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彼らは青色を掴んで離さない。

アニオタは青春を捨てないと、僕はそう信じている。

同じ創作物でも、ドラマとアニメは何が違うの?と思う時がたまにある。そりゃアニメはドラマと違って絵だから、と言われればそうなのだが、僕はこう思う。

テーマを青春にしたものが圧倒的に多い、と。

思春期の難しい感情の動き、三角関係、片思い、両片思い、コンプレックス……
僕らをそれらを捨てて、それを見ないようにして大人になるというのがアニメ製作陣内での定説だと僕は思っている。

だから、そんな青い部分をどうしても配役と言う名の大人の事情が絡むドラマで、しかも青さを捨ててきた人に演じられても、説得力がないのだ。

そこでアニメだ。アニメには、青臭いセリフをキャラクターに喋らせられるのだ。もう大人が言えなくなったあんなセリフを、歳をとったからと言う理由で諦めてきた青春を、アニメだったら表現できる。

僕だって、もう青春群像劇とか、高校生の恋愛ものだとか、もう殆ど見れないのだ。見ていて恥ずかしい、むず痒い、と感じてしまう。僕だったらこうするのに、もっとうまくやれるのに、と考えてしまう。

だから自分はもう捨ててきてしまったんだな、と思う。必死に青春すること、大恋愛すること、夢を叶えること。そういう醜いかもしれないけど、歪かもしれないけど、綺麗なものを追い求めようとする姿勢を、いつの日かやめてしまったんだなと思う。

アニメはそんな青さを無くしかけた僕らを掴んで離さない。まだ間に合うよとか、思い出させてあげるよだとか、そんな甘い言葉を囁く。

アニメは、もう一度僕らに青春を、青さを思い出させようとするのだ。

全く迷惑な話である。せっかく大人になろうと襟を正しているのに、汚くても生きていくことを選ぼうとしているのに、アニメはそれは違うよと僕らに言い続ける。

だから僕たちアニオタは青春を捨てられない。夢を見続けることを諦められない。

どんなに社会に不適合でも、自分の信じる綺麗なものに縋ることを諦めない。

それがアニオタ。

そして、そんな悲しくも愛すべき人々を生み出しているのは、間違いなくアニプレックスだろう。

冴えカノも空の青さを知る人よもめっちゃ良かったです。

もっとやってください、アニプレさん。

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