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参政党の傾向と対策を(勝手に)見立てる

※追記情報(丸数字については目次参照)
・9/25  
①、②、③を追加しました
・9/11  
①を追加しました
・9/4 
③、④を追加しました
・8/27
  ③を追加しました


 統一地方選後に行われた各地の選挙を見ると、参政党の “勝ちパターン” “負けパターン” が見えてきたので私なりに見立ててみます。
 参考になれば幸いですが、もし「違うな」と感じた場合は御自身の見解を優先して下さい。 決して他者に強要するものではなく、私個人の見立てなので・・・


(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 統一地方選後に参政党が候補者を立てた選挙をまとめました(抜けが有ったらゴメンナサイ・・・)。 これまで「24戦14勝10敗」と勝ち越し。 中には仙台市議選の4選挙も含まれており、そちらは多分1勝できれば御の字であろうとして「4個イチ」で考えると宮城野選挙区で当選したので、それをまとめて1勝と見ると「21戦14勝7敗」となり、好成績だといえるでしょう。

 では、これらを6つのパターンに分けてみましょう。




①大きな街の選挙は、ちゃんと応援に入れば勝てる

 これらの選挙は定数が多くて同時に落選者も4人以上いる。 そして仙台市議選は東北随一の街で行われた選挙です。
 選挙期間中に党中央から現地入りした党の中心人物を見ると、上記全ての選挙に神谷参院議員が入っています(仙台市議選は3回も!)。 その他、松田(前)代表は3件、武田邦彦アドバイザーが1件現地入りし応援演説をいています。
 注目は盛岡市議選で、告示日に神谷氏、最終日に松田氏が入っています。 この形が最も効果的な方法ではないでしょうか。 おかげで同選挙は次点に6票差で当選を勝ち取りました。
 ただ、もしこの形をスタンダードとするならば神谷氏の現地入りは必須となるワケで、実質 “神谷党” なのだから仕方ないとはいえ早く次の国会議員(またはスター)を輩出しない限り神谷氏に負担が集中するコトになりそうです。

※9/10追記

 パターン①で初めての敗北です。 神谷代表も応援に入っていたのですが、序盤の月曜日だったので投票日まで印象が残らなかったコトが一因かもしれませんが、何より女性候補が9人もおり、票の喰い合いになってしまったコトが大きかったかもしれません。
 女性候補が多い選挙に女性を立てて負けたのはコレで二度目。 こればっかりは仕方ないといいますか、持ってないといいますか・・・


②応援の手を抜くと、やっぱり負ける

 福島県の県庁所在地の選挙なので、①と構図は一緒。 ならば神谷氏の投入はマストのハズですが、何故かコチラは赤尾由美アドバイザー(2022年参院選全国比例区 5名中5位)が入ったのみでした。 やはり既に「おはよう」されている方、以外に聞いてもらうには全国的知名度の有る神谷氏(または武田氏)が現地入りしないと勝てないのが現状なのでしょう。
 いくら躍進めざましいといっても実質2022年デビューの新興政党です。 この点を見ても、神谷氏頼みの状況は暫し続きそうです。

※9/25追記

 この選挙は今年からボードメンバー入りした熊本県議の高井千歳氏が応援に入り、神谷代表が入らずに勝てるのか注目でしたが見事に勝利。 しかも5位で。 候補者自身の知名度が有ったのだろうとは思いますが、神谷代表が入らずして勝利したのは大きいでしょう。


③ “無風選挙区” で議席を勝ち取れ! 

 これらの選挙は小さな自治体の議員選挙で定数も落選数も少ない。 それに加え政党公認候補が参政党以外は西郷村議選は共産が1人だけ、高畠町議選は公明が1人だけ。 そして関川村議選は他が全員無所属という状況でした。
 そういった選挙に党名を大きく掲げ、選挙区外からやってきた見知らぬ「おはよう」な人が、 “あの” 独特の笑顔で選挙運動を手伝っていれば頑張っているように見えて、議会を変えるために参政党に一票を投じてしまう有権者がいても不思議では有りません。
 私はこの、静かで穏やかな町に突然派手な看板が表れて派手に活動し、(選挙が)終わればあっという間に去って行くスタイルを「エクセルヒューマン式選挙戦略」と呼んでいますが、恐らくこの名称は各方面から怒られるダケなので広まらないでしょう(涙)。

 それはともかく、このスタイルこそ新興政党が地方で勢力を広げるために必要なのですが、幸福実現党はその地区内に住んでいる “信者” を擁立する形を取っているため闇雲に候補者を立てられず、れいわ新選組は結党から暫くの間 “地方軽視” が続いていて最近ようやく地方選に進出し始めた状態。 そしてN党は議員報酬を党に上納させるコトが目的なので、給料が少ない地方選なんて目を向けるハズが無いのです。
 そんな中、参政党は桁違いの党費と頻繁に行われる政治資金パーティー、そしてオレンジを基調とする各種グッズの売上げを基手にして、この戦略を取り始めた。 小さな選挙なのであまり目立ちませんが、コレこそが最も脅威に感じなければいけないコトであり、続けていれば数年後に首長を誕生させる可能性だって私は充分に有り得ると考えています。

