4月3日の雑記

 ここ10年の家庭用ゲーム業界は右肩下がりだと言う投稿を読みました。

 その方は現役でゲームを作ってらっしゃる方で、右肩下がりの理由として以下4つを挙げています。(あくまで私、もょもとの解釈です。「それは間違いだ!」と思われた方、責任は全て私にあります)

1、ハードの性能が上がるにつれ、少人数でのアイディア勝負が出来なくなり、同時に必要とされる高い技術に対応できる人材がいなくなる。結果、作る人が減りタイトルが減少、減り売り上げが下がる。

2、開発費、開発期間、必要人数が増え、誰もがゲーム作りに参入できる環境ではなくなった。

3、少子化により、メインの客層が減少している。

4、スマートフォンの普及により、より気軽に遊べるゲームが一般化。腰を据えてゲームをプレイする人が減りつつある。

 もちろんプロの見解なので、正しいのだと思います。

 ゲームで遊んでいるだけの私が反論するわけではありませんが、それでも私なりの考えをまとめてみました。

 まず1については、それこそスーパーファミコンからプレイステーション、セガサターン、ニンテンドウ64に移行する辺りから言われていることで、2にも絡むことですが、だからこそ少人数でのアイディア勝負が際立つ状態ではないかと思います。次世代ハードが出るたびに言われていた「今度のハードは凄い!出来ることが多すぎて困る!」も、振り帰ってみれば制約が多かったと思えてくるものだそうです。開発者はちゃんとハードの進歩に付いて行ってるのです。

 その証拠として、所謂インディーズゲームや同人ゲームも、最新ハードと比べれば見劣りするかもしれませんが、当時のプレステ、セガサターン時代の画質、音質、ゲーム内容を満たしている物も少なくはありません。元はと言えばこれらだって、サークルや個人で出来るレベルの物ではなかったはずです。

 もちろん、ゲームの開発環境を良くしてくれて、それを広めてくれた人たちがいます。最近ではパッケージを必要としない、物流に絡むことのないダウンロード販売も多くなっています。これらの整ったインフラが前提での話ですが、巨額の開発費、長い開発期間が無いとゲームが作れないと言った事はないと思います。

 3について、ゲームの客層が子供メインと言う考え方は適していないと考えます。確かにゲームが出始めた当時はそうだったかもしれませんが、今はゲームにハマった子供が大人になってメインの客層として存在しているのではないでしょうか。CERO「B」以下のゲームとCERO「C」以上のゲーム。どちらも多く存在している以上、決して子供メインの市場ではありません。

 4について、スマートフォンのゲームをしているのは、最初から家庭用ゲームで遊ばない人たちが大半で、スマホに行ったきり帰ってこない人は稀だと思います。

 それはそれとして、確かにスマホゲーのプレイヤーは多く、年配と言える方のプレイヤーも少なくありません。単純に「ゲームをプレイしている人」と言う意味では昨今爆発的と言っていいほど増え、ゲーム人口は過去最多と言っていいほどではないでしょうか。

 私の考えるゲーム業界右肩下がりの原因は、業界そのものが悪い意味で多様化し、大きくなったからだと考えます。業界の肥大化にユーザーが付いて行けない。ここ20年くらいを振り返れば、質と量ともにゲームの供給過多が著しい状態だと感じます。早い話、味濃すぎだしお腹一杯。

 数十億の金を使って5年かけて200人掛かりで作ったゲーム。

 そんな大作は年に3本も遊べれば上等です。もちろんそれだけではなく、もっとライトなゲームも遊びます。昔を懐かしんでプレイするタイトルもあるでしょう。それらを考えれば、年に15~16本が私の限度です。

 今年の4月に発売されるタイトル数は50本を上回るそうです。年にすれば一体何本出るんでしょう。いくらユーザーが多かったとしても、これらのタイトルすべてが満足いく売り上げを出せるわけがありません。

 極論、右肩下がりを止めるためにはユーザーの規模に合わせて業界そのものを縮小させる。皆が下手に生き残ろうとするより、キッチリ競争して一部が生き残った方が、個々で見た時の生存率が上がるように思えます。

 品薄商法なんて言葉もありますが、「足りない」と言われている位がちょうど良く、「ゲームがしたいです」とユーザーから泣きつかれるまで供給を止めるべきなんだと思います。

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