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読み聞かせした本(51)『ねえさんといもうと』2024年9月

小学校の図書館司書をしています。
図書の時間に読み聞かせをした本や紹介した本について書いています。

『ねえさんといもうと』 シャーロット・ゾロトウ文 酒井駒子絵・訳 あすなろ書房

選んだ理由

・しんみり聞いてくれそうだと思ったから。
・姉の心情や妹の心情に寄りそえると思ったから。
・酒井駒子さんの絵が素敵。2人の距離感や空気感、草原のくすぐったい感じも伝わってくるから。

子どもの反応

・「おうちを でて、おにわを でて、みちを、どんどん あるいていって…」のところで「えっ!?」「あかんやん!」と言っていた。
・レモネードがわからず、「何?」という声があった。
・普段はこの学年に、と狙いを定めて本を選んでいるが、この本はどの学年でもいけるかもと思った。低学年は妹、高学年は姉、に共感している感じがした。
・「おねえちゃん、ぎゅってしてくれるねん」「お姉ちゃん優しいねん」と後で話しに来る子がいた。
・読む前に「夏休みに読んで、泣きそうになった本です」と紹介したからか、「じ~んときたわ~」と言ってくる子がいた。

気づき

・思っていたよりもずっと集中して聞いていた。
・お姉ちゃんがいる!とか、お兄ちゃんがいる!とか、口々に自分のことを教えてくれようとしていた。
・小学生のころ、妹を連れて近所の図書館へ行っていたことを思い出した。すぐに「疲れた」とか「もう帰りたい」とかって言っていたなあ…と思い出した。
・『はじめてのおつかい』という番組を見てても、お姉ちゃんはしっかりもので、妹は天真爛漫なイメージ。なんでも知ってて、なんでもできるお姉ちゃん。憧れの存在でもあり、お手本でもある。そんなお姉ちゃんがほろりと弱さを見せるところが、何回読んでも胸を打たれる。妹も自分にもできることがあるとわかって急に大人びた感じになる。自分の子ども時代や、子育ての経験とも重なって、大人の方がいろいろ感じる本かもしれない。


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