◯ 新作編『ウルフウォーカー』
原題:『Wolfwalkers』
監督:トム・ムーア、ロス・スチュアート / アイルランド、ルクセンブルク / 2020年
「おもしろい映画を観た!」という充実感MAXでした。
都市機構に歯車のように組み込まれた人間たちの世界を、パッキリ区切られたコマ割り&パースを無視した構図で。
一方、森でたのしく生きる狼たちの世界は、生き生きと奥行きのある背景美術で。
こうした描き分けによる対比の表現が素敵です。
あえて下書き線、アタリを残してあるのも味があっていい。
絵本みたいでかわいく、心情を表現するのにザワザワした背景や、画角の縁取りを用いているのもカッコイイ。
サラリと描いているように見えてもメチャメチャ手が込んでいます。
ストーリー的には、ヨーロッパ版『もののけ姫』といった塩梅です。
日本と欧米とでは、「nature」に対する認識、自然観に違いがある、
みたいな話を聞いたような覚えがあるのですが、それでも洋の東西で斯くも共通性のある表現になるのがおもしろいなあ、と。
吹替版もあります。お子さまにも安心の一本です。
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