スリラー映画の金字塔 デスゲーム好きなら必見映画「キューブ」
め~め~。
みなさん、いわゆるデスゲームはお好きでしょうか。
突然、見知らぬ場所に連れていかれ「これから殺し合いが始まります」みたいな話をされたり、ルールがわからないまま次々と参加者がいなくなっていくような、ゲームでありながら、人の生死がかかわるようなゲームは、有名無名問わずかなりの数が存在しているところです。
そんな中で、有名だけれどなかなか見る機会のない映画「キューブ」について、どんな映画かを押さえておくことは、デスゲームが気になる方にとっては、大変興味深いものとなるのではないでしょうか。
「キューブ」に着想を得てつくられた映画も多いでしょうし、なぜか日本でも「キューブ」のリメイクがあることから、原点について確認してみたいと思います。
突然、見知らぬ部屋へ
見知らぬ部屋に男の死体が、というのは「SAW」が有名かと思います。
シリーズも数多くでており、限定された空間での人間同士のやり取りや、意外な結末を含めて魅力のある作品となっています。
そんな「ソウ」が明らかに影響を受けている「キューブ」は、その制作予算も含めて非常に抑えられている作品となっています。
色合いとかはかわっていても、同じ部屋が使われており、役者も7人しかでてきません。
ワンセットものといえば、舞台劇で強いイメージがありますが、映画でそれをやってのけて、さらに、物語としてもちゃんと成立させているという点が、「キューブ」のすごいところです。
低予算だけでいえば、「ブレアウィッチプロジェクト」なんかも思い出されますが、映画というのが、予算ではなく、アイデアが重要であるということもよくわかるところがキューブのいいところです。
ただ、予算が多くないこと、1997年のカナダ映画ということもあり、小道具が少しチープに見えてしまうのはご愛敬といったところでしょう。
いずれにしても、限られた部屋で、命のやり取りが行われるというフォーマットが「キューブ」ではっきりと確立したといえるでしょう。
では、内容に入っていきます。
キューブとは
立方体の中に男女が入っており、隣の部屋に移動すると、罠が発動して死んでしまう。
部屋にはプレートが埋め込まれており、それが、数学的なものと関係している。
果たして、彼らは脱出できるのか。
というのが、大まかな仕掛けとなっています。
なぜこんな物が作られたのか、どういう意図があるのか、というのは、映画「キューブ」では明かされません。
一応、続編として「キューブ2」「キューブ・ゼロ」がありますが、監督も異なりますし、あくまで本作品は一作目で語るのが望ましいかと思います。
勝手なイメージとしては、「インディー・ジョーンズ」シリーズ等におけるトラップを抜け出す面白さに、誰が生き残るかわからないサスペンス感を足して、それに高度な知識が必要なインテリジェンスを足したものと考えて頂ければいいかと思います。
一応、本作品には、素数や因数分解といった数学用語がでてきており、数学的な能力をもったメンバーの力によって、キューブの中の法則が判明していく、というところに面白さがあるようにみえますが、専門的過ぎて、キューブの仕組みがわかってもそれほどのカタルシスはありません。
とにかく、自分ではさっぱりわからない装置の中で、誰が死ぬかわからないという状況を楽しむのが大事なポイントとなっています。
とはいえ、そんな身もふたもない内容ばかり書いていてもしょうがないので、キャラクターにも踏み込んでみたいと思います。
表と裏
ここから先は、一応ネタバレをしながら説明していきますので、気になる方はお気をつけください。
さて、本作品の登場人物は、たったの7人しかいません。
この手のデスゲームで面白いのは、登場人物の意外な点が明らかになっていく、というのもポイントの一つでしょう。
たとえば、まず先にみんなを引っ張っていく、警察官である黒人のクエンティン。
彼は、不安がる人たちを勇気づけたりしていきますが、徐々に本性がわかってきます。
3人の子供と妻がいるものの、家庭はうまくいっていません。
みんなのリーダー的な存在が、後半では、モンスターのような存在となって襲ってくるようになるあたりは、二面性がみてとれるところです。
それ以外にも、大人しそうにしていた男が、実は、キューブの建造にかかわっていたことがわかってみたりと、表と裏がみえてくるところです。
大学生であるレブンについては、クエンティンに抱きつきながら恐怖をしているか弱い女性だったはずが、物語の後半になると、積極的にみんなをひっぱっていく存在へと成長しています。
短い時間の中にあっても、人間の成長や表と裏をみせていく、ということは数少ないシーンの連続の中での工夫といえるところです。
また、コミュニケーションに障害があるようにみえる男については、実は数学的な能力の強い人物であることがわかり、物語後半における脱出について重要な役割を担うことになります。
人間を関数電卓のようにつかってしまうのはどうかと思いますが、それでも、役に立たなそうな人物が重要であったり、すぐに死にそうな人物が生き残ったりと、人物を一面的に見せない工夫は見どころです。
逆に、内面や能力、事情含めて裏表がありますので、その前提をわかった上でみないと、少し混乱するかもしれません。
キューブからの脱出が何を意味するのか。彼らはその後どうなったのか、といったものについては、それほど重要ではありませんので、少なくとも、本作品がその後の作品に影響を与えたものである、ということを念頭に置きながら見ることで、違った捉え方ができると思います。
デスゲームの作品
最後に、デスゲームを取り扱った作品をなんとなく紹介して終わりにしたいと思います。
言わずとしれた「SAW」シリーズは、名前だけではなく、一度は見たことがある人が多いであろうシリーズです。
「キューブ」は、知識を駆使していながらも、比較的解決に意味がないことに対して、SAWは、究極の決断を迫られる、という点が大きくことなります。
命が助かるためには、何を犠牲にするか。そういった点が、他のデスゲームにも大きな影響を与えているといえる作品となっています。
漫画でいいますと、「リセットゲーム」なんかは、もう、そのまんまキューブを漫画にして、現代風にアレンジしたような内容となっていますが、キューブ的なものが好きな人は知っておいてもいいかもしれない作品です。
あと、デヴィット・フィンチャー監督「ゲーム」は、生きるということがわからなくなっている現代において、死を代償にしたゲームによって生きる実感が沸く、という逆説的に思える考え方で進めている作品です。
また、邦画のデスゲームではずせないのは、やはり、「バトルロワイヤル」でしょう。
突然、無人島に集められた少年少女たちによる殺し合い。社会的な問題ともなりかけた本作品は、北野武の名演と、深作欣二監督による演出で一度はみておきたい作品となっています。
超常現象的なものと組み合わせたもので有名なものでいえば、GANTSなんかもその類といえるでしょう。
限定された空間で、一定の人たちが命のやり取りを行うという定型を語る上では、やはり「CUBE」は押さえておきたい作品となっておりますので、デスゲーム系が好きな人はぜひご覧いただくか、本記事で雰囲気をつかんでいただければと思います。
以上、スリラー映画の金字塔 デスゲーム好きなら必見映画「キューブ」でした!
次回も、め~め~。
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