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【おおわらわ】Kindle配信時の不具合の原因と対処法【なんとなく解決】

先日Kindleで電子書籍(漫画)を2冊分配信したところ、いくつか不具合が見つかっておおわらわになったので、その原因と対処法について書き残しておきます。

あんまり同じ目に遭っている人はいなさそうなのですが、未来のどなたかの参考になれば。あと単純に「こんなことがあるんだ〜、大変そw」とエンタメ的に楽しんでもらえれば幸いです。


配信した電子書籍の内容やお金まわりのお話はこちらのnoteで↓

配信後見つかった不具合3つ

電子書籍の配信は6月8日(土)予約していたため、当日0時を過ぎたらすぐにダウンロードできるようになりました。早速ダウンロードして確認してみたところ、以下3つの不具合を発見。

  1. 利用できない端末がある

  2. 縦横比が崩れている(2冊中1冊のみ)

  3. 連続スクロール(縦スクロール)でしか読めない

それぞれについて以下詳細。

1.利用できない端末がある

要するに、端末によって本をダウンロードしても読めない状態でした。私の方で確認した限り、

  • Kindle for iPhone:⭕️見れる

  • Kindle for iPad:❌見れない

  • ウェブ版Kindle(Safari):⭕️見れる

  • ウェブ版Kindle(GoogleChrome):❌見れない

という状況。なんで〜!?

Amazon Kindleのページでは各本の「利用可能な端末」を参照できるのですが、それを確認したところ↓

すくな

「Kindle for iPhone」と「ウェブ版Kindle」しかない!なんてこった。

ちなみに通常はこれくらいたくさん表示されます↓

多っ

2.縦横比が崩れている(2冊中1冊のみ)

今回配信した2冊中、『血みどろプラネット』について、「Kindle for iPhone」で見ると全ページ縦横比が崩れていました。

↓の1枚目が「Kindle for iPhone」で、2枚目が「ウェブ版Kindle(Safari)」で表示したものです。1枚目の方が若干潰れているのがわかるでしょうか?(2枚目の方が正しい縦横比です)

3.連続スクロール(縦スクロール)でしか読めない

Kindleで漫画を読む場合、基本的には横にスライド、もしくはタップして読み進めると思うのですが(Fliptoon等縦読みを推奨するものを除く)、今回配信した2冊は連続スクロール(縦スクロール)でしか読めないようになっていました。

連続スクロール「でも」読める分にはいいですが、横スライドの選択肢がないのは困りもの。読めるには読めるので問題ないとも言えますが、個人的にはできるだけ紙の読書体験と近い横スライドで読んでほしかったので、これも不具合として含めました。

原因

さて、これら不具合の原因ですが、

わかりませんでした!

……すみません。より正確に書くと、ハッキリと「あ〜これがダメだったから不具合に繋がったのね!」という具体的な原因は結局わかりませんでした。ただ、不具合自体は解消されていて、どうやら原稿データの作り方が悪かったらしい……ということだけわかっています。

少し時間を遡って、不具合が見つかってからの経過をまとめると、

■6月8日(土)未明:不具合発見。事象を整理しKindle Direct Publishing(以下KDP)に問い合わせ。
6月8日(土)11時頃:KDPから担当部門に調査を依頼した旨の回答あり。
6月8日(土)13時頃:KDPの回答には時間がかかりそうなので、取り急ぎ別の方法で作り直した原稿データをアップロードし直す。
6月8日(土)夕方頃:アップロードしたデータへの差し替えが完了。不具合3つが解消されていることを確認。
〜この後、KDPとは不具合の内容について何度かやりとりをする〜
■6月14日(金)14時頃:KDPからメールにて最終回答あり。要約すると、
・不具合の原因としては、データ作成時の設定がスクロール可になっている、レイアウトや解像度の指定が入っているなど、ガイドラインに沿っていなかったことが可能性として考えられる
・Amazonではデータ作成時の設定方法の詳細については調査できない。問い合わせはAmazon 提供のツールのみに限る
・今後はガイドラインに沿ってデータを作ってね

……ということでした。要するに「ガイドラインに沿わずにファイルを作ったこと」が原因らしいのですが、私の方であえてガイドラインに沿わない設定をした覚えはなく、「なにがどうしてこんなことに……?」は解消できないままです。いや〜まいったね。

対処法

原因がはっきりとわからなかったとはいえ、最終的には不具合は解消できたので、その方法についてまとめておきます。

元のデータについて

そもそも、不具合が起きたデータをどう作っていたのかというと、コミチのEPUB(電子書籍用のファイル形式)作成機能を使っていました。コミチは漫画を投稿できるプラットフォームで、その中に投稿した漫画をEPUBファイルにできるサービスがあるのです。すごい。

あ、誤解なきよう言っておくと、コミチのEPUB作成機能が原因で今回の不具合が起きたわけではありません。恐らく私がコミチに投稿した原稿データとその設定がなんかこう……謎のマリアージュを引き起こして変なデータができてしまったのかと思われます。要はどこかでなんかミスってる。

コミチでEPUBファイルを作成して問題なく電子書籍化している人もたくさんいらっしゃいますし(というか軽く調べた限り不具合が出たのは私くらい)、EPUB作成機能自体は親切で便利なので、ご心配なくお使いください。

