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『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』阪元裕吾監督インタビュー!

みなさんこんにちは!
映画チア部神戸本部の(えま)と(ユーキ)です!

3月24日(金)から『ベイビーわるきゅーれ』の待望の続編、『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』が公開されています。
関西ではkino cinema神戸国際、シネリーブル梅田などで絶賛上映中!

新年度の不安や緊張を吹き飛ばしてくれるような、たくさん笑える爽快アクション作品です。
ぜひ劇場で多くの方にご覧いただければと思います!

今回の記事では、映画チア部が行った阪元裕吾監督へのインタビューについてご紹介します。
ネタバレなしなので、鑑賞前でも安心してご覧ください。

映画チア部:1作目の評判はどのようにとらえられていますか?

阪元監督:「人が20人死ぬあずまんが大王」「楽器が銃になったけいおん」「人がたくさん死ぬ深夜アニメ」などの感想がインターネット上で話題になっていました。ポスターや予告編よりも、感想が話題になることが大事だと思っています。刺さりそうなワードを発信してくれている人から、フレーズを宣伝文句として拝借していました。インターネット上で話題になっていたこのころが一番客層が若い世代でした。若い世代に届くキャッチコピーを意識して、その結果が出てくれたなと思いました。

映画チア部:1作目での心残りや、それを踏まえて今作で生かしたことはありますか?

阪元監督:『ベイビーわるきゅーれ』に限らずですが、やりきれなかったことが1〜2個あって、そのことで夜中眠れなくなることは結構あります。

1作目の中盤にアクションをもう一つ追加したら、かなり印象が変わったかなとずっと思っています。1作目は撮影日数が6日間半しかありませんでした。ラストバトルはタイムアップになってしまい、数か月後に追加撮影をしました。その失敗を活かし、今作はなんと12日間まで撮影日数を増やし、3日間かけてラストバトルを撮影しました。

映画チア部:『ベイビーわるきゅーれ』に限らずですが、シリーズを作るうえで、ここだけは曲げずにこだわっている!ということはありますか?

阪元監督:自分が好きな映画よりも、ファンの皆様が観たいものを1%くらい優先していることですかね。悩んだ時、「1作目を愛してくれた人はこう思うかな」ということを軸に考えるようにしていたのは、他の監督よりは多いと思います。尚且つ、ファンが思う行動だけするのも違うと思っているので、恐れず保守的にならないようにもしています。続編は1作目を撮るよりも難しいですね。

他にも、上位互換にはならないようにしています。予算が増えたからと言って、1作目のパワーアップバージョンにはしたくなかったので、アクションシーンも雰囲気を変えて撮っています。

また、1作目の方が好きだったという感想も全然良いと思っています。最近、過去作を予習してから観ないとついていけない映画が多いですよね。それに異を唱えたいというか。1作目を踏み台にはしないというのがポリシーです。1作目を超えようというよりは、1作目の続き、いわば第2話を撮っているという要領です。

映画チア部:ファンが望むものを優先した部分はどういったところに表れていますか?

阪元監督:元々は全く違うタイプの挑戦的なシナリオを考えていました。社会になじめなかった人の話である1作目以上に、社会的意図が強い作品を描こうと思っていた時期もありました。しかし社会的意図を持たせてしまうと縛りができてしまい、割と普通の映画になってしまうので、この案は採用しないことにしました。倫理的に間違ったことをキャラクターにさせることができないですし、勧善懲悪にしても被害者や事件をだしにすることになってしまいます。私にはまだ社会的意図をエンタメに消化する力はないかなと思い、見送りました。

敢えて真逆の「悪人不在のアクション映画」というのをテーマに撮りました。そして前作で評価された要素を捨てたのですが、それを汲み取ってもらえたら嬉しいです。そこに美しさがあると思っています。2回目くらいで気が付くかもしれないですね。

映画チア部:他の映画から受けた影響はありますか?

阪元監督:1作目からですが、『ハングマンズノット』は意識しています。『ハングマンズノット』も『ベイビーわるきゅーれ』1作目も、インターネット上で切り取られて話題になることをイメージして撮っていました。なのでストーリーがなく、映画内で起こることが観客にウケたら良いなと思っていました。脚本の授業で学んだことを全否定し、物語が求められていないということを証明したかったのです。これは映画を売る側の発想かもしれないですけれど、インターネットでは物語の面白さは伝わりにくいと思っています。

2作目の死体が映るシーンは、昔の暴力映画を撮っているような気持ちで撮影しています。目に見えないものの恐怖を描いて、観客を怖がらせようとしました。

映画チア部:名作映画も頭をよぎったのですが、意識されたところもあったのでしょうか。

阪元監督:オマージュでいうと、『シビルウォー/キャプテンアメリカ』のとある台詞を引用しました。2作目の下地となった映画はマイケル・マン監督の『ヒート』です。

映画チア部:『ヒート』は大好きな映画なのですが、観ているときは全く気が付かなかったです。

阪元監督:『ヒート』は夜のシーンが多い映画なので気が付きづらいですよね。アルパチーノとロバートデニーロのように、善悪関係なくどちらも応援できるようにしたかったので、ラストバトルの撮り方も少し変えてみました。

映画チア部:”もし3作目があったとしたら”、どのようになっていくのでしょうか?

阪元監督:もっとエンタメにしたいと思っています。新情報は出していきますけど、ふたりの過去は描かないです。

アメコミヒーローとは違って、日本のアニメキャラクターって、内面がほとんど描かれていないですよね。ヒーローはヒーローとして存在していてほしくて、内面は描いてほしくないと思っています。

映画チア部:ズバリ、2作目の見どころを教えてください!

阪元監督:敗者への気持ち、負けたけどカッコよかったなというのを描くことができたかなと思っているので、そこが見どころです。誰とは言いませんが…。”殺し屋としてのけじめ”を考えた映画になったと思います。


映画チア部:映画を観に来られた方へメッセージをお願いします!

阪元監督:皆様のおかげで2が作られ、もしかしたら3が作られるかもしれません。3は全く違う物語を考えています。東京ロケーションの難しさを感じたので、3は撮り方を変えるかもしれません。まひろとちさとがあなたの町に行くかもしれません。

そして今作は、ぜひ笑う気で映画館に観に来て欲しいです。かつてチャップリンや落語などを、笑うために観に来ていた時代がありました。現代ではSNSやショート動画が主流になってきていますが、人間には笑いの欲求があると思っています。たまには劇場でみんなで笑う体験をして欲しいですし、『ベイビーわるきゅーれ』がそのきっかけになれば!というのが一番大きな思いです。

映画チア部:ありがとうございました!

『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』は、関西では3月24日(金)よりなんばパークスシネマ、シネ・リーブル梅田、MOVIX堺、MOVIX八尾、MOVIX京都、kinocinema神戸国際、MOVIXあまがさきにて公開です!

是非まひろ&ちさとに会いに劇場へお越しください!

執筆:映画チア部神戸本部
(えま)、(ユーキ)

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