるけど。

 翌日。追跡番号を調べたら、どうもこれは日本郵便の管轄らしい。ホントにあっちで受領してから3日でここまで進むとは。...これ、集荷のゴタゴタが無ければもっと早く解決してたよね。

 ...ん? 配送状況に「転送」の2文字が...?
 なんで転送する必要あるの? 私、まだ拠点にいますけど?

 最後の最後までマイクロソフトだった。どうやら配達先住所の変更はできたらしいのです。が、それは8/12以降に到着することになる場合の話であって。それよりも前に送れるんなら最初に指定した住所でいい、と言ったはずなんですが。
 滞在先に送られても、まだ私はそこにいませんっての。別に東京からえらく離れた場所に拠点があるわけじゃないから、土日を挟まなければ1,2日で着くのにね。まさか気休めに伝えた情報が裏目に出てしまうとは。

 サポートセンターとサービスセンター、連携が取れているんだかそうじゃないんだか...。つくづくタイミングが悪い。
 急いで日本郵便に連絡して元の住所に送ってもらっていいよ、と伝えました。まだ転送されてなくて良かった...


⑦到着

 んで、同日。代替品がついに手元にやってきました。宅配ピザを頼んだことはないんだけれど、大体こんな感じだったよね的な箱に梱包されて送られてきました。送られてくるのは本体だけですが、今まで使ってきたアクセサリー類はちゃんと使えますよ。

画像2

 あー長かった…。問題発生から16日かかってようやく解決に至りました。

 代替デバイスの状態ですが、ある程度触った感じ特に異常なし。キックスタンドもスムーズに可動してくれる。一番違いが実感できたのは、バッテリーの持ちがすごくいいってコト。最初はこのぐらい持ってたんだっけ…。やっぱり膨張が減りの激しさの原因だったのだろうか。

 あ、でも一つ気になることだけ。なんかフロントカメラのライト(フラッシュ)が漏れ出てるなぁと思ったら、画面上部にスキマが生じているのを発見。指で押してみると若干手応えを感じる。流石に使ってから1週間も経ってないのでまだディスプレイは剥がれていないけど、やめてよねここからベロンチョと外れるのとか! そこバッテリーの位置じゃないし!
 スキマが出ていたから悩んでいたのにスキマのある代替品を送ってくるとは…とことんなまでにマイクロソフト。とは言ってもせいぜい夜にWindows Hello(顔認証)でサインインするときぐらいかなぁ、気になるのは…。少なくとも前よりは使いやすいことには変わりないので使用継続。


結論

 今月末にSurface Goという低価格の新モデルを発売するということで、購入を検討している人もいるでしょう。では、ここまでの一連の流れを踏まえて私からは1つだけ。
 「修理に出すことになったら面倒になるかもよ」と。
 パソコンという、私にとっては日常的に情報を得るための手段であり、趣味に興じるためのツールであり、タスクや手続きを処理するためのエッセンシャルであり...端的に言えばあらゆるシーンで必須とするライフラインが、バッテリー膨張という不具合と交換のためにわざわざ海外を経由するというプロセス、理不尽とも不条理とも思える原因で2週間以上手元にない状態が続いたのです。

 Surfaceが来るまでの補欠要員としてロースペックの2台目を買ったろかとも考えるぐらいには長かった。折角無償交換してくれるのに購入するなんて馬鹿らしい、と思いとどまったけど。
 バッテリー膨張は自分でもはっきりとした原因がわからないので仕方ない(運悪くハズレ個体を引いたとでも考えるしかない)として、もし滞りなくSurfaceが手元に戻って来たのであれば、きっと私も「色々大変だったけど、サポートのおかげで早期に解決しました、やったね!」とこの記事に書いていたことでしょう。

 ていうか、書きたかった。でも仕方ないじゃん、時間が掛かり過ぎじゃないのかって。土日を挟んだとはいえ、サポートへの連絡から実際の集荷までに、全体の半分近くの時間を取るって。何で本土だけでこんなに手間がかかってんの。

 しかし同じケースでも国内で完結して3日で戻ってきたっていう人もいるのだが。私の勘違いかもしれないけど。そりゃあ早く帰って来るのなら神対応と誉めそやしてもいいかもしれん、だが私の場合はそうじゃなかった。
 アメリカに送る必要性については先述した通りだけれど、やっぱり腑に落ちない。日本支社じゃどうにもならない話だったのか? 明確な説明が欲しくなる程ややこしい話と化すだなんて、思っていなかったもの。

 だからせめてもの救いは無償交換だったっていうことと、集荷が完了した後に謎の超加速で代替デバイスの受取が間に合ったっていうこと。これでキッチリお金取られていたら記事を2分割するだけじゃあ足りなかったかもわかりません。今も充分長いけどな。

 結局のところ、Surfaceをメインとして使うのであればこうしたデメリットをキッチリ把握し、実際にぶっ壊れたら腹をくくる...その位の覚悟が必要です。昔の私に言ってやりたい。あの時は知らないで買ってたからなぁ。