作り直したデータについて

原因はわからんがこうなったら公式のツールをちゃんと使おうと思い、Amazonが提供する「Kindle Comic Creator」でデータを作り直しました。

ちなみに、なんではじめから「Kindle Comic Creator」を使わなかったのかというと

  • EPUBファイルではなくMOBIファイルが作成される(EPUBファイルの方が他の電子書籍サイトとの互換性もあり、かつ容量が小さく作れるとなんかで見た)

  • 目次が作れない(Kindleアプリでは↓みたいに該当ページにジャンプできる目次機能があるが、これが設定できない(なんでだよ))

という理由がありました。公式とはいえ万能ではないのです。

とはいえ不具合が出てしまった今、背に腹はかえられぬ……と「Kindle Comic Creator」を使ってデータを作り直し、結果的にこれで不具合が解消できたわけです。やはり公式が正義なのか……?

ちなみに目次が作れない件については以下ページを参考に、少し手順を変えてやったら解決しました。

具体的には以下の通り(あまり推奨されている方法じゃなさそうなので、あくまで自己責任で……)。

  1. Kindle Comic Creatorで新しい本を作成。各種設定やページの作成を行う。

  2. 目次の飛び先のページの名前を変更(デフォルトでpage-0、page-1のように設定されているので、それを「第1話 水炊き」などに変える)

  3. [ビルド]-[ビルド&プレビュー]でMOBIファイルを作成

  4. 作成したMOBIファイルと同じフォルダに「toc.ncx」というファイルがある。ここに目次情報が書いてあるので書き換え

  5. MOBIファイルと同じフォルダにある「content.opf」をKindle Previewerで開く

  6. [ファイル]-[エクスポート]でMOBIファイルを再度作成(このとき「出版には元のファイルを使え」といった警告が出てくるが無視←無視していいのかは不明)

反省点

最後に、こんなおおわらわしないで済むにはどうしたらよかったのか、反省点をまとめます。

プレビューを過信しない

Kindleにアップロードするファイルは、事前にKindle Previewerというアプリでプレビューできます。しかしながら、今回見つかった不具合はこのプレビューからは確認できなかったのです。

さらに、Kindleにファイルをアップロードする際にもブラウザ上でプレビューを確認できるのですが、そこでも不具合は見つからず……。そんな〜。

必ずしも「プレビューでちゃんと読めたから大丈夫!」とはならないことは頭に入れておいた方がよさそうです。

無事に配信できてから告知する

今回、配信の3日前にはXにて配信を予告し予約を呼びかけていたわけですが、こんなことしない方がいい(もちろん不具合がない自信があるなら問題ありません)。

前述のとおり、実際に配信されたデータを見ないとわからない不具合が発生しうるので、もし事前に告知し予約してくださった方がたくさんいた場合、配信当日不具合のあるデータを大勢にばら撒く可能性があるわけです。(なお、私の場合は幸いにも予約件数は全くと言っていいほど伸びなかったのでことなきを得ました)(幸い……?)

ちなみに、配信開始からデータ修正が可能になる時間までにはタイムラグがあります。これはどうやらアメリカとの時差が関係あるらしく、配信開始が日本時間の0時過ぎだったとしても、データ修正が可能になるのはだいたい13時頃(恐らくアメリカで日付を跨ぐ頃)。不具合が見つかったからといってすぐ直せるわけではないのです。

というわけで、特に初めて電子書籍の対応を行う場合は、誰にも言わずこっそり配信日を迎え、問題なく読めることを確認できてから告知した方が無難かもしれません。

よくわかんないなら公式を使っとく

これはやや結果論ですが、なんだかんだ公式のツールを使っておくのが一番です。

今回の場合だと、データ作成は「Kindle Comic Creator」を使っとけって話ですね。なんだかんだ公式のツールは使っている人が多くマニュアルもそこらに転がっているし、なにかあってもKDPに問い合わせたら答えてくれそうです(KDPは結構親切)。

「データ作成とか難しいことはよくわかんないよ〜」という方は大人しく公式を使っておきましょう。経験を積んで色々わかってきたら他の方法を試せばいいのです。

失敗したくないなら誰かに頼む

今回自分でいちから電子書籍配信をやってみて、私自身はいい経験になったな〜と思っているのですが、「絶対失敗したくない!不具合が見つかってハラハラするなんて嫌すぎる!」という方は、電子書籍化配信を代行してくれる業者にまるっと頼みましょう。ナンバーナインさんなんかが有名ですね。

もちろん作者が利益総取りとはいかなくなりますが、Kindleだけじゃなく数多の電子書籍サービスに登録してくれますし、なにかあったときは代わりに対応してくれます。自分は漫画を描くだけに専念したいという方は業者に相談するのがおすすめです。

電子書籍をダウンロードした方へ

最後に、この度私の本をダウンロードしてくださった方へ。

記載の通り既に不具合は解消されていますが、もし「私の端末では不具合がそのままになっている!」という場合には「一度端末から削除して再ダウンロード」もしくは「Amazonに問い合わせて解消を依頼」をお試しください。

お手数おかけして申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。


以上、Kindle配信時の不具合の原因と対処法のまとめでした。「参考になった」「おもしろかった」「結局原因わからなくて草」と思った方はぜひスキしてってください。おわり。


いただいたサポートは積み立てて大きいiPadを買います。