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「るろうに剣心 THE FINAL/THE BEGINNING」鑑賞記録

こんばんは。今日は映画の日かつ休日ということで「絶対に映画を観る!」という強い気持ちで朝から早起きし、ずっと見たかったるろうに剣心 THE FINALとTHE BEGINNING、2作連続で観てきました。もう興奮というか、頭の中がはちきれそうで、ここに書いてまとめておこうと思います。ちなみに私は原作はあまり知らない人間です。

まずはTHE FINALから話していこうと思います。

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THE FINALは剣心の過去との対決といった感じです。剣心は人切り抜刀斎として暗躍していた時期にある女性に出会い、その女性を深く愛した過去があります。しかしその女性との間に剣心も予期せぬ悲劇が起こり、そのことがきっかけで剣心を深く恨む人物が登場します。その人物はその女性の弟、雪代縁。縁は剣心と関わった人間全てを復讐の対象として、剣心自身を痛めつけるのではなく、苦しめるためにじわじわと剣心を追い詰めていきます。

剣心自身がその過去に負い目を感じているからこそ、今回の敵は剣心にとってかなり手ごわい相手だったような印象です。平和な世が訪れたと思ったところに縁が現れ、自分が人切りとして暗躍した過去の影がずっとついて回ることに剣心は深く沈み込んでいたようでした。ましてやそのせいで周りの人たちが傷ついていくなんて…しかし今回の剣心は1人でそれを全て背負うことはしませんでした。自分の過去と向き合い、生きることへの執着が芽生えている剣心はより強くなったように思えます。

今作では登場するとは思っていなかった前作までの登場人物が割と出てきたのは個人的に胸熱でした。縁との対決に向かうまでの戦いは少年漫画特有の展開とでもいうのか。ちょっぴりやりすぎ感もありましたが、まあそれもとんでもないアクションで帳消しですかね。どうやって撮っているのか、分からないカメラワークを駆使してキャストたちのとんでもないクオリティのアクションを余すことなく映し出しています。

アクションシーンに関しては冒頭からめちゃくちゃ狭い列車の中で戦ってるところから凄かったです。あんな座席もあって身動きとれないような環境で沢山の人間と殺りあうなんて、この時点からもう映画の中に引き込まれていった感じです。たしか映画は2時間強あったはずなのですが、アクションすごすぎてあっという間に思えました。

縁との対決シーンに関しても、もうアクション、アクション、アクションですんごいわけですが縁の原動力、恨み、復讐そういったものに突き動かされてる彼の全ての根源は姉を失ったことにあり、その執拗な姉への執着に対してシスコンという言葉が頭の中で鳴り響いてしまったがために、ちょっぴりコメディに思えてしまいました…不謹慎極まりないのですが…。

むき出しの何かに触れることは時として自分には恥ずかしいという感覚を伴ってしまうようになったのはいつからなんですかね。少年漫画的な胸熱展開においても、言葉がくさく思えるようになったのは、そういうものは言葉にせずとも伝わるんだよ、ということを知ったからなのかもしれません。あくまでこの映画が少年漫画を原作にしているという点を考えても、これでいいのかもしれない、と思いつつ、ここまでリアルに大人が観ても面白いものを作り上げたのであればそこは大人のかっこよさを貫いてもよかったのではないだろうかと思ったりしました。

なんだか上から目線に言ってますが、私が汚れちまっただけなのかもしれませんがね…

とにかくTHE FINALはその名にふさわしい、剣心の自身の過去に決着をつける最終戦であり、剣心の生き様ととんでもないアクションをしかと見届けるべき作品です!

その勢いでTHE BEGINNINGについていってみます!

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こちらは剣心の頬にある十字傷にまつわる、THE BEGINNINGで登場する縁との因縁の過去の物語です。抜刀斎として暗躍する剣心はとある店で面倒ごとに巻き込まれかけた雪代巴を助けます。この巴との出会いが剣心の人生を大きく変えることになります。しかし時代は幕末、少しずつ心を通わせていく二人ですが動乱の時代に翻弄されていくというわけです…

このTHE BEGINNINGを観ながら自分が考えたことは「ああこういう時代を経て今自分は生きているのだ」ということです。勿論フィクションではあるわけですが、それでも新選組や桂小五郎たちはたしかに存在し、新時代の夜明けを夢見て奮闘した人間たちがいる、ということの大きさがなかなかにずっしりときました。もしも桂たちが諦めていたら、徳川の世がずっと続いていたら…今の私は確実に今の私ではなかったでしょうし、生きていられたかもわかりません。

剣心と巴の物語がメインだとは思うのですが、彼らが生きる時代のリアルな息遣い、混沌とした世の中での平和という言葉の重みや命の軽さを感じさせることで彼らの物語に説得力を持たせる手法に「ああすごい」と心から感動しました。こんな風なバランスで人物のやりとりと社会の大きな流れが描かれると、ここまで感動は増幅していくのか、と思いました。お恥ずかしい話ですが、私は正直政治とか興味関心が薄い方でのほほんと生きてる人間です。でも最近十二国記を読んだりしている関係で少しずつ国や政治というものが自分たちとは無関係ではありえないものだという事実に少しずつ直面しており、そしてその国の成り立ちやその国で生きる人々の生き様や考え方というものに興味がわいてきました。その中でのこの幕末の動乱の話はなかなかに自分には刺さるものがありました。他の若者がどういった目線でこれを観るのかは分からないのですが、それでもこれほど剣心や巴の物語と密接に絡んでいれば考えずにはいられないのではないかと思うので、あんまり歴史とか政治とかに興味のない人がそういうのを考えるきっかけになったりするんじゃないかと思いました。

更にはこの映画、タイトル通りこの映画が終わった時点で始まるわけです。剣心の壮絶な過去の顛末を知ることで、観客は「ああもっかい最初から観たい」と思うように仕向けられているわけです。この円のように作品がつながっていくというか、またこれまでの作品にかえっていくの、すごいですよね…作り込まないとできないですよ。原作があるということで初期段階でこの剣心の過去を映像化する案は出ていたのかもしれません。偶然この順番になったのか、あえてこの順番を選んだのかは分かりませんが、とてつもなく効果的だよなあと思います。

剣心という人間にこれでもかとクローズアップして丁寧に描写してきたからこそ、観客はその過去というものに興味がわくし引き込まれます。突然こいつはこんな奴で~と語りだされても中々入ってこないことはしばしばなわけであります。やっぱりその人物の過去を描けるというのは大きいな。現在を描き切り、作り込まれた大作だからできることだと思います。

とにかく総括すればとんでもない作品だったなあということです。劇場で是非、と言いたいところですがもうそろそろ公開している劇場も少ないのかなあ。また数年たってから特集上映してくれないかな。

そういや入場者特典でもらったのこの写真だったな。
ほんとにいい写真です。

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