スナックとコンカフェ‐共存共栄のための提言

コロナのせいで全国のスナックが急速に減少しているそうです。スナックは地方の夜の社交場として機能してきて、社会的な地位に依らずに関係を築ける貴重なコミュニティであったと思います。老若男女が一緒になってカラオケを歌う。そんなハッピーな場がほかにあるでしょうか。スナックで仲良くなった人たちが週末はボーリングやゴルフに興じるそんな話も聞いたことがあります。地域活性化のためにもスナックは残さなくてはいけない文化だと思います。

とはいえスナックにも弱点はあります。入口の木の扉です。あの重厚なドアを開けないと中の様子が全く分かりません。外からだと料金すらわからない場合が多いです。店のサイトもないところがほとんどなので、入店するまで情報が得ることができません。結局一軒一軒、しらみつぶしに訪れて自分に合うスナックを開拓するしかありません。

実はというか皮膚感覚でわかると思いますが、コロナ前からスナックの数は減少しています。原因は若者のスナック離れです。若者のスナック離れの原因としては、酒離れ、会社の人との飲み会離れが挙がられますが、私はスナックの情報を得ることが難しいことも大きな原因の一つだと思います。グルメやレジャーでまずはネットで検索して行き先を決めるというのが今のライフスタイルだからです。

では、スナックに行かなくなった若者はどこに行っているのでしょう。キャバクラは高いのでスナックの完全な代用品とは言えないと思います。やはり、ガールズバーとコンカフェだと思います。ガールズバーにはカラオケのある店もある。コンカフェは昼間からやってる店のほうが多いし、ソフトドリンクも充実しているので、お酒が飲めなくても楽しめます。スナックがカバーしてない部分(昼に店に行きたいという需要・お酒が飲めない人も楽しみたいという需要)もカバーしているので自然と若者はガールズバーやコンカフェに行くのだと思います。

もちろん、今までこのブログで書いてきたようにコンカフェはキャストが常にツイッターで情報を発信しています。リアルタイムの情報が知れるのですから、ホームページすらない、食べログにも掲載されていないスナックのほうに足が向かなくなるのは当然です。

さて、私はスナックを下げ、コンカフェを上げるためにこのエントリーを書いているのではありません。コンカフェはコンカフェで問題を抱えていると思います。私は秋葉原のコンカフェは過当競争だと思っています。コロナの平日の夜には通行人よりはるかに多くのキャストが秋葉原の路上でビラ巻きをしていたそうです。コロナが終わっても暇だというツイートを見かけるこことが多い。さすがに秋葉原は神田古本屋街のように同じようなお店が同じ地域に集中することで集客を図るというレベルを超えている気がします。

もう一つの問題点はキャストの卒業問題です。コンカフェキャストが10年くらいキャストを続けると他の職歴もないために転職も難しく、かと言ってどんどん若い娘がコンカフェに入ってくるために年齢によって浮いていると感じたり引け目を感じたりという問題があります。そういうキャストは経験を生かして自分で店を始めたり、期間限定のお店を始めたり、店のプロデュースをしたりしています。しかし、一から店を立ち上げるということは非常に難しいし、リスクも高いと思います。

ここからが本題です。
今、スナックは存続の危機を迎えています。前から考えていたけれど、この機会にということで閉店になった店も多い。そんな閉店になった店の居抜きの店を借りる、もしくは引退するつもりのママの後を継いでベテランキャストがコンカフェを開けばいいのではないかというのが私の提案です。スナックは地域の客を持っています。しかし若者へ向けた情報発信力はないことが多い。コンカフェのキャストは情報発信力があるので、地域の人脈+情報発信力でよりお客さんを呼ぶことができる。なぜか都会ではないとコンカフェが成立しないというイメージがありますが、スナックは小規模ながら成立している。そして、過当競争である都会から郊外へとコンカフェを展開していけば、コンカフェ界の発展にもつながり、キャストのセカンドキャリアの場にもなります。スナックを失うことでなくなる地域の社交の場も継続することになります。地域を支えてきたスナックが形を変えるとはいえ継続していくのはスナック界にとっても悪いことではないと思います。

そこでスナックの経営者とスナックの店舗にコンカフェを立ち上げたいキャストのマッチングをどこかでやればいいと思うのです。例えば全日本スナック連盟とかが間に入ってやってくれることを期待します。スナックにとってもコンカフェにとってもメリットだと思います。コロナによって経営が厳しくなったのはスナックもコンカフェも同じです。両方が共存共栄していくのはこの手段しかないと私は思います。











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