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パン屋修行開始。そして、再びの東京。

パン屋で働き始めて2週間。朝6時から始まり、まだ何もわからぬ奴なのに、最初から材料の仕込みから、分割、成形など、パン製造に関わらせてもらい、本気に汗水流しながらの毎日になっていく。

店長からは何度も時計を見ろと、時間に合わせてパンを焼き上げるためにスケジュールがきっちり組まれており、それに遅れないように必死、本当に必死。

段取りを覚えるために、することを表にして作業するが、時間通りにどうしてもできない。慌てなくてよい、という言葉と、もう次の作業始めないと間に合わんぞーーという言葉が交互に飛び交う。そう言われても、、と思いながらも、おぼつかない手つきで、パン生地を丸めたり、成形したり、材料を計ったりミキサーを回したりを繰り返す。

仕事が終わると、全身小麦粉まみれで白っぽくなっている。全身の筋肉が悲鳴をあげている。次の日も朝早く、早くお風呂に入り、9時にはベッドに潜り込む。
始まって間もなく、これを続けていけるのか、という不安な気持ちと、まさに修行、という内容の仕事に充実した気持ちと入り混じる。

働いているパン屋はスーパーに入っている、ホールセールベーカリーそのもので、パンのクオリティは、店長自身も自覚している。特別なものではないけど、それでも毎日買いに来てくれるお客さんを思い、パンを焼き続けている。そんな環境のなか、学べることはたくさんあると思えるから、しばらくはここで修行を続けていきたい。

そんななか、前々から予定していた、NHKホールでの、ハナレグミのライブに東京にでかける。パン屋を目指すことになっても、僕が生きていく上で、音楽の存在はどうしても欠かせない。一泊したけど、2日目は早く帰らねばならず、その他観光はスカイツリーを下まで見に行くくらいで、あとはNHKホールのある渋谷界隈を見て回るくらいの小旅行だ。

なによりも、普段なかなか会えない大切な人と過ごす時間が欲しかったから、というのが本当の目的なのだけれど。
今まで、毎年武道館で行われる、ジョンレノンスーパーライブに行っていて、そのたび行くのはitonowaというカフェや、パン屋さんを巡ったり、ささやかな場所へいくだけの、ささやかなら旅行だ。

今回も、パン屋さんをいくつか回る。行きたい場所はたくさんあるけど、限られた時間のなか、渋谷ヒカリエ内のパン屋さん数店、なかでも期待して行ったのが、ゴントランシェリエで、自分もこんなパンを作りたい、と思わせてくれるパンがたくさん並んでいた。

ハナレグミのライブはこの上なく素敵だった。席は遠く、隣のカップルがデカイ声で会話していたりと環境はよくなかったけど、それでも澄み渡る声に癒される。時間の流れがその間、ゆっくりになっている。

楽しい時間はあっという間に過ぎていき、また、パンの修行が始まる。

近い将来、そう、近い将来でなければならない、将来、自分はどんなパンを焼いているんだろうか。自分の納得いける、食べてもらえる人に喜んでもらえるパンを作っているんだろうか。
そんな自分の姿を想像しながら、毎日をがんばりたい。

#パン #東京 #ハナレグミ

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