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学校に行けていない小学生からのお子さんたちに、大学ってどんなところかをもっと知って欲しい

 私の大学の学科では、1年から4年生までの各学年の10名程度を担任として受け持っています。数年前から、複数の子が「先生、僕は私は、不登校だったんです」と話してくれるようになりました。その時感じたことは、「え? そうなの? 全然そんなふうに見えないよ」でした。他の学生さんより自立しているし、何よりも物事を深く考えていると思ったからです。そこから、不登校に興味をもち、複数のフリースクールやオルタナティブスクールさんに出向いてお話を聞かせてもらっています。その中の一つに、福岡てらこやあそびさんがあります。ここは、親と子どもが一緒に通えるフリースクールです。

てらこやあそびさんの子どもたちというよりも、お母さん方が私のいる工学部ってどんなところなのかに興味をもってくださって、子どもたちと一緒に何回か、私の学科を見に来てくれています。私が思うに、大学の特徴の一つは自由であるところ。例えば下の写真を見てください。この装置は、大型気泡塔といって、高さが5.5 mあります。前の大学で作ったものを移設したものです。前の大学には、天井までの高さが6 mを越える大型の実験室があったのですが、私が今いる建物にはそんな高さの建物がないので、何をしたかというと、2階の床をくりぬいて、1階と2階をぶち抜いてこの装置を入れました。結構クレイジーですよね。

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もう一つ大学の特徴は、特に工学部などの理系には、結構高額なハイテクマシンたちがゴロゴロと転がっていることです。例えばこれはデジタルマイクロスコープ(顕微鏡)です。これで、高級外車が1台買えるぐらいのお値段です。これで、100円玉の表面を拡大したりすると、意外な発見があって面白いですよ。

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さらに、私の研究室だけでは買えないような超高価なマシンたち(数千万以上)は学科でお金を出し合って買ったりします。例えばこれは、マイクロフォーカスX線CTスキャンと言います。X線で物体の内部を壊さずに調べられるハイテク装置です。我々の年代になると、体のどこかがおかしくなって、CTスキャンというドーナツみたいな装置に入って、お腹や頭の中を調べてもらうのですが、原理はあれと同じです。

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さて、そんな自由でヘンなものがたくさんある大学ですが、「普段知らない所だと1時間もいられない息子が、ここでは数時間遊んでいられる」とあるお母さんから言ってもらえました。もしかしたら、この大学の自由でユルい雰囲気が彼にマッチしたのかもしれません。小学校や中学校が苦手と思っているお子さんでも意外と大学は気に入ってもらえるかも、と思っています。もっとたくさんの方々に、我々の大学のことを知ってもらうにはどうすればいいかなあ、と最近よく考えています。



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