見出し画像

23/01/17 (火) 「気になる織り込み具合」引け後情報

警戒感の行き過ぎかどうか

株価指数等の値動き:

本日の日本市場は上昇してのスタートとなりました。日経平均、TOPIXはともに朝の寄り付きに上げ幅を急速に広げていき、日経平均は1%を超える上昇、TOPIXも高いところでは1%上昇手前まで上げていきました。
最近は明日の日銀金融政策決定会合を警戒するような動きで海外市場に比べて軟調さが目立っていましたが、その海外の堅調さの中で日本は昨年末(大納会)の日経平均株価の水準すら下回ってしまうほどでした。さすがに直前となって今日は明日の会合の結果次第で戻る可能性の方も気にかけたのか、前場は大きく上昇したわけですが、その後はやはり買いが続かず、しかし上げ幅を縮めることもしないまま膠着感が強く出る形となりました。
一方でマザーズ指数は軟調さが目立ち、日経平均やTOPIXに強い膠着感がみえた後場で下げ幅を拡大する動きが続いたため、4営業日続落となっています。

東証業種別・市場別指数などの動き:

業種別指数をみてみると、33業種中上昇は28業種と上昇が多くなり、東証プライムの値上がり銘柄数も全体の74%と多くなっていました。
下落率トップは昨日に続き銀行業となっており、日銀決定会合への警戒感の行き過ぎというものを直前で一旦整理している面を感じました。
昨日は東証の発表する空売り集計による空売り比率の合計に触れましたが、昨日は49.0%と高くなっていたため、売りのピークを一度つけてしまったような形で今日は逆に43.9%とむしろ40%割れが近い方に一気に傾きました。
ただし後場の膠着感でも見えていた通り売買はそこまで多くなく、東証プライムの売買代金は2兆4622億円となっており、昨日よりも少なくなっています。明日、明後日とどういった値動きをするかには引き続き注意してみておきたいところです。

その他の主な動き:

朝は128円台前半だったドル円でしたが、昼前に一時129円10銭ほどまで円安方向に動く場面があるなど、引き続きボラティリティの高さがみられました。
他アジア市場はやや軟調で、昨日まで9連騰していた韓国KOSPIも今日は下落していました。


コラム:気になる織り込み具合

明日は非常に注目が集まっている日銀金融政策決定会合の結果が発表される予定です。いつも通りならばお昼ごろに結果が出され、株式市場の引け後の15時半頃に黒田総裁の会見がおこなわれる予定です。
(中継はYouTubeの日銀公式のチャンネルでも予定されており、時間は15時半からとなっています)

そのため明日はまず決定会合の結果を昼頃に見て、それを特に後場で消化し始め、その後黒田総裁の会見をみて、そして明後日に繋がるという流れになるものと思われます。
結果発表直後にもし大きく動いたとして、その際はその動きが発表内容のどのような点を受けての動きなのかということを考えた上で、引け後の会見ではそれに合った発言が出てくるのかどうかを見極めたいところです。特に前回では緩和修正という結果に対し出口戦略の1歩を踏み出したという見方が出た動きとなりましたが、その後の会見では「出口戦略を論じるのは時期尚早」として強く否定をするチグハグな結果となっていました。

米国でも9月~10月辺りでは市場の金利上昇ペースと長さに関する楽観的な織り込み方に反してFRB高官のタカ派的な発言というチグハグさを感じる中で株価が荒れていた印象がありましたが、最近では利上げペースの鈍化という点で市場とFed側のムードが一致してきたことが(少なくとも日本より)安定感が出てきたことの一因に感じます。そのため明日の会合以降はチグハグ感がどの程度感じられるのかという点が相場のムードを知る上で大事になっていきそうです。
また堅調な欧米株に関しても同様に今後チグハグ感が出てこないかということは重要で、特に欧州の物価に対する市場の思惑と中銀の姿勢がどうなっているかが次の金融政策の会合の前後で気にすべき点に思えます


明日の注目ポイント

休場明けとなる米国市場では決算発表を受けた動きが注目されます。
またやや軟調だった他アジア市場でしたが、それに続いて今日の欧州株はどうなるかという点も気にしておきたい点です。
日本の市場ではとにかく日銀金融政策決定会合の結果が最大の注目となりそうです。混乱があまり無い事を祈りたいですね……


指数・今後の重要イベント

01/17 終値
日経平均株価:26138.68 (+1.23%)
TOPIX :  1902.89 (+0.88%)
マザーズ  :    721.65 (-0.58%)

東証プライム市場指数   :  979.21 (+0.88%)
東証スタンダード市場指数 :  995.48 (+0.50%)
東証グロース市場指数   :  914.61 (-0.57%)
スタンダード市場トップ20:  975.26 (+0.26%)
グロース市場コア     :  852.43 (-1.69%)

東証プライム 売買代金:24622億円


イベント
2023年1月第3週

01/17 (火):日銀金融政策決定会合(~1/18 18日に会見予定)
01/18 (水):米12月卸売物価指数
01/18 (水):米12月小売売上高
01/18 (水):米12月鉱工業生産
01/18 (水):ベージュブック公表
01/19 (木):米12月住宅着工件数
01/19 (木):米1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
01/20 (金):米12月中古住宅販売件数

2023年1月第4週
01/24 (火):欧米1月PMI 速報値
01/26 (木):米12月新築住宅販売件数
01/26 (木):米12月耐久財受注 速報値
01/27 (金):米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
01/27 (金):配当・株主優待 権利付き最終日

2023年1月第5週/2月第1週
01/31 (火):FOMC(~2/1 日本時間2日早朝にパウエル議長会見予定)
02/01 (水):12月JOLTS雇用動態調査
02/01 (水):米1月ISM製造業景気指数
02/01 (水):米1月ADP雇用統計
02/02 (木):ECB理事会
02/02 (木):英国金融政策委員会
02/03 (金):米1月ISM非製造業景気指数
02/03 (金):米1月雇用統計

2023年2月第2週 (SQ週)
02/10 (金):米2月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年2月第3週
02/14 (火):米1月消費者物価指数
02/15 (水):米1月小売売上高
02/15 (水):米1月鉱工業生産
02/16 (木):米1月卸売物価指数
02/16 (木):米1月住宅着工件数
02/16 (木):米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2023年2月第4週
02/20 (月):ワシントン生誕記念日 米休場
02/21 (火):米1月中古住宅販売件数
02/22 (水):FOMC議事要旨 公表予定
02/24 (金):米1月新築住宅販売件数
02/24 (金):配当・株主優待 権利付き最終日
02/24 (金):米1月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年2月第5週
02/27 (月):米1月耐久財受注 速報値

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?