【深掘り】ジャクソンホール会議の注目点
ジャクソンