加藤忠史著『名医』はどこにいる?  を読んで

日本における双極性障害研究の第一人者である、加藤忠史先生の著作『名医』はどこにいる?よい精神科主治医にめぐりあうためにを読みました。

筆者が5年間セカンドオピニオン外来をして、体験したこと、感じたことを書いており、どんな精神科医が『名医』なのかについて言及しています。

筆者がセカンドオピニオン外来をしていて、大半の医師はきちんと診療しているのではないかと感じているようです。(初診から3剤も4剤も処方している医師は問題があると言えるが、そういう医師は非常に少ない。)

「よく説明してくれる医師」が良い精神科医の条件に当てはまりますが、 現在の日本の医療制度では再診にかけられる時間は5分〜10分なので困難であり、欧米と比較した日本の医療制度について言及しています。

どんな精神科医が『名医』なのかについて、治らない・治りにくい疾患も多い精神科診療の中で、「一人ひとり違う薬の組み合わせを考え、必要な精神療法を加えるなど、試行錯誤しながら治療方針を構築し、治療をしていく。この、医師と患者さんとの共同作業ができる医師こそが「よい主治医」ということになるでしょう」「(患者さん自身が)主治医を名医に育てるのだ」と述べています。


私が普段、精神科医として診療を行っていて、継続して通院してくださっている患者さんは、患者さんも相性が良いと感じてくださっている様子です。

私が診察するにあたり、気軽に話しやすい雰囲気作り、自分に関心を持って話を聴く、患者さん本人の立場になって聴く、できれば患者さんだけでなく、支援してくださっている家族も含めて生活を改善できるようにすることを心がけています。

『名医』にはなれないけれど、少しでも患者さんが落ち着いて生活できるように支援できる診療をしていきたいと思います。


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