数の多さが、ぶち凄い。映画「101匹わんちゃん」感想
公 開:1961年
監 督:ウォルフガング・ライザーマン/ハミルトン・ラスク/クライド・ジェロニミ
上映時間:79分
ジャンル:コメディ/アドベンチャー
見どころ:チブス軍曹の活躍っぷり
数が多いと、それだけでインパクトが大きくなります。
わんちゃんも、2匹より15匹、15匹より101匹になったほうが、何か、すごいことになっていそうな気がしないでしょうか。
ディズニー映画の中でもとりわけ知名度が高い作品として「101匹わんちゃん」がありますが、数が多いことで、そのインパクトを高めている作品の一つといえるでしょう。
「101」のタイトルで実写映画化もされており、続編「102」も作られている人気っぷりです。
そして、その101匹のわんちゃんをより活躍させるための、悪役がクルエラ・ド・ヴィル(または、クルエラ・デ・ビル)というキャラクターになっています。
こちらはこちらで、キャラクターの良さから「クルエラ」という単独映画まで作られており、良くも悪くもアクの強さが作品には大事であることがわかります。
ちなみに、クルエラは、「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100」において、39位を獲得していたりします。
「101匹わんちゃん」に戻りますが、物語そのものは非常にシンプルです。
生まれた子犬をクルエラによって盗まれたと知った犬のポンゴと、その伴侶であるパーディタの二匹は、犬のネットワークをつかって我が子がどこにいるかを探し出し、他にもつかまっていたダルメシアンの子犬たちを引き連れて、101匹のわんちゃんが戻ろうとする、という内容になっています。
犬のネットワークとは何だろうかと思いますが、犬があちこちで遠吠えをするのは、実はゴシップネタを共有したり、緊急時の連絡先にしていたりしたのだ、ということがわかったりします。
冒頭の飼い主たちの馴れ初めや、意外に組織化された犬と、その他の動物達がダルメシアンの子犬たちを見つけるパート。
そして、後半は、ポンゴとパーディタの二匹が、クルエラたちから見つからないように子犬たちを引き連れて逃げ、現地の動物達に助けられながら、飼い主のもとへたどり着くようになっています。
ちょっとしたことではあるのですが、手に汗握るようなハラハラした面白さは、アニメーションの緻密さと相まって、飽きることなく見終えることになります。
有名すぎて逆に見る機会が少なくなりそうな本作品ですが、絵を描いたことのある人には是非、狂気ともいえるアニメーションをみてもらいたいと思います。
なにせ、101匹のわんちゃんが動いているのです。
全て手書きで、しかも、一匹一匹違うぶち模様の犬たちを書き続けるのは、途方もない労力が必要だったはずです。
「眠れる森の美女」が興行的に振るわなかったディズニーは、予算をかけずに完成させるため、ゼログラフィーなる転写技術をつかって、その後のアニメーションを作るときの基礎となる方法論を確立していたりもしており、歴史的にも重要な作品となっています。
それだけに、数多くのキャラクターが、縦横無尽に駆け巡る姿は圧巻です。
動物の動きの見事さ。
一匹だけでもすごいアニメーションが、101匹です。
それぞれが、異なる動きをしているので、何度見ても発見があることと思います。
子供の頃に当たり前に見ていた映像が、実は凄まじい密度で描かれていたことに気づくという点でも、大人になってから見返す価値が十分にあったりします。
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