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自己観察から見えたもの 8

自己観察から見えたもの


『ネイルサロンへ行く前編』

2023年11月13日、人生初のネイルサロンへ行ってきた。
私はファッションや美容にはほとんど興味がない人間なので、ネイルサロンはとても遠い存在だった。
けれど、綺麗なものは好き。
SNSに「ネイルしてきましたー!」とネイルの画像を載せている友達などをみて、「あー可愛い!いいねいいね〜!」とは思っていた。
人生で一回ぐらいネイルしてみてもいいかも。でも、お金はかかるし、つけたからって爪が伸びたら外さないといけないし、消え物にそんなお金かけるのも…と普段の私からは遠い存在のネイルサロン。

100のリストの中では1番実現しやすそう!と思ったのと、ヌン活に行くのなら身なりを素敵にしてテンションあげるのもいいかもしれない!と思ってやってみることにした。

まずは、ジェルネイルってつけてからどれぐらい日持ちするのかな?爪はどんどん伸びていくから、ヌン活に照準を合わせるとしたら何日前ぐらいにつけるのがベストなんだろう?という疑問が出た。
私は自己観察を始めてから、思いついたことを息をするようにX(旧Twitter)に流す癖がついたので、その疑問も思いついた瞬間ポロリとXに流していた。
すると、ネイルに慣れている友達が「爪が伸びるスピードもあるから3、4日前がベストかも!」とすぐに教えてくれた。すぐに欲しい情報を得られて感謝である。本当に友達に恵まれている。

美容室などの予約も個人店だと枠が少なく当日などは予約が取れず、遅くとも1週間前には予約を入れておかねば施術してもらえない…という知識はあったので、早めに店を探すことにした。
初めてのネイルサロン。店がどこにあるかも知らない。

ホットペッパービューティーで近所のネイルサロンを探すとたくさん出てきた。店の写真や口コミから雰囲気を見て、値段も見るがよくわからない。
まず用語がわからない、サンプル?アート?持ち込み?さらに、ネイルサロンを検索していたのに、なぜかまつ毛エクステのクーポンが出てくる…?
そうか、ネイルとまつ毛エクステを同じサロンでやることが多いんだなぁ……など気づくと思考が遠くへ行ってしまっていた。
たくさんある中から、選ぶ基準もわからず、「私に合うネイルサロンはどれなのー!?」と大混乱である。もう誰でもいいから「ここのネイルサロンがあなたにピッタリ!」と選んでくれ!!!!という心境だった。選ぶのが面倒くさい悩むのが面倒くさい。

ネイルサロン初心者…というより、美容系のサロンに疎すぎて何もかもがわからないので、そっ…と、ホットペッパービューティーのページを閉じていた。
「面倒くさいしもうやめようか…。また小学生の娘が持っている100均のマニキュアでも塗っとくか…」という考えが頭をよぎったが「いやいや!やりたいことをやる!って決めたし!友達にも宣言したし!ネイルサロン行こう!ジェルネイルつけよう!」と、なんとか面倒臭さを振り切って、再びスマホで検索した。

ホットペッパービューティーは情報が多すぎて思考が遠くへ旅立つので、普通にネット検索で出てきたHPを見ることにした。
トップページにシンプルで美しいネイルの写真があるサイトが気になった。
住所を見てみると、時どき自転車で通る道沿いにあるお店だった。落ち着いた雰囲気で場所も行きやすそうだし、お値段も安すぎず高すぎず。施術者の方はコンテストで賞をとっていらっしゃるようで、信頼できそうだなと思い「ここにしよう」と決めた。

電話は苦手なので、予約がラインでできるのも良かった。
早速予約のラインを入れると、すぐに返事がきた。
そのラインに「お好みのデザインや悩まれているデザインなど何枚でも結構ですので画像を送っていただけますでしょうか。」と記載があった。

画像…画像…?
ネイルサロン初心者なので、美容室に行くみたいに当日その場で「こんなふうなネイルにしたいんですよねー!」って相談して決めるものじゃないんだ??先にお知らせしなきゃいけないんだ??画像探さなきゃいけないんだ??と初めて知った。(注意:そのお店がそうだったというだけなので、他のサロンもそうなのかはわかりません)
サロンに行ってネイリストさんと相談しながら決めるんだろうなぁと思っていた私は、画像を探すのが面倒臭すぎて一旦スマホを置いた。

スマホを置いて1日たち、ようやく腹を括ってネイルの画像を検索しだした。
何が自分に似合うのか全くわからない!わからないが決めなければネイルができない!とにかく探すしかない!
ここまで読んできてくれている方にはわかると思うが、私は今まで自分の感情を見ることをしてきていなかったので、「自分が好き!」という基準で選ぶという経験も少なく、慣れておらずとても苦労をするのである。「好き!」という基準で選ぶことが「面倒臭い」という、何が楽しくて生きているんだろう…と書いてて悲しくなってくる状態である。
とにかく何十枚というネイルの写真をスマホで見ながら、どの写真に自分の心が「これいい!これ好きかも!」と反応するのかひたすら観察していく作業だった。
少しでも「これいい!」と思ったものをスクショでとり、それをラインでネイルサロンに送った。
「グレージュ、スモーキーカラーのシンプルネイルですね。かしこまりました。」と返事が来た。そうか、私がいいなぁと思ったのは「グレージュ、スモーキーカラーのシンプルネイル」なのか…としみじみした。


