銃

小咄「ルイ辞書」

【鉄砲】【末法】【説法】

流浪の愚僧は人を殺(あや)めんとする青年を制した。青年は言う。ここでやらなくても他でする、と。愚僧は人を殺める愚かしさを切々と説くが青年の耳には届かない。人を撃ち殺すことを使命と思う青年の心は頑(かたく)なだった。愚僧は青年の行く末を慮(おもんばか)ってそれを取り上げると思わず引鉄を引いた。けだし世も末である。

さなからまかせ「類似ショ」

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