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23/01/25 (水) 「欧米に続き日本も底堅さ」引け後情報

欧米に続き日本も底堅さ

株価指数等の値動き:

火曜日の欧米株は下落しても底堅さがみられる動きをしていましたが、今日の日本株についても下落スタートから切り返す動きとなりました。
日経平均株価は昨日大きく上昇し節目の27000円を回復しましたが、今日は反落スタートとなるも27000円を維持し、結局寄付き安値の形でそこから上昇し始め、開始してすぐにプラス圏に浮上しました。そこからはやや上値が重い印象もありましたが、後場に入るとギャップを開けてスタートし、180円ほどの上昇となり、そこから上値を広げることはできませんでしたが、後場に入った時の上昇のギャップを埋めてしまう前に大引けとなりました。
マザーズ指数について、昨日は日経平均やTOPIXなどが上昇している中で小幅高に留まっていましたが、今日は日経平均などと同じく朝を安値に上昇していく流れとなり、上昇率もやや大きくなりました。

朝の8時時点では米国株の主要指数先物は上昇していたものの、決算後にプラスの反応をみせていたMicrosoftの時間外取引の株価がその時間から一転下落しており、主要指数先物も日本市場が始まる頃には一部は下落に転じていたりもしていたものの、そんな中でも予想外に強い展開を今日の日本株はみせていました。

東証業種別・市場別指数などの動き:

業種別指数をみてみると、33業種中31業種上昇となり、また今日も引き続き30業種近くが同時に上げる(もしくは下げる)極端な傾向が続いており、4営業日続いての30業種以上の上昇となりました。
昨日下落の大きかった鉄鋼業が今日は再び上昇1位となっていて、その上昇率も2位の海運業と差がありました。一方下落していた2業種は卸売業と銀行業となっています。
東証プライムの値上がり数は全体の62%となっており、値下がりが32%でしたから、業種別指数が軒並み堅調な割には値下がりした銘柄もそこそこあった印象です。
東証プライムの売買代金については昨日は2兆8345億円でその前日より上昇していましたが、今日は2兆5255円とあまり大きくなりませんでした。

その他の主な動き:

今週は低いところで0.40%を下回っていた日本の長期金利(10年債利回り)ですが、今日は0.435%ほどに上昇していました。一方でドル円は日中は130円台を維持しながら動いていました。


コラム:個人でもしっかりと内容の吟味を

ここ最近は投資家をする人の人口も増えており、さらにNISA拡充などをはじめとした資産所得倍増の計画により投資を促進させようという動きも感じるところです。
そのため経済に関する情報を整理するということの重要性も今後増しそうですが、そんな中でこの1ヶ月では日銀金融政策決定会合について色々な情報が飛び交っていました。
きっかけはやはり先月の金融緩和策の修正、そしてそこから広がった次回以降の思惑、一部の報道から広がった警戒、実際の今月の結果、そしてその効果という流れで色々な話が出ました。

まず先月の金融緩和策の修正ではアナリストやコメンテーターなどが「現状維持だろう」という話をし、直前の報道でも「現状維持の見通し」などの記事が出るなどしていたにも関わらずの10年債の上限金利の引き上げがありました。サプライズの形になり株価は大きく下落したものの、そのサプライズを作り出した原因の一つにはこういった楽観視の広がりも繋がっており、振り返れば待ち構える側としても債券市場の機能度などを見ながらしっかりとした吟味が必要だったのではないかという気持ちになります。
そこから次回以降の政策に警戒感が持たれましたが、黒田総裁の会見で伝えた事、たとえば「出口戦略ではない」、「イールドカーブの歪みを直すための修正で、緩和策の効果を高めるため」といった発言を無視したような動き・報道になり、さらに読売新聞オンラインの記事などで一層警戒感が持たれてしまったような印象があります。
また先週の決定会合では「現状維持」という部分ばかりがピックアップされてしまい、「共通担保資金供給オペの拡充」という内容がしっかり伝わっていない印象もありました。その後このオペを実施し、この効果もあってか10年債利回りの低下がみられました。

以前のnoteでもこういったチグハグ感に注意という話をしましたが、そのチグハグ感は指摘したように思惑・報道の内容がズレているからという面もある一方で、日銀の政策の分かりづらさという面も大きそうです。
投資をする個人は必ずしも日銀の会合の内容を見たり発表された資料を細かく見る時間があるわけではないため、混乱が生じないための環境整備というのは大事だと思いますが、それがしっかりするまではなるべく各自で今起きている経済イベントの内容を理解する力をつけるのが理想的なのかもしれません。


明日の注目ポイント

今晩は米国市場で決算の結果を織り込む形となるMicrosoftの値動きが気になるほか、取引時間開始前にはBoeing、終了後にはTeslaの決算発表などほかの決算銘柄の動きについても気にしておきたいところです。
また明日は今年最初の新規IPOの上場が予定されています。


指数・今後の重要イベント

01/25 終値
日経平均株価:27395.01 (+0.35%)
TOPIX :  1980.69 (+0.39%)
マザーズ  :    778.23 (+0.74%)

東証プライム市場指数   :1019.24 (+0.39%)
東証スタンダード市場指数 :1020.95 (+0.47%)
東証グロース市場指数   :  987.87 (+0.93%)
スタンダード市場トップ20:  992.75 (+0.60%)
グロース市場コア     :  942.50 (+0.14%)

東証プライム 売買代金:25255億円


イベント
2023年1月第4週

01/26 (木):米12月新築住宅販売件数
01/26 (木):米12月耐久財受注 速報値
01/27 (金):米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
01/27 (金):配当・株主優待 権利付き最終日

2023年1月第5週/2月第1週
01/31 (火):FOMC(~2/1 日本時間2日早朝にパウエル議長会見予定)
02/01 (水):12月JOLTS雇用動態調査
02/01 (水):米1月ISM製造業景気指数
02/01 (水):米1月ADP雇用統計
02/02 (木):ECB理事会
02/02 (木):英国金融政策委員会
02/03 (金):米1月ISM非製造業景気指数
02/03 (金):米1月雇用統計

2023年2月第2週 (SQ週)
02/10 (金):米2月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年2月第3週
02/14 (火):米1月消費者物価指数
02/15 (水):米1月小売売上高
02/15 (水):米1月鉱工業生産
02/16 (木):米1月卸売物価指数
02/16 (木):米1月住宅着工件数
02/16 (木):米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2023年2月第4週
02/20 (月):ワシントン生誕記念日 米休場
02/21 (火):米1月中古住宅販売件数
02/22 (水):FOMC議事要旨 公表予定
02/24 (金):米1月新築住宅販売件数
02/24 (金):配当・株主優待 権利付き最終日
02/24 (金):米1月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年2月第5週
02/27 (月):米1月耐久財受注 速報値
03/01 (水):債券市場サーベイ 結果発表
03/01 (水):米2月ISM製造業景気指数
03/03 (金):米2月ISM非製造業景気指数

2023年3月第2週 (メジャーSQ週)
03/08 (水):1月JOLTS雇用動態調査
03/08 (水):米2月ADP雇用統計
03/08 (水):ベージュブック公表
03/10 (金):米2月雇用統計
03/12 (日):米 サマータイム開始

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