技術について考える～人間のレベルを上げよう～

こんにちは、藻野菜です。『思考のダム』のマガジンに加えるシリーズ。思ったことがあるので書きます。

みなさん、『新・プロジェクトX』見てますか？ 元々ブラタモリがやっていた時間に放送されてる番組。色んな職人や技術者の話、面白い。6/22放送の内容は、車の自動ブレーキの開発に関する話だった。今や搭載が義務化されている事故防止機能、開発には途方もない苦労があったようで、面白い内容だった。

自動ブレーキの開発の経緯には、『交通戦争』とも呼ばれるほど、交通事故の死者数が増加したということがあるらしい。番組では暴走族のような人たちが危険な運転をしている映像が流れていた。こういう危険運転をする人だけが交通戦争の原因ではないだろうけど、この人たちが殺した人間もおおくいるでしょう。

「交通事故が多いから、事故らないような車を作ろう！」

この考えを実現できる技術力はとても素晴らしい。しかし、この考えって少し疑問じゃないですか？

車っていう物は確かに危険性を秘めているけど、運転者がその危険性をどうにかして抑える。これは当たり前のことだと思う。

交通事故を減らしたい（＝車の危険性を抑えたい）なら、それを使用する人間の方をどうにかするべきでは？

そうは思わんかね。別に車に限った話ではない。最近、『カスハラ』というものが問題視され、配膳ができるロボットの開発やAIの自動音声の開発がされているらしい。

危険運転による交通事故もカスハラも、それをする人間に問題があるのであって、車や店員・店にはなんら問題がない。もちろん開発された技術は素晴らしいものだし、技術開発はどんどん進歩するべきだけど、問題解決の方向性はそれでいいのか？

問題がある人間を放置して、技術でそれをカバーする。それってとても無駄なことじゃないでしょうか。技術が開発されるまでは被害は増える一方だし、技術が実装されても問題のある人間は新しい技術やルールをかいくぐって問題行動を起こすもの。

まずは問題がある人間の方を強制するべきだと思うんですよ。誰の得にもならず、危害を加える行動をなぜ、技術でカバーしなければならないんだ。

あくまで一例だけど、車の危険な運転や違法改造はさっさと取り締まって、カスハラをする人間には誰も取り合わなければいい。人間は社会から孤立したら生きてはいけないから、そのうち問題行動がなくなっていくんじゃないか。

ハッキリ言って、そういう問題行動をする人間は程度の低い人間だと思う。これは優性思想や差別ではなく、「他人のことを考えず、自身の欲を優先する傲慢な人間は、レベルが低いでしょう」という当たり前の話だ。きっとほとんどの人は賛同してくれるでしょう。

そんな程度が低い人間に合わせる社会ってみんな望んでるの？ どんな技術者も開発者も学生もサラリーマンもそんな人間を容認したくて仕事や学業に励んでいるわけではない。

でも、『問題行動を技術でカバーする』という方法を取っている限り、程度の低い人間を容認してるんですよ。技術によって問題行動を許してしまってると思うんですよ。

そんな人間を許す社会、間違ってませんかね。技術力を上げるより、人間のレベルを上げた方が正しくありませんかね。誰の得にもならない人間やその行動は、失くしていった方が社会のためになりませんかね。

テクノロジー以外の方法で、人類が先に進むには、ルールやマナーやモラルを徹底し、人としてのレベルを上げるしかない。

そういう社会の方が正しいと思う。

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