米英の中国に対する脅しは続けられるのか?

米国が台湾に対し日本円で約1500億円に上る武器を売却するとの記事があった。ペロシ下院議長や議員団の訪問などバイデン大統領の米国は中国を刺激し続けている。英国も海軍の艦隊をインド・太平洋に派遣するなど中国への敵対行為を始めている。

さて、英米はこれをいつまで続けることが出来るだろうか?そしてこれらの行為で中国を脅し、中国が拡大的政策をとることを諦めさせることが出来るのだろうか?

私は極めて懐疑的である。中国はThe Hundred-year Marathon(マイケル・ピルズベリー著)にあるように1948年の建国から百年、つまり2049年までにアメリカに追いつき追い越そうとしている。既にGDPは日本を抜き世界2位である。中国は後進国という猫のお面を被って沢山の学生・研究者をアメリカの大学や研究機関に送り続けていた。アメリカは、中国が豊かになれば敵対することは無くなるだろうと甘く観ていたのでこれを受け入れていた。そしてこの失敗にようやく気づき始めているのだ。

アメリカに渡った学生や研究者はその知識を中国に持ち帰り、中国の技術力は大躍進した。中国はアメリカに帰化した研究者まで中国に呼び戻しており、アメリカの技術はすっかり筒抜けである。通信ではすでにアメリカを追い抜いている。宇宙技術もその可能性がある。原子力やI Tではどうだろうか? このままいけば2049年を待たずしてアメリカは中国に抜かれるだろう。

中国が米国を抜いて世界第一位の経済力、軍事力、技術力を持った時、米英の脅しはもはや意味をなさない。そんな時期が刻々と迫っている中で米英は中国を挑発することで何を得られるのだろうか? ロシアはウクライナ戦争で経済的、軍事的には大いに弱体化するだろう。しかし、広い国土と天然資源を持つロシアが中国が近づく可能性もある。

プーチン、習近平という独裁者がいる間は甘い顔は見せられない、しかし強面の脅しばかりでは彼らにアクセルを踏ませるだけではないかと危惧している。

米英の行動が「虎に対する犬が遠吠え」にならなければ良いが。凶暴さにおいては既に猫ではなく虎である。