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【選挙出まくり男】小西彦治とは何者か?(7)【振り回される者たち編】


 一連のシリーズとして「ナンバリング」がついていますが、先にネタバラシしておくと残念ながらこの記事に小西彦治氏は現れません。 現れないのですが、現れないが故に振り回された(私を含む)人たちの悲しくも可笑しい物語を今回はお送りします。 おヒマな時にでも読んでいただければ幸いです。

 



▼「彦治氏出馬か?」の情報が

 7月2日告示の長野県・下條村長選。 この選挙は特殊な事情が発生していまして、

 現職の金田憲治村長(77)が3月の村議会で「新たな時代に対応できる新進気鋭の人に村政を託したい」という趣旨の発言をして引退を表明。 来たるべき選挙で新しい村長が決まるのだろう、と思っていましたが・・・

 村長自ら候補者を探して奔走しますが、誰ひとり手を挙げる人がいない。 「候補者ゼロ」の可能性すら出てきたため、村長は引退発言を撤回し出馬を表明しました。 これまで私なりに「選挙」というものに触れてきましたが「誠に不本意ではあるが」という言葉で出馬表明した人は見たコトが有りません。

 そんな状況が故に無投票の公算が強まる中、“選挙クラスタ” の人が「彦治案件」としてこの選挙について取り上げ(そーいう “彦治クイズ” みたいなコトはしないよーに!)、それに対し彦治氏が最近使用を再開したtwitter-Xのアカウント(※コレについては後日改めて書きます)で、

情報ありがとうございます。
池田町の結果次第で、一考ですね。

小西彦治氏twitter-X より引用)

興味を示すリプを返していたため出馬の可能性が浮上。 更に、

あ、この村長野県だから、長野ラブな金城ガンヂさん出ればいいのに。
ヒコジ首長、ならぬ!とモノ申す立場なら、同じ土俵でお願いします。

小西彦治氏twitter-X より引用)

私を挑発するようなコトも書いていたため、「それなら受けて立とうじゃねーか!」と取材するコトに。
 前日までに出馬を報じるニュースはなかったものの、直近の首長選となる岐阜県池田町長選では「夜中」「メール」で出馬を知らせるという策に出たため事前に報道されず、且つメディアは話を聞こうと役場に集まってくれるという姑息な上手く練られた出馬表明をしており、半ば “決め打ち” で朝イチの役場へ取材に行きました。

 ただ、向かいながらの運転中に気づいたのですが、一度引退を決めるも誰も出て来ない現状を見て仕方なく出馬する村長の決断に村民は感謝しているでしょうし、そこにどこの馬の骨かも分からない人が突然立候補してきても票が集まるワケがなく供託金没収の可能性は相当高くなるハズで、それが分かってノコノコ出馬しに来るワケが無い、と。 こんな当たり前のコトに気づかなかったのは、彦治氏から挑発的な言葉をかけられたせいでアタマに血がのぼってしまっていたのでしょう。 反省しています。

 とはいえ、もう役場に向かっているし、先日の岐阜県池田町長選で選挙管理委員会(以下、選管)の人が、

「相生市長選のコトも有るので、万が一に備えて立候補取り下げの書類を準備している」と言っていたコトを思い出し、出なかったら出なかったでこの状況に対し選管がどのような対応を取っていたかを見るのも面白いな、と思い、再度キモチを奮い立たせて下條村役場にクルマを走らせたのでした。


▼振り回される者たち①

 予定より出発が遅れたため(時間にルーズなのです、スミマセン・・・)到着した午前9時頃には村長選の候補者(現職)と同時に行われる村議再選挙(※昨年4月の村議選で候補者が定数に足りず1人減の状態が続いており、それを埋めるための選挙)の候補者1人が届出を済ませており、役場2Fの大会議室に設けられた立候補受付所は一段落ついた様子。 通常ならここから受付が締め切られる17時まではほぼほぼやるコトが無いのですが、そうもいかないのがこの選挙。 彦治氏が現れるのか否か「気が気じゃない」時間を過ごすコトになります。

  受付会場の大会議室内に報道陣用のイスと長机があり、空きが有ったので “場末のフリーライター” ながら席に座ると、大手メディアや地元メディアの、少なくとも “本職” として記者をしている「プロ」の方々と名刺交換。 こんなフリーライターにと恐縮しつつも名刺を渡せば、サスガ彦治氏の件で気が抜けない現場だけあって私のコトを知っていました
 そこで彦治氏について情報交換、というか主に私が他の記者から出た彦治氏についての質問に答える展開。 「時間が余るだろう」という想定が出来ていたので原稿書きのためにパソコンを持ち込んだのが功を奏し、これまでストックした情報を御披露するコトができ、相手記者からも彦治氏の件や他の長野県内の選挙に関する情報を教えてくれたりと、思いっきり “濃い” 情報交換・情報共有が出来ました。
 この時点で大手メディアに彦治氏から「出馬する」という連絡が無いというコトは、ほぼ来ないのだろうなと思いつつ、コレだけでも来た価値アリです。