『ネイルサロンへ行く中編』

無事にネイルサロンの予約が取れて一安心していた。これで準備は整った。あとは当日サロンに行けばネイルをしてもらえる!
早めに予約をしたつもりだったが、施術者が2人しかいない小さなお店だったため、ヌン活2日前の結構ギリギリでの予約日となった。
サロン選びは面倒くさかったが、早めに動き出しておいて良かった。

ヌン活の日が近づいてくると一緒に行く友達と盛り上がり、「当日のドレスコードをルーレットで決めようよ!」などお遊びもしつつワクワクとテンションも上がっていった。
当日のドレスコードが「秋色」に決まり、着ていこうと思っていたワンピースを引っ張り出すとまさかの半袖だった。
今年の秋は暖かかったが、流石に11月に半袖は無い…。上着を着ていってもヌン活会場のホテルでは上着を脱ぐだろう。
下に別の服を重ね着できないか鏡の前で四苦八苦したが、どうしても襟元から下の服が見えたり、つけ襟が上手くはまらなかったりで泣く泣く別のワンピースにした。
シックな深緑に白の水玉が入った可愛いワンピースだ。可愛いなぁと思って買ったけれど、子どもがいるとスカートは動きにくくシックなワンピースは着ていく場所も選ぶので、一度も着たことがないものだった。
着てみると自分で「うん!いいじゃん!似合う似合う!」と思えた。着たかったワンピースとは別のものになったけど、これを着れてよかった!と思った。
しかし、この服に合うネイルは、先にネイルサロンに送った画像「グレージュ、スモーキーカラー」とはちょっと方向性が違うかも。ネイルの画像を選ぶ時、着ようと思って想像していたワンピースはあきらめた方のワンピース。
この深緑のワンピースを着るのなら、ネイルはイチョウのような黄色がいいな。緑と黄色、いいじゃん!イチョウ色でドレスコードの秋色だ!と思い、色の変更を当日お願いすることに決めた。


『ネイルサロンへ行く後編』

子どもたちのアデノウィルス罹患で保育園に行けない期間を経て、なんとか無事に看病しきり予約をキャンセルすることなく当日を迎えた。
子育て期間中は、育児あるあるなのだけれど予定を入れていても予約をしていても子どもの体調次第で全てがひっくり返ることがあるので怖いのだ。

ヒヤヒヤしつつも無事に当日を迎え、るんるんしつつ半分緊張しつつネイルサロンに向かった。
迎えてくれたのは同年代と思しき落ち着いた雰囲気のネイリストさんだった。
ネイルサロンが初めてであることを伝え、また送った画像と別の色にしてほしい旨も伝えた。当日言っても快く変更を聞き入れてもらえた。
サンプルの中からイチョウ色に近い黄色を選択した。

10時から予約をしていて、終わったのは12時だった。2時間かかった。
初めてなので、つけているネイルをオフ(外す)することはなかったので、これでも早めに終わった方なのだという。
ジェルネイル、1時間ぐらいでできるものだと勝手に思っていたので、こんなに時間がかかるのか!とびっくりした。

ネイルの施術も初めてなので、とても興味深かった。
爪の長さをやすりで綺麗に整えてもらい、甘皮の処理をしてもらい(これをすると爪が大きく綺麗に見える)下地を塗り固め、色を塗り固め、トップを塗り固め、それを10本の指ひとつひとつに施術するのである。
指一本をここまで入念に手入れしてもらい、丁寧に扱ってもらったことはなかった。初めての経験だ。
下地や色やトップを塗り固める時も、爪全体の厚みが均一になるように塗りむらができないように細い筆でひと塗りひと塗り丁寧に仕上げてゆく。
とても細かい作業が目の前で繰り広げられ、見ていてとても面白かった。
ネイリストさんは作業しているが、こちらは作業してもらっているだけなので手を前に差し出し、固める時は指示に従いライトの中に手を出し入れするだけである。口はとても暇だったので、2時間ずっとネイリストさんとおしゃべりしていた。
天気の話から子どもの話、仕事の話、ネイルしにくる人にはどんな人がいるのか、私がなぜネイルをしようと思ったのかなどなど。
ネイリストさんは私の爪を見ながら一生懸命作業してくれているので視線は合わないが、逆にそれが良くて緊張せずに色々お喋りできて楽しかった。その辺りも対面のお仕事のプロだなぁと感じた。

2時間後、とても可愛い爪になっていた。自分でネイルを塗ったことは何度もあったが、ジェルネイルを塗る前に手や爪のケアをしてもらったのもあり爪の形も綺麗になって、こんなにテンションが上がるものなのか!と思った。
指先は、絵を描いていてもパソコンを触っていても子どもの連絡帳を書いている時にも目に入る。目に入るたびに、ふふっと嬉しくなる。

指の先まで丁寧に扱ってもらい、たくさんお話しして「こうやって自分をケアする時間ってとても大事だなぁ」「自分を大切にできたし、してもらったなぁ」という気持ちで心がホクホクした。

お店選び、画像選びは「自分が好き!と思うものを基準に選ぶ」が難しく、面倒くさくなり諦めかけたけれど、ネイルの施された自分の手が目に入るたびに「やって良かったな!」「ネイル可愛いなぁ!」という嬉しい気持ちに満ちた。

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