 たしかにSurfaceは魅力があります。タブレット型PCとして、持ち運びの良さと普通のPCにも負けず劣らずのスペック、タッチパネルかつ専用スタイラス付き。想像力も、創造力も掻き立てられます。noteだってSurface君なしでは始めようとも思わなかったかもしれない。価格はそれなりにしますが、有意義に使えれば価格以上の価値を持つこともあり得るでしょう。

 でもそれは手元にあってこそ。使用できなくなった時のダメージは大きいですし、それ以上に他のPCよりもリカバリーに時間を費やすことになる、これが一番の(致命的な)リスクです。ひょっとしたら人生の高い勉強代として、その役目を終えることになるのかもしれません。


Surface君を選んだ理由

 2016年春。私は迷っていました。パソコン、何にしようかなぁと。すみません、久しぶりの自分語りに少しだけお付き合いください。
 程なくして2択にまで絞り込まれました。ひとつはVAIOのCanvas、もうひとつはマイクロソフトのSurface Pro 4。どちらもキーボードとディスプレイが分離可能であり、スタイラスを使って直感的にドローイングが行えるモデルです。Canvas はのちのSurface Bookに近いかもですね。あぁもう、CanvasってiPod touchじゃ打ちづらい...

 しかしまー高い。Canvas、当時は最低でも40万しました。ていうかVAIOは分社化したら何か以前よりもお高く止まるようになりましたね。かつてのソニーブランドはもうなくなったというのに...。あ、もしかしてその逆?
 色々Surfaceにはない機能がある(キーボードがワイヤレス、タッチパネルの指反応を無効にする機能など)とはいえ、性能とのトレードオフもあってか熱暴走やら色々欠点もあるそうで。
 その点、Surface Pro 4は決して価格が安いとは言えないもののCanvasよりかは抑えつつ高いスペックを提供していることもあり、こちらの方がいいかなと思い購入したのです。ま、最終的にはこっちも熱暴走やらかしたけどな!

 今までのパソコンは長くもってくれていたし、修理知らずだったし...経年劣化は起きても、普通に買い替えの時期まで使用できていたというのに。
 Surface君、いくらなんでも2年ちょいじゃ買い替えしないよ。気が早すぎるよ。それともアメリカだとそのぐらいの周期が一般的なのかい?

 改めて考えてみましょう。貴方が求めるものは、本当にSurfaceでないと手に入らないのでしょうか。
 持ち運びを重視するのであれば、普通に小さいラップトップでも良いのです。Surfaceのタイプカバーは2万近くしますし、本体を購入しても付属しません。それに分離できるとか、キーボードを畳めるとかっていうのは別にSurfaceの専売特許ではありませんので。

 なるほどデザインはシンプルだし薄型ですが、キックスタンドはガタがくる上にネジが特殊で自力での修理が不可能、更に薄型にしたことがネジのみならずSurfaceの部分的な修理を困難にしています。あとハードディスクのアクセスランプあるいはアクセス状況が分かる機能が欲しかったところ。

 タッチパネルは他のメーカーのパソコンでも見かけますし、スタイラスを使いたいのであれば液タブを購入してパソコンに繋げるというのも一つの手です。wacomのcintiqとかGAOMONとかどうですかね。特にGAOMONはamazonで4万出せば買えますし。中華ペンタブではありますが、セットアップが大変とか傾き検知がないとか、序盤の慣れが必要なこと以外は値段相応かそれ以上の充実感を得られるようで。

 スペックを気にするなら、Surfaceを買える金さえあれば他のハイスペックなパソコンも十分に視野に入れられるでしょう。コンパクトかつ高パフォーマンスを発揮してくれるモデルもあるんじゃないですかね。寧ろそっちの方を選ぶとお釣りがくるのでは。プラスアルファとして美味しいもの、食べられるかもよ。

 あとタブレット型端末の宿命なのかどうかは知らないけれど、Surface本体だとUSB端子が1個しかなく(ちなみにACアダプタにも1つ付いている)、高い本体では飽き足らず3万近くするSurfaceドックを購入してようやくノートパソコン並みのポートを確保できるという事情もあるので、外部データやUSB接続によるデバイスを扱うことが多い人には不向きだと思います。
 一度にそんなに挿し込んだりプロジェクターに映したり有線でインターネットに接続したり、そういうことが殆どなければ無用の長物と化しますが。ドック重いんだよなぁ。

 逆に言えば、1台で色んなことができるポテンシャルを秘めているデバイスであることがSurfaceの特徴と言えるでしょう。私がSurface君を選んだのも、そういうトコロに惹かれた(釣られた?)からこそという一面があります。
 が、所詮はポテンシャル、それを深淵に沈めたまま日の目を見ることなく次のパソコンに代替わりしてしまうかもしれません。今一度何のためにパソコンを使いたいかを考えてみましょう。他社製品との比較検討は必須です。