 さて、この日、彦治氏に振り回さていたのは下條村だけではなく、

 5期20年務めた現職が退任し、副町長だった人だけが立候補していた群馬県甘楽町(かんらまち)も同様でした。 彦治氏が新人のみが立候補している選挙に出てくるコトは過去のデータを見る限り殆どありませんが、退任する現職が2選以降無投票当選だったため選挙が行われれば20年ぶりとなるため、それに目をつけて彦治氏が乗り込んでくる可能性がゼロではない状況でした。
 あちらの選管に電話したトコロ “対策” として彦治氏について調べる中で私の記事を読んでくれたようなので話は早く、情報提供を。 アチラの選管からは「そちら(=下條村)の状況はどうですか?」と聞かれるなど、彦治氏が他で出たのであればその情報を以て一刻も早く胸をなでおろしたい御様子でした。 しかしまぁ、たった1人の候補に対し複数の自治体が「コッチに来るかもしれない・・・」と震えている彦治氏って、一体なんなのでしょうか。


▼振り回される者たち②

 昼時が過ぎ、サスガにホール内の緊張感も緩んで来て、席を外せない立場なので机上に置かれた軽くつまめるもので腹を埋める選管スタッフに交替で外食に出掛ける報道陣。 “プロのデブ” として御存知な私ですが、何故か取材中はあまり腹が減らないので1Fの自販機で飲み物を買って眠気と闘い原稿を書きながら他の記者の様子を見ると、机に突っ伏して寝ている者や、選挙とは全く関係ない別の原稿を書き進める者など過ごし方も様々。 何が起きても何も起こらなくても17時まではこの場にいなければならないため、それぞれ己と闘っているようでした。

 その緩んだ空気が再度ピリつき始めたのが、15時30分を過ぎていよいよ無投票が現実になってきた時。 それでも彦治氏が来るかもしれないと選管スタッフは再度段取りチェック。 選挙のルールが書かれたマニュアルを見ながら17時の時点で立候補しに来た人がどこまで済ませていれば認められるのかを報道陣と共に検討するという面白い場面が。

「もう銀行は閉まっているので供託金が納められないのではないか」

という疑問は「居住要件の必要が無い首長選では(彦治氏のように)全国から出馬するコトが可能で、供託金も電子納付が可能なため納付済みを示す証明書が有れば立候補受付は可能だ、という認識に。

 「17時に受付手続きが全て終わっていなければ無効ではないか」

という疑問は「投票の時、終了の20時に投票会場に入っていれば時間が過ぎていても投票が可能なのと同じように、立候補受付も同様に17時の時点で受付が完了していなくても認められる」というコトに。

「立候補希望者が17時にどこまで来ていれば受付けせねばならないのか」

という点は「受付終了時に受付所の『建物』に入っていれば可能」と決まっているようで、定義が(受付)会場』ではなく『建物』となっているので、17時に役場の玄関をくぐって中に入ってさえいればOKだという認識に統一。

「立候補受付の際、書類の不備や訂正が必要になった際はどうするのか」

という部分は、もし書類に不備が有って取りにでたりしたらその時点で立候補はできないが、その場で記入部分の訂正が生じた場合は『建物』内にいるため受付は続く。 という認識になり、

「事前審査もなく、立候補書類をその場で全て提出するコトは可能なのか」

という疑問が出た際は私から「彦治氏はこれまで17度首長選に立候補しており、書類の準備はお手の物だ。 不備が生じるとは考えられない」と私がアドバイスしておきました。

 そしてこれらの状況は群馬県甘楽町でも起きており、再度選管に電話したトコロ、こちらと全く同じ状況の中ルール確認をしている、とのコト。 一人の候補(になるかどうか分からない人)にふたつの自治体が振り回されているのです。 異常ですわ。


▼振り回される者たち③

 17時まで残り30分。 この時間になっても現れず、メディアにも出馬の連絡が無ければもう来ないのは確定的なのですが、選管や記者さんたちのそわそわは加速していきます。
 記者さんたちは役場入口近くに陣取り役場に来た人を観察。 さながら「門番」のような風情でチェックしていきます。
 そして選管スタッフは窓のレースカーテンを少し開いて外の様子をチェック。 その姿は往年の刑事ドラマ石原裕次郎がブラインドを指で少し開けて外を除く様に似ていて、笑ってしまいそうになるを堪えながら私はそれぞれの様子を観察し、そんなこんなで17時。 私が「117」に電話しスピーカーにしてカウントダウンw そうやって17時が来て、選管の代表が「無投票」を宣言し役場職員に村内放送で知らせるように指示。 村内に無投票を知らせる声が轟く中、私は甘楽町の選管に連絡。 あちらも無投票が確定し、イロイロあったけど何も起きなかった、不思議な一日が終わっていったのでした。

