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◯ひとり佐藤純弥まつり

其の壱 『実録・私設銀座警察』(1973年)


佐藤純弥の映画は『空海』と『新幹線大爆破』しか観たことないと言ったら、ヒトから勧められAmazonレンタルしました。

深作欣二『仁義なき闘い』もそうですが、とかくこの時代の東映のヤクザ映画は徹底的に暴力を描き切ってますよね。
これ以上ない暴力描写による、暴力の否定……というのは、ちょっと自分のいいように解釈しすぎな気もしますが。
この感じは東宝や大映の映画にはない気がします。

東映ヤクザ映画の例に漏れず、ちょっとボーッとしていると一体誰と誰が抗争しているのか分からなくなってきます。
せめて俳優がわかれば……東映の俳優さんはイマイチ馴染みがなく。かろうじて梅宮辰夫が識別できるくらいです。

冒頭とラストをハイスピード撮影×液体で、映像的にちゃんと伏線として繋いでいるのも得点高いです。

戦後という時代に殺された男・渡会。
生ける屍同然の彼は、文字通り血を吐き続けながら、亡霊かゾンビのように世界を彷徨い、ひとりふたりと地獄へ引きづり込んでいく。
そんな渡会を演じる渡瀬恒彦の真に迫った表情は必見です。


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其の弐 『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年)

(こんなコマ落ちした映像しか見当たりませんでした)

田中邦衛を偲ぼうと再生。が、あまり登場場面は多くなく…
それでも後半の廃人と化したお芝居で、存在感はMAX。
原田芳雄演じる刑事が、邦衛さんの顔写真を見て「とぼけたツラしやがって」と吐き捨てるのもおもしろいですw

BGMがオシャレ。緊迫したシーンに明るめの曲を持ってくる。


のんびり船旅でも楽しんでいるような曲調なのに、実際画面の中では渋っ面の高倉健が身を潜めて逃走している。
なんでこんな選曲にしたんでしょう。素敵です。

メインテーマ曲もかっこいい。 〽︎ダーヤダー、ダヤダ、ダヤダダ〜


クライマックスは新宿駅前西口の、おうまさん爆走シーン。
これを目撃するための2h半と言っても過言ではないでしょう。

Netflixにて。

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