いつの間にやらアニメ好き

今や日本の文化として確立されており、世界に誇る文化でもあるアニメ。そのクオリティの高さから、「ジャパニメーション」とも呼ばれる。

僕はかつて、アニメに偏見を持っていた。今思えば、子どものころの「アンパンマン」に始まり、好きなマンガ作品のアニメ化を見ていたにもかかわらず、「アニメ=オタクが見るもの」とずっと思い込んでいた。

この思い込みが変わった転機は、高校生のころ。僕の心を動かした作品は、当時週刊少年マガジンで大人気連載中で、2020年に最終回を迎え完結した「七つの大罪」という作品。
人間と人間ならざる種族の世界が分かたれていなかった古の時代、ブリタニアの大地を舞台に、七人の大罪人から組織された伝説の騎士団〈七つの大罪〉の戦いを描く物語(※Wikipediaから引用)。作者・鈴木央曰く、「アーサー王伝説の前日譚」である(単行本1巻作者コメントより)。

高校1年生当時の冬、僕は野球部を退部直後ということもあり途轍もなく暇だった。特に趣味も物欲もなかったのだが、野球部を辞めた後に始めたバイトで貯まったお金を、何かに使ってもいいか、と思い漫画を買い始めた。
当時持っていた漫画は「名探偵コナン」と、BOOKOFFで10巻ちょっとまで買ってそれ以降は断念してしまった「ドカベン-プロ野球編-」だけだったので、ちょっと他にも手を出してみようと思ってのことだった。

ジャンプの「ONE PIECE」やマガジンの「FAIRY TAIL」などの人気作品に手を出すことも考えたが、既にアニメ化もされているこういった人気作は、単行本も膨大な数で手が出しにくかった(しかし後に全巻揃えるのであった)。それに対して「七つの大罪」は、その当時ではまだ一桁巻しか発売されておらず、アニメ化もされていなかった。某無料マンガアプリで1巻無料試し読みをして「これは面白い!」と思った僕は、当時の既刊全巻を買い揃え、一気に読み進めた。ついには続刊が待ちきれず、連載でも追いかけるほどになった。

連載を追いかけていた中で、「七つの大罪」のアニメ化が発表された。これには今までにないくらいの喜びを感じた。というのも、自分が好きで読んでいるマンガがアニメになるのは初めてのことだったからだ(コナンは生まれたときにはもうアニメ化されていた)。
アニメ化が発表されてからというもの、連載や単行本で読むたびに自分の中の理想の声を脳内再生しながら読んでいた。「主人公のメリオダスはこんな感じの声なんだろうなー」「ヒロインのエリザベスは絶対こんな感じだ!」など、自分勝手な妄想を繰り広げていた。

月日が経ち、迎えたアニメ放送初回。放送時刻の5分前にはテレビの前にスタンバイしていた(仮面ライダーを見る子どものよう)。
こんなにも自分の妄想通りにキャラが動くのかと、ものすごく興奮した。メリオダスもエリザベスも、全てのキャラが僕の妄想通りの声で鳥肌が立った。あんな経験は初めてだった。
初回放送が終わった後、僕はエンドロールを血眼で見ていた。メリオダスの声は誰なんだろう?エリザベスの声は誰なんだろう?見逃すまいと、エンドロールのキャスト欄を初めて注意深く見た(録画していたんだからあとで見返せばいいのに)。

その日を境に、僕のアニメに対する、そしてキャラを演じる声優さんに対する認識が変わった。
こんなにも人を感動させることが出来るなんて、常人のなせる技じゃない。何の誇張もなくそう思った。しかもそれが自分と同じ人間から、二次元のキャラに命が吹き込まれているなんて。こんなの、好きにならずにはいられないじゃないか。

それからというもの僕は、どっぷりアニメと、そして声優さんの魅力に浸かっていくこととなった。今じゃ沼にはまって抜け出せずにいる。
その時まで偏見を持っていたアニオタの皆さんには本当に申し訳ない。今や僕もアニオタの一員だと思う。
世界に誇る、世界一の文化「ジャパニメーション」。出会えてよかった。僕の思い込みを変えてくれて、ありがとう。

#思い込みが変わったこと

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