今こそみるべしレゲエ映画【ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レゲエ】
音楽で世界を変える、昔から言われてきたことだが、はっきりとそれを目にみえる形で実現した数少ないミュージシャンとして、ボブ・マーリーはその筆頭に挙げられる。
対立していたジャマイカの2大政党を握手させ平和の架け橋として、神様、聖人のように扱われているが、映画をみればわかるし、有名な話だが、実際は人間味に溢れている。
ボブは女好きで( 7 人との女性から合計 11 人の子供をもうけた)、ガンジャ(マリファナ)を愛し、ビジネスにも長けたやり手で、ワーカーホリックであり、バンド内やまわりの人間にも厳しい戒律を強いおり、そして革命家だった。
ボブがその生涯を捧げたレゲエは世界中に広まり、時代や国境を越えたアイコンとしてボブを世界的スーパースターへと押し上げ、今なお世界中の人々に大きな影響を与え続けている。
本作は、ボブの幼少期の頃からその人生を網羅したボブ・マーリー財団公認のオフィシャルドキュメンタリー。
マーリー家の協力を得て制作されたものの聖人伝とは程遠く、音楽シーンは豊富だが、ライヴ映画でもない。詳細かつ丁寧に編集された人物描写がその内容を支える奇跡の144分となっている。
母国ジャマイカをはじめ、世界各国での関係者や遺族へのインタビュー、初公開となるプライベート映像、貴重な過去のライブ映像も交え、その素顔に迫るジャマイカ独立50周年記念作品。
インタービューに登場する豪華出演者には、妻でありメンバーであるリタ・マーリー、息子でシンガーのジギー・マーリー、ウェイラーズのメンバーであったバニー・ウェイラーとピーター・トッシュ、プロデューサーのリー・ペリー、レゲエ界を代表するアーティストのジミー・クリフ、アイランド・レコードの創業者であるクリス・ブラックウェルらをはじめ約60名。
ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レゲエ(2012)
ボブは白人と黒人の両親による混血のため、幼い頃は厳しい扱いを受けてきた。また、父親が不在であったことで母親が職を求め、12歳のとき首都キングストンの荒れ果てた貧しいトレンチタウン地区に移り住むことになる。そこでも悪の道に染まることなく、音楽での成功を夢みて学校をドロップアウトする。
そして、レゲエ映画にはほとんど絶対的に登場するラスタファリズムの思想。もちろんボブも熱心に信仰しており、エチオピア皇帝ハイレ・セラシエを讃え、人生を通して父親代わりとなる精神的な心の存在となる。
ボブは、ウェイラーズとしてキャリアをスタートしたものの、プロデューサーの意向とコアなメンバーとの意見が対立し、メンバーチェンジを経て活動を続け、ボブは国政的な成功を手中に収め、「ひとつの愛、ひとつの心」というメッセージを世界に広める中で、救世主としての自覚をみせはじめる。
ボブの死後においても、その象徴的な音楽はますます重要性を増し高まり続けている。
noteではパンク・レゲエ映画を紹介。
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