ウクライナ問題ー第三次世界大戦

第三次世界大戦

世界大戦を論じる前に現在のウクライナの戦争について考えてみたい。

現在のロシアのウクライナへの侵攻

ロシアの非人道的戦争行為の結果、世界の多くの人が悪魔のプーチン、英雄のゼレンスキーと見ている。この見方は、紛争の妥協点を探す上で真実を見誤る危険性を孕んでいる。ロシア軍が行っている非道な残虐行為は責められるべきであるが、戦争の発端となったのはウクライナのクリミア半島及びドンバス地方の帰属問題である。この問題についてのミンスク合意2をどちらが遵守しなかったのかという観点から見るならば、黒白が明確ではないからだ。

ロシアの言い分:両地域には多くのロシア系住民がおり彼らがウクライナ政府軍から攻撃されているのでその住民を守ための戦いである。両地域は信仰が始まる前からロシア系住民が多く住んでおり、ロシアが実効支配していた。

ウクライナの言い分:どちらの地域もウクライナの領土でありロシアの支配は認められない。

事実―ドンバス地域の戦闘はずっと継続しており、どちらが先に手を出したかは判定が難しい。ロシアがキエフなどの複数の都市に進行する前に、ウクライナはトルコから手に入れたドローンでボンバス地方の反政府軍(ロシア側)を攻撃している。

喧嘩両成敗であり、双方が責められるべきだろう。

この争いの意味:

「2国間の領土争い」であれば、NATOが大量の兵器・情報をウクライナへ供給する根拠はない。なぜ西側諸国がウクライナを支援しているのだろうか? これは西側諸国がロシアの侵攻を「ウクライナへの不当な侵略」と判断しているからだろう。

しかし、ミンスク合意によればドンバス地域およびクリミアについては武力による戦いを停止し、住民の投票により決定することで合意されていた。この合意に署名したにもかかわらず、覚書を遵守しなかったのはウクライナ側との見方があるように同地域のウクライナ帰属が国際的に認識されていた訳ではない。

こう考えると、ロシアの武力侵攻を一方的に侵略と見做して西側がウクライナを応援していることには疑問があり、兵器の供与は殺人行為の助長であると言わざるを得ない。

「ロシアと西側のボーダーラインを死守する戦い」というのがもう一つの見立て。であれば多額の武器供与、武器使用訓練、情報提供などをするのも理解出来る。しかし、その場合、ウクライナの国土を焦土と化すような戦争をさせ、自分たちは兵を危険に晒すことなく戦争をおこなっているのはウクライナを犠牲にしているようであり、卑怯のようにも思えて納得がいかないところである。

あなたはどちらの見立てに同意しますか?

さて本論の第三次世界大戦。

そのリスクは何か?

米、英などN A T Oが参戦したら何が起こるのか?

1.ロシアが反撃に核兵器を使用する可能性がある。
2.ロシアの核攻撃に西側も核で反撃する可能性がある。
3.両陣営が核兵器を使った場合は世界に大きな被害を出すことになる。

NATOが参戦した場合、ロシアは核を使ったとしても勝利はないだろう。米・英・独・仏の総力にロシアが勝てるとは考え難い。西側の攻撃を受けた時点でロシアはどうするだろうか?降伏する、又は負けると知りながら核兵器で世界を火の海にする。

プーチン及びロシア軍の繰り返す蛮行から推測すると世界を火の海にする愚行に走る可能性を完全には否定できないのが悩ましい。

両陣営がクリミア半島およびドンバス地方の所有権で諦める考えがないことを前提にすると「この両地域を非武装中立地帯とし国際的監視下に置く」しか解決策はないだろう。

これがウクライナに平和を取り戻し、世界の経済を平常に戻す唯一の方法ではないだろうか? ロシアは非武装地帯ができることで一応納得する可能性があるが、ゼレンスキー大統領は反対するかも知れないが、世界は彼に武器を供与するのではなく、説得の努力をするべきだろう。