下條村長選挙
[当]金田 憲治 (77) 無所属 現 無投票当選

下條村議会議員再選挙
[当]佐々木 幸子 (68) 無所属 新 無投票当選

 3選した金田村長は「子育て支援の充実や定住促進を図る。 村内で飲食店が開業しやすい環境を整える」と抱負を述べたとのコトです。
 また村議再選挙に佐々木氏が当選したコトで、村議の定数10に対し4人女性議員となり、その部分だけ切り取れば進んだ自治体に見えるやもしれませんが、選挙が前回の本選に続き今回も行われない姿は断然遅れていると言わざるを得ません。 それは探しても探しても候補者が見つからなかった村長選も当然で、二度とこのようなコトが起こらないように村政に関心がある人を増やす努力をしていただきたいものです。


▼今後の彦治氏を占う

 ・・・なんて大風呂敷を広げてみましたが、もはや私にも次はどの選挙に出るかが分からなくなってきています。

 今週は二つの選挙に彦治氏が出るかも? という状況で出て来なかったワケですが、

 先月9日の池田町長選以降で無投票となった選挙はいくつかあり、明らかに遠い北海道や東北北部を除いても、

千葉県の野田市長選挙や、

同じく千葉県の睦沢町長選挙が有りました。 彦治氏が選挙に出る自治体の基準だと公言している「現職」「高齢」「多選」「人口7万未満」の全てを満たしているワケでは有りませんが(野田市は人口約15万人、睦沢町は現職が50代)これまでも上記の基準に満たない項目が有っても出馬したコトが有り、これらに出馬してもおかしくなかったのですが、出馬せず。

 こうなった要因を勝手に考えさせていただくならば、前述の通り「池田町の結果次第で・・・」と発言していたのが同選挙で思わぬ “第三の候補” が現れたせいで供託金没収&公費負担なしの憂き目に遭ってしまったため体制を立て直さなければならなくなったというのが要因のひとつ。 二つ目に、

 3月の松川村長選で供託金没収&公費負担ナシを喰らってしまった原因として、人口1万にも満たない松川村のような小さな自治体で相手候補(この時は現職から後継指名された元副村長の新人)に有権者が “結束” したからだというものがあり、以降はこのような小さな自治体を避けているのかもしれないというのが二つ目の要因。 そして三つ目ですが、

 4月の伊奈町長選以降、関東エリアの出馬を避けているのではないかという、私の見立てです。 その根拠となる話を持っていますが(決して “裏情報” ではなく彦治氏について丹念に調べていけば見つかりますが、そんなコトしても時間のムダなのでやめましょう)、それを明らかにするには “資料” がひとつ出て来ないと書けないので、現状それ待ちです。 ちょっと先になるかもしれませんが、“資料” が揃い次第書きますので、少々お待ちください。


▼取材(?)を終えて

 私の記事をチェックして下さっている彦治氏のコトですから、この記事も読んでくださっているという前提で書きますが、貴方という存在に結構な大人が、このように振り回されているのですよ。 せめて出馬する際は前日の昼頃までに報道に連絡して下さいな。
 そりゃ貴方が言う「無投票はいけない」という主張は私も概ね同じですが、貴方の存在に対しアタフタしている選管や役場職員を見ているとサスガに可哀想です。 その方々の苦労も当記事を読んでいただけたなら、そして貴方がマトモな大人だったらお分かりいただけると思いますので。

 まぁ本当は、こんな “ぶらり途中下車“ 感覚で選挙に出るのはもうやめていただいて、「来年から」実施するといっていた立候補する自治体に数か月前から入り活動する」というカタチを早くとってくださいな。

 ・・・って言っても、恐らく今後もドッカで出馬するんでしょうね。 来週は和歌山県で無投票の公算が強い選挙がふたつありますね。 和歌山といえば、

印南町長選に出馬し供託金没収&公費負担ナシを喰らった苦い経験が有りますが、もう一度出るのでしょうか?
 私は残念ながら本職を別に持っていないと生活できない場末のライターなので取材範囲は限られますが先日、選挙ウォッチャーちだいさんとお会いし、ちだいさんがクラウドファンディングで得た「小西彦治取材資金」から一部の選挙にかかった取材費用を精算していただいたので、コチラも少し遠くなら行けそうです。

その際は、また記者会見に伺わせていただきます。
聞きたいコト、いろいろ有るので。



最後までご覧いただき有難う御座いました

※とはいえ自らで取材費用を捻出しなければならないのは当然のコトでありますが故に、メンバーシップ加入者を募集中です!

宜しければ是非<m(__)m>


もし宜しければサポートをいただけると大変嬉しいです! いただいたサポートは今後の取材費として使わせていただきます。