「2022年、映画館で出会えて良かった〜!」映画を振り返ろうの会☕️

こんにちは!映画チア部大阪支部の(なつめ)です。

今年も終わりますね…早すぎる…。年々1年が過ぎるスピードが速くなっている気がします…。

そんなことを言っていても仕方ないので、ここで今年映画館で出会えて良かった~!な映画を振り返りましょう!!1年経つのはあっという間だった気がしていたけど、結構色々な映画館でたくさんの映画に出会えていたなと気づきます。私は映画館で70作品くらい観たらしい。

この時期になると映画ファンの皆さんが今年のベストムービーを思い思いに選出されるわけですが、順位を決めるなんて私にはつらすぎて涙が出そうなのでやめにします!

以下、順不同で振り返りかつおすすめします🔜






@地元のシネコン

『さかなのこ』

今年最も平和でにこにこして心があったかくなって、なのに、だから、泣きたくなってしまった映画で間違いありません。

好き!をとことん突き詰めるミー坊の姿は微笑ましくもあり、眩しくもあり、羨ましくもありました。好きなものを好きだと言うこと、好きでい続けること、その好きを人と比べないこと、誰かの好きを尊重すること、大事だけどとても難しい。でもやっぱり、好きなものはとにかく好きなんだから、難しいと言って諦めたくない!好きのパワーを源に、難しくても時々迷っても、私は好きだと言い続けるぞ!!と気持ちを新たにさせてくれました。へこたれそうになった時は、ミー坊に会いに行こう!

私はこの映画が大好きです!!!!!それから、 のん さんが大好きです♡


@下北沢 K2シネマ

『セイント・フランシス』

夏休みに下北沢のK2シネマで観ました。

私にとっての、「こんな映画に出会いたかった!」が詰まった映画でした。子どもを産む産まない、中絶をするしない、それぞれの選択が尊重され、同性カップルとその家族が当たり前に描かれ、子どもだからと言って決して子ども扱いすることなく対等に接し、女性の体に起こる全てをタブー視することなく、自信がない自分に「あなたを誇りに思う」と言葉にしてくれる人がいて、女性同士の連帯が頼もしくて、全部全部私は観たかった。年齢も立場も考え方も違う女性たち、それぞれ違う地獄を抱えているんだろうけど、それでも歩み寄ったりわかり合ったり連帯したり一緒に生きたりできる、きっと。私たちは生きていけると感じさせてくれました。「I'm smart! I'm brave! I'm the coolest!」と唱えて、生きていくぞー!


@シネ・リーブル梅田

『戦争と女の顔』

原作の「戦争は女の顔をしていない」を以前読んだ時、こんな「戦争」があったとは知らなかった私は、言葉を失って立ち尽くしてしまうような感覚になった覚えがあります。

この映画では戦争が終わった世界が描かれているけど、これは確実に戦争の映画であると言えます。町にも、人にも、描かれる女性2人イーヤとマーシャの心にも体にも、戦争による傷が残って消えない。生きて戦争が終わっても、その傷がずっと疼き続ける彼女たちにとって、その上小さな部屋で身を寄せ合ってずっと生活し続けることはなんと難しいのか。

自分の心と体を大切にするということ、それと同時に他者の心と体を大切にするということについて改めて考えさせられた映画でした。そのどちらも大切になんて絶対にしない戦争に、果たして何の意味があるんでしょうか。

イーヤとマーシャ、緑と赤の色彩もとても美しいです。すでに言及されているように、「緑と赤」が印象的なクィア映画には『キャロル』や『燃ゆる女の肖像』が先行してありますが、それらと一緒に観るのも良いですね!ところで来年京都みなみ会館でセリーヌ・シアマ監督・脚本作品が上映されるらしいですね……行きたい……今年公開された『秘密の森の、その向こう』も良かったですね………。運転するお母さんに、ネリーが後ろからビスケットやジュースをあげるシーンが何故かめちゃくちゃ好きなんですよね……。

話がそれました。


@シネ・ヌーヴォ

『チェチェンへようこそ -ゲイの粛正-』

公開前から観たいと思っていたけど、公開日の2日前にロシアがウクライナに侵攻を始めて、まさかこんな状況にある中で観ることになるとは全く思っていませんでした。

ロシアの支配下にあり、プーチンに親和的な指導者によって統治されているチェチェン共和国において国家主導で行われているゲイ狩りと、そこから決死の覚悟で逃れようとする人々と、彼らを救出しようとする活動家たちを映し出したドキュメンタリーです。顔や名前を出すことは自らを危険に晒すことに等しい状況の中でこの事実を伝えるために取り入れられたフェイスダブルやボイスダブルという技術の精緻さはさることながら、こんなことが本当に、国レベルで行われているのかと思う映像や事実の数々に、思わず目を覆いたくなりました。しかも国だけでなく、自分の家族や親族にさえも命を狙われるという…。住み慣れた町を離れて、バレるかもしれないとおびえながら逃げて、逃げても常に緊張状態にあって、本当の意味で安心して過ごすことはできないなんて。好きな人と、安心して過ごしたいという、ささやかな願いさえも叶わないなんて。

