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甲子園旅行記~スタジアムツアー編~

今年も異例の暑さとなった、去る8月に、第105回「夏の甲子園」が開催された。僕は、1週間の夏休みを利用し、ひとりで甲子園へ行ってきた。観戦したのは21日の準決勝と、23日の決勝。現地観戦は約10年ぶりだ。

10年前と違い、今は、どうやら事前予約が必要で、前日の10時から各種ECサイトでの販売が開始される。準決勝前日、20日の朝10時を迎えると同時に、サイトへアクセス。おそらくみんな、同じ時間に同じことをやっているため、なかなか繋がらない。
リロードにリロードを重ね、何回目かのリロードでようやくアクセスが出来た。…が、当然というべきか、バックネット裏はすでに完売。ただ外野指定席へのアクセスが出来たので、ぜいたくは言わずに外野指定席券をポチり。なんとか、ライト側の1席を確保できた。
翌々日の決勝も、22日の朝からサイトに張り付くことで外野席の確保に成功した(ちなみにこの日はレフト側)。

19日の夜に兵庫入りし、翌朝ホテルのベッドの上で、無事準決勝のチケットを確保した僕は、レンタサイクルで甲子園の周りを探索することにした。
一人旅のいいところは、自分の思い付きやその時の気分で決められること。特に計画も立てずに、球場の周りをグルグルしていると、「甲子園歴史館」というところを見つけた(多分有名なところだと思うが、事前リサーチを一切していなかったため、あたかも発見したかのような言い方になっている)。

当初は、単に歴史館だけ入ろうと思っていたのだが、受付で「この後、13時ごろからスタジアムツアーがありますが、いかがいたしますか?」と聞かれた。
「何ですか、それ?」
聞くとどうやら、歴史館の入場だけでなく、スタジアムツアーに参加できるチケットがあるということだった。
スタジアムツアーは日によって内容が違うらしく、その日は、バックヤードツアーで、普段プロが使っているブルペンや、さらにはグラウンドにも出れるものだった。その分、当然代金がプラスされてしまうが、なかなか体験できることでもないので、スタジアムツアーのチケットを購入した。

ツアーが始まり早速、モザイクアートで象られたトラッキーのボードを見せてもらった。そのトラッキーは、阪神電鉄の使用済み切符、数にしておよそ5万5千枚を使用して作られたという。そのボードは、関係者通路に展示されているため、関係者か、ツアーに参加した人しか見られないそうだ。

初手で貴重なものを見せられた後、ブルペンへと案内された。そこは普段入ることのできない、プロが使っているブルペンだ。普段は入れない、とはいえ風景的には珍しさはないので、正直そこまで興奮はしなかった。何故なら、後にメインディッシュが控えているから。
ブルペンの後は、バックヤードに設置されているインタビューゾーンへ。野球中継で試合終了後に見る、監督や選手のインタビューが行われている場所だ。ここもまあ、申し訳ないけど「ほお~ん」くらいだった。申し訳ないけど。

写真撮影もそこそこに、いよいよお待ちかねのメインディッシュ。グラウンドへ続く通路を列になって歩き、階段を上ると、視界には待ちわびた光景が広がった。

目の前には、きれいに整備された一面の「甲子園の土」。360度広がる、空っぽのスタンドと雲一つない青空。静寂の中で、聞こえるのは参加者の声だけ。
「そうか。明日からは、たった4校で優勝を争うんだ」「明日はここが満席に埋まって、大歓声に包まれるんだ」そう思うと、僕は興奮で胸がいっぱいになった。
文字にすると全部当たり前すぎて、実は書きながらちょっと恥ずかしい。でも、そのくらい純粋に感動した。

なんだか野球熱が高まった僕は、そこから自転車でバッティングセンターへと向かった。どうしてもバットを振りたくなってしまったのだ。
勢いで10ゲーム分買い、10ゲーム分しっかりとやりきり、そのまま帰ろうとしたのだが…突然の大雨。
結局、大雨で身体を冷やしながら、全速力で自転車を漕いで帰路につくことになってしまった。

こうして、興奮と少しの虚しさを残して、甲子園一人旅の初日は終了した。

#わたしの旅行記 #一人旅 #高校野球  #甲子園球場 #スタジアムツアー
※写真はみんなのフォトギャラリーより

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