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「シーサイドモーテル」鑑賞記録

この作品とは、ネットフリックスで”生田斗真”と検索をかけたのがきっかけで出会いました。個人的に生田斗真は「人間失格」(2010)で観てから凄く注目している役者さんです。色々と脳男やら秘密やら観ましたが、なんかちゃうねんなあ、彼の真の良さが出てないなあ感があって、もっとこの人はすごいねん!という気持ちになった記憶が… 「彼らが本気で編むときは、」はめっちゃ良かったと思います。またどれも観直して、改めて感想書けたらなと思います。ひとまず今日は「シーサイドモーテル」の話を…

山の中にあるおんぼろシーサイドモーテルにたまたま集った4組の人間たち。インチキ商品を売り歩く若き青年とインチキの愛を売る女。借金を抱えた男とその彼女と借金取りたち。憧れのキャバ嬢と念願の旅行にやってきた男。お互いにやましい秘密を抱えた小さな会社を経営する社長とその妻。それぞれの物語がそれぞれの部屋で繰り広げられる感じです。

簡単に言えばコメディ映画です!個人的に一番面白かったのは古田新太かなあ。不倫のための言い訳をいかにも漢らしく最もな感じでどや顔と関西弁で語るのが良かったですね(笑)結局、妻の不倫もあってお互い様だったわけですが…

てかこの映画の笑いのクセはなかなかに強い!福田雄一監督っぽいというか、それは多分山田孝之の影響が大きいと思いますが、 ゆるい笑いとして入ってくる、警官2人組のやりとりなんかの使い方が上手いですね~。ラストにもちょろっと出てきますけど、物語をゆるくつないでる役割で、その小道具的な使い方がヨシヒコとかそういう感じの笑いに似てる気がします。

山田孝之は借金を踏み倒してるダメ男で借金取りに自分の女を売っちゃうような最低な野郎の役でした。この人は本当に何やらせてもすごいなあと思います。その存在感は役への深い理解と想像力から来るのかなあ。今まで修羅場も上手いことすり抜けて色々誤魔化して生きてこれちゃったからこその、ずる賢さや土壇場の強さ、そういった生き方がにじみ出てるというか。同時進行していく4つの物語の中でも異彩を放つ存在感でした。

一番観たかった生田斗真、結論から言えばイケパラとかの中津の感じでした!上手いんだよなあ。イケパラの時も思ってたけど、演じてるというか”素”っぽい演技をするんですよね。濃いキャラ、ちょっとやりすぎなくらいの面白さ、そのやりすぎ感が素っぽい、一般人ぽい、みたいな。

私たちも生きてる中で色んな表情を持っててそれを色んなところで使い分けている。その中でやりすぎみたいなこともあったりするわけで、どこか胡散臭い。そういう胡散臭さを意図して演じるのって、う~ん、すごい。役者って本当に色んなこと考えてるんだろうなあ。自分と他人を自分という入れ物の中に共存させるなんて、時にはそれになってしまうなんて、やっぱり尊敬してしまう。

とにかく、私は生田斗真の演技にある自然体が好きなのです。そこに笑いを掛け合わせた時の面白さもかなり好みなのですが、その自然体を活かした日常の演技はもっと好きです。ドラマの「俺の話は長い」とか、最高でした… どこにでもいる”誰か”を演じさせたら一級品で、本当にいそうなリアリティのある自然体な演技ができるのだけれど、でも他の誰でもないという存在感もある、という矛盾。山田孝之の力強い存在感とはまた別物の存在感があるんですよねえ。もっと演技観たい。

この映画に関してはストーリーが~とかいうよりかは役者の個々に関して感じるものが多い感じでした。物語から学ぶことは薄いんですかね、でもそれは多分コメディだからきっとそれでいいんです。あと、魅力的に感じた点としては無駄に格好いい編集でしょうか(笑)ゆる~いコメディらしからぬ、カットのダイナミックな連続した動きやスピード感が良かったなあ。

こんな感じで私の映画の感想は定まらないことが多いんですよね… ストーリーについて語ることもあれば、役者の演技に目がいくことも、編集や音楽や、とにかく映画、映画で気づくものが違うんです。だからバラバラしてるし、映画の紹介とは程遠いものになってるかと思います… いつかこれが直ることを願いながら、感想を書き残すことを続けていきたいと思います。

長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。

それでは、また。

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