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「ハンチバック」の教訓:対比される人生の魅力

本の感想

こんにちは、皆さん!今日は芥川賞受賞作『ハンチバック』を読んだ感想を共有します。この作品は、独特なストーリーテリングと深いテーマで私に大きな影響を与えました。特に、前半と後半の主人公の対比が印象的で、社会の不平等さを鮮明に浮かび上がらせています。


急な場面転換と伏線回収

後半の急な場面転換により、多くの読者が戸惑ったようですが、私はその対比に驚かされました。前半の主人公が望むことを後半の若い女性が平然と成し遂げる様子は、社会の格差を如実に示していました。この若い女性は、前半の主人公が夢見る自由を手にしているように見えますが、実際には異なる形での不自由さを抱えています。


タイトルの意味

「ハンチバック」というタイトルの意味が分からなかったのですが、物語の途中でルビを振ることで理解できました。これは主人公の背骨の曲がりを表しており、彼女の身体的制約と苦悩を象徴しています。体が不自由であることが、どれほど彼女の人生に影響を与えているかが描かれています。


対比されるキャラクター

物語に登場する介護士の男性との対比も興味深いです。お金はあるが自由に動けない主人公と、お金はないが身体の自由がある男性。この対比は、身体の不自由さとそれに伴うもどかしさを強調しています。主人公の女性が自分の夢を追求できない一方で、介護士の男性は自由を持ちながらも経済的に制約されています。


心情の理解

また、主人公の女性の心情を理解するのにも苦労しました。40代で身体が不自由な女性、親の資金で施設に入っているが、やりたいことができない。この状態は、自由とはかけ離れています。お金や時間だけではなく、自分の望むことを実現できることこそが真の自由だと感じました。この対比を通じて、物語は現代社会の中での様々な形の不自由さを描き出しています。


物語の結末

物語の結末は、現代の若者によく見られる状況を風刺的に描いているのかもしれません。若さゆえに何でもできるはずなのに、ホストに夢中になってしまう。それは本当に自由な選択なのでしょうか?私には不自由に見えました。若者の女性が自己選択で自由を手に入れるどころか、他の形での不自由さに囚われていることが示されています。


学びと現代社会

この物語から学んだことは、登場人物それぞれが異なる形で不自由さを抱えており、その「ないものねだり」が描かれているということです。SNSの発達により他者との比較が容易になった現代社会で、自分のやりたいことを自らの選択で実現することの重要性を再認識しました。他者との比較ではなく、自分自身の目標や夢に焦点を当てることが大切です。

このように、物語は現代社会の複雑な人間関係と個々の自由について深く考えさせられる内容でした。


皆さんの感想やコメントもお待ちしています。それでは、次回のブログでお会いしましょう!

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