読書メモ②「オーダーメイド殺人クラブ」

読了しました。

【書籍名/作家】
オーダーメイド殺人クラブ/辻村深月

【あらすじ】
主人公・小林アンはいわゆるスクールカーストの上位グループにいる中学二年生。
大人達が中二病とレッテルを貼るような趣味を持っているが、それを心の中に隠している。
ある日、クラスメイトの徳川が似たような価値観を持っていることを知り、依頼をする。

「私を殺してほしいの」


【感想めも】
・辻村深月さんは本当に人間を書くのが上手い。大好き。
・お前もお前もお前も他人なんか表面上しか見ていない、けれどそれは自分を生きるのに必死だから。そんな中学二年生達が他人と関わっていくお話だった。

・お話に出てくる「中二」達はみんなリアリティがある。いるいる、クラスにこういう子。そして、自分もかつてはあの中の誰かだった。
・読者、そしてこの子達に比べれば大人という俯瞰的な立場から見ている私からすれば主人公がある種バカにしている人達にも事情があり、表があれば裏もあると推測できる。しかし、自分を生きるのに必死な主人公は理解できない。「センスない」「昆虫系」と、時には突き刺すような言葉で人を分類して自分の立場を明確にしようとする。
・自分の立場を明確にし、「フツー」を装いながらも、自分は他の人とは「違う」事を表現しようとするのは、正に中二病で、アイデンティティを確立しようとする思春期。
・最後の展開は賛否両論あるみたい。けれど、私は大好き。どんな事件にもその後はある。主人公たちの「事件」のその後を垣間見れたのが本当に嬉しい。
・色々な部分の対比とか語りたいところは沢山あるけれど、初読の感想としてメモ程度にしておく。再読しないとまとめられる自信が無い。

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