※9/4追記

 8/27から、この作戦が通じず2連敗しました。 聖籠町は女性候補を立てたら候補者のほぼ半数が女性だったという点が要因と思われ、与論は女性議員が4期以上にわたり誕生していないという風土による影響が強そうです。


④現職の引き抜きは、良い結果を生まない

 現状の参政党の勢いに現職が持っている基礎票を加えれば盤石! かと思いきや、上記2選挙はいずれも落選しています。
 しかも票が激減してしまうという結果になっており、九戸村議選の候補は1期目は無所属で299票獲ったのが今回は148票半減し、“定数プラス1” の選挙で最下位落選。 しかも「御年93歳で15期目」の候補にも及びませんでした。
 そして勝山市議選の候補は1期目は763票獲ったのが今回は454票4割減で落選。 この候補は38歳と若い人物であったにもかかわらず、です。 きっと突然な “キャラ変” にドン引きされちゃったのでしょう。
 ただし、両選挙とも選挙期間中に現地入りした党中央の関係者はいません。 なのでもし神谷氏が応援に入っていれば違った結果になったかもしれないという点は考慮しなければなりません。 そうだとすると、

 来月投開票の岩手県議選北上選挙区(定数4)に現職が参政党に入って立候補するようでして、サスガに県議選には党から応援が入るでしょうから、その結果が注目されます。
 ただ、現状は無投票の可能性が大きく、社民党が候補者を出すかどうか次第とのコト。 ここは何がなんでも出していただきたい! 現在立候補を予定しているのは自民(公明維新推薦)の1人と立憲の2人、そして参政党の全員現職です。 どー考えても「立憲 → 参政」というキャラ変がウケるとは思えないので、社民党さん、どーかどーか・・・<m(__)m>

※9/4追記

 と、いうワケで岩手県で参政党の県議が誕生しました。 ただ、やはり告示直前に立候補して現職を倒せるワケがなく、しかも得票数は前回から減らしているので参政入りがプラスに働いたとは思えず、単に政党のバックアップが無いと立候補できない “ヘタレ” でしかないと思われるので、あまり気にする必要は無いかと。


⑤落下傘候補は、強烈な内部対立を引き起こす

 郡山市議選は定数が多く、本来なら①に当てはまる選挙なのですが、擁立したのが昨年の参院選新潟選挙区から立候補した人物。 どういう意図や理由が有ったのかは分かりませんが、県を跨いで候補者を引っ張り出して擁立しました。
 ところがコレが新潟の参政党員の逆鱗に触れ、市議選候補が街頭演説している現場にして問い詰めるという荒々しい事態が発生。 SNS上でもこの引き抜きを批判する書き込みが多数発生するほどでした。

 みんな仲良く、あの “独特な笑顔” で「おはよう」しているように見える参政党員が内部対立するコトになったのか。 コレは私の推測ですが、実質的なデビューとなった2022年の参院選の際、党中央から選挙運動に関する指導は少なかったようでして、そのため各支部の “昨日今日ようやく政治に目覚めた” キャリアの浅いスタッフが手探りで選挙運動をしていました。 そのため参院選で7県を取材し、うち6県で参政党候補に会いましたが、選挙運動のやり方、スキルが全く統一されておらずバラバラでした。 ただその状況が支部内の結束を強くしたものと思われ、あの夏、みんなで一生懸命応援した候補を他県に引き抜かれるなんて絶対に許せなかったのでしょう。

 しかしコレも、“DIY政党” を名乗り党員それぞれの主張を受け入れるような姿勢でブレイクした(そして実際は殆ど受け入れてもらえなかった)参政党の成り立ちが引き起こしたものでしょうから、仕方ないですね。
 とりあえず、このような強引な擁立は控えた方が宜しいかと・・・


⑥ “ステルス戦略” は意外にイケる?

 この選挙で参政党支持者が党公認ではなく、無所属で立候補し、なんと2位当選という今回取り上げた15選挙の中で最高の成績を叩き出しました。
 本人も「当選したら参政党の議員としてやっていきたい」と会合で語っていたようですが、では何故このような上位当選できる候補に公認を出さなかったのか? コレも私の推測になりますが、恐らく上位当選できる “からこそ” 公認を出すまでもない、と判断したのではなかろうかと。

 ③で書いたように、あらゆる手段を用いて潤沢な資金が有る参政党といえども無駄な経費は抑えたいハズ。 ならば確実に当選できる選挙(候補)で且つ急いで党勢力を拡大する必要性を感じない地域においては党としては関与せず、その地域の「おはよう」な人たちに手弁当で働いてもらい、それで議席が獲れるのなら最小限の労力で済むのでイイね! という考えが浮かび、この選挙で “実験” したものと私は睨んでいます。
 そしてこの “実験” が成功したコトにより、今後同様のケースが増えてくるのではないかと私は思います。 「オレンジウォッチャー」の皆様におかれましては油断せずにチェックし続けていきましょう。 私もそれを気にしながら各地の選挙を見るようにします。



 以上となりますが、如何でしょうか・・・?
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