決して他人事ではない、切実な映画です。どうか1人でも多くの人に観てほしいです。最近アマゾンプライムでの配信も始まったので、よろしければ是非。


@シネマート心斎橋

『ノー・オーディナリー・マン』

関西クィア映画祭にて鑑賞したドキュメンタリー映画です。

20世紀半ばにアメリカで活躍したジャズシンガーであるビリー・ティプトンは死後、実は女性だったとアウティングされ、亡くなった彼自身やその家族はメディアや世間から酷い謂れを受けます。ビリーを、きちんと「男性」として歴史に刻もうとするこの映画では、単に彼の生涯を写真や言葉によって辿るだけではなく、ビリー役オーディションが開催され、トランスジェンダー俳優たちが彼を演じる過程で、彼の思いや気持ちに寄り添う様子や、彼らを含めた多くのトランス男性の表現者たちへのインタビューが織り交ぜられます。その過程で見えてくるのは、トランスジェンダーが置かれてきた過去の状況と今の状況の違いや共通点、信じられない事実、そして今もなお愛されるビリーという人。「もしも今、ビリーが生きていたらどんなことを聞きたい?」という質問へのそれぞれの答えは何か特別なものや変わったものではなくて、彼のセクシュアリティに関わるものでは必ずしもなくて、つまりそういうことなのだと感じました。いわゆる「マイノリティ」の人々は、「マイノリティ」の側からしばしば説明を求められたり言い訳めいたことを言わなければその場が収まらなかったりすることがあるけど、本来そんな必要は全くなくて、ただ目の前の人を「その人」と認め、表現したいこともしたくないことも受け止め、ただそばにいられたらそれで良いのだと。目の前の人の属性などに囚われず、人間性を見つめて対話したいものだと感じました。

かなり苦しかったけど、でもそれ以上にとても良かったのでもっと多くの人に出会ってほしい映画です。


@第七藝術劇場
@シネ・ヌーヴォ

『裸足で鳴らしてみせろ』

これは、大・大・大名作ですよ!!!映画というもの自体を祝福するような映画であり映画体験です。

既に知っているようなあの映画や、あの仕草、あの構図、あの音、その繰り返しに観客は気づき、映画の中の2人と一緒に時間や場所を越えているのだと感じます。映画の1時間や2時間で、こんなところまで来ていた、と気がつくあの瞬間が好きです。ラストシーン、私たちはこんなところまで来ていた。それが悲しくもあり、愛おしくもあります。

……ゴーグル付けてもいいですか。「泣いてもバレない」。プールのシーンがいちばん好きです。


@シネ・リーブル梅田

『そばかす』

これを観ずして今年の映画館納めはできないと思っていました。

悔しくてつらくて痛くて、でも嬉しくて心強くて安心して、何度も泣いてしまいました。私は私で、生きていってやると思えました。言い訳も説明もしない!

まだ全く考えがまとまっていない状態なので、年が明けたらもう一度観たいです。とても丁寧な過程を経て作られ届けられたと感じられる作品なので、つらい描写もあるけど、きっと力になってくれると私は思います。


コンプリートしたらポスターをもらいました!
お家に飾ってます🏆

ウォン・カーウァイ作品
〜『恋する惑星』『天使の涙』『ブエノスアイレス』『花様年華』『2046』


どうしても初めて観るのは映画館が良かったけど、まさかそれが叶うとは!『欲望の翼』も含めてテアトル梅田で全部観れたのは、2022年夏の最大の思い出です。『ブエノスアイレス』『恋する惑星』『天使の涙』はそれぞれ2回観ました。観すぎ(ということは決してない、何度でも観たい)。もはや語彙力など失って、ニヤニヤしながら途方に暮れる映画体験でした。良すぎ。


@シネ・リーブル梅田
@シネ・ヌーヴォ

『ミューズは溺れない』

ランキングを決める気はないけど、この映画は最後の最後に挙げたかった!

迷いも悩みも不安も頭の中でずっとぐるぐるし続けているのに、なんてことない顔をしていた高校生時代からの地続きで今も私は生きていて、そんな私も決して否定せずに手を取り合って、壊してもまた作り直して、そうして一緒に生きていこうよと伝えてくれる希望の映画です。これは希望です。

あまりにも好きすぎて、信じてもらえないかもしれないけど本当にすべてが好きで、言えば言うほど嘘みたいに聞こえてくるのが本当に悔しい。この映画に出会えたので、私はもう大丈夫。今は、何かしらの形でまたこの映画に会えるように応援しているし、私も頑張ります。





かなり私の興味関心が色濃く出た作品たちが集まりました。そして私は、映画に生きる意味や糧を見出しがちで見出したいのだとわかりますね(笑)。生きながら映画を観ているのではなく、映画を観ながら生きている気がします。


今年も1年、たくさんの映画に出会って世界が広がりました。

見たことない景色や行ったことない場所や、会ったことない人や、感じたことない感情に引き合わせてくれるのが映画だと私は思います。

そしてそこから、単に娯楽やエンターテインメントとして消費されるだけではなく、自分や自分の周りの人、ひいてはその総体としての社会や世界を顧みるきっかけをくれるのも映画で、私はそんな映画が好きです。

来年も、たくさんの素敵な映画と出会えますように!

そしてやっぱり、映画は映画館で観たい!2023年もミニシアターに行きたい!


それでは皆さん、良いお年を。来年も映画チア部大阪支部をよろしくお願いいたします!

ちなみに常時部員募集中です!!一緒に映画の話がしたいです!!

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