修理に手間がかかるというデメリットを把握する

 身に染みて理解したことは、Surfaceが「マイクロソフト製」だということ。つまり今回の件のように、普通なら購入した家電量販店やメーカーを通して短期間で修理にこぎ着ける話であってもSurfaceはマイクロソフトを通して厄介なステップを踏んで、ようやく交換できる段階にたどり着く...可能性があるのです。

 機械ですからなんだっていつかは寿命が来ます。しかしそれが予想よりも早く、世代交代の検討もしていないタイミングでの出来事だったとしたら。修理するのか、買い換えるのか。迷わず新品! であるならばともかく、もしそこに選択肢が残されているのであればSurfaceは考えものかもしれません。

 家電量販店では、Surfaceの修理は受け付けていないところが多いです。修理に出そうとしても、メーカー...この場合はマイクロソフトに直接頼めと言われることになるでしょう。一部の取り扱っている修理店もあるそうですが、そこを信用していいかは個人の判断にお任せします。マイクロソフトとしては推奨しないに決まってますが。

 うーん...。私としては、Surface君の交換はこれっきりにしたい。つまり再び交換する必要が出てきたとしたら、手順次第ですが見送って次のパソコンを購入する運びになるかと思います。言うまでもなく、うんざりした。パソコン依存症じゃなくても不安になったもの、今回の対応は。人生における貴重な時間とカロリーをSurface君の行く末で余計に費やした感じ。疲労感たっぷり。
 いかんせんこうしたトラブルに遭遇したのは初めてだったこともあって慣れてないというのもありますがね...慣れるほど遭遇したくねーわ

 そういうわけで、Surfaceはおすすめできるか? と訊かれたら、「なにがなんでも」で申し上げた通り、用途によります。マジで。用途によっちゃあ選択肢として十分考慮できる、しかし必要性を感じないなら素直に別の製品にした方がいい、これが結論です。

 マイクロソフトはあくまでもソフトウェアの会社として関わるべきなのだと実感しました。ハードウェアの品質管理がどうなっているのか疑わしいものです。林檎を見習って自社一貫体制を築いたはずが、結局この有様じゃあねぇ。
 商品失格レベルにSurfaceが悪いとは絶対に言いません、ですが一度脆さが露呈するとSurface延いてはマイクロソフトへの信頼が、がくっと下がりうる...今となってはそういう印象を受けます。

 ソフトウェアの面とてWindows Updateを行ったら動作が不安定になったとかいう話をよく耳にします。何の幸いか私は致命的な事態にはまだ遭遇していませんが、更新プログラムを落とすのに時間かかるわCPUに負荷がかかるわ...その上でそれぞれの必要性を疑うぐらいに更新をばかすかとやっているので、Windowsユーザーをどうしたいのかいよいよ分からなくなります。

 それでも圧倒的なシェアを誇るマイクロソフトとは縁の切れない存在として、今後も付き合うことになるのでしょう。改善されることを祈るしかない。これを機に完全なMacユーザーに移行するなら話は変わってくるけどね。
 あとこれは今使っているSurfaceで初めて遭遇したのですが、最近のマイクロソフトはBitLocker回復なんてものがあるんですね。こんなのSurface君じゃ1回も出てこなかったぞ。回復キーを調べようにもディスプレイ上のURLからじゃ教えてくれなくて、富士通のQ&Aに掲載されているURLからようやくコードが分かるという有様。なんでやねん。


余談

 昔、国語の教科書で『新しい友達』っていうのがありましたっけ。石井睦美女史の作品。
 小学校だったっけ、教材が変わったであろう今も子供たちは読んでいるのだろうか。父親の仕事の都合で海外に行った主人公の友達が日本に戻ってきたら、前とは性格が違っていて主人公がうまく受け入れられずにいたのだが、クラスメイトからのアドバイスで「新しい友達」だと思って接することで、気持ちが軽くなったって話。ざっとだけれど、こんなもんだったような気がします。

 改めて今手元にあるSurfaceを見つめて思うこと。当たり前だが、今まで「君」付けしていたSurfaceと変わらないモデルです。買って間もなく、これから色んな風にして使っていこうかとワクワクしていた時のSurface君と、殆ど変わらないのです。
 だけれど、間違いなく言えるのはこれは今まで愛機として使っていたSurface君ではないということ。彼はもう役目を終えた、もはや私の手元に戻ってくることがなければ、どこかで再生品として誰かの許へと届くということもないのでしょう。きっと。

 でもまぁ、よかった。これからどれだけの付き合いになるか、というかできるのかは分からないが、Surfaceという相棒が返ってきた。以前のSurface君ではないけれど、そういう存在だと思えるからこのSurfaceもまたSurface君なんだと言える。私にとっての「新しい友達」です。
 なんてね。自分でも何を言ってんのか、よく分かりません。


 さよなら、それでもってこれからもひとつよろしくね、Surface君。

 ...あ、でも最後に一つだけ。


 次ぶっ壊れるんだったらもうちょっと余裕のある時期にしてね!


 見事に落ちが付きましたね。そうか?
 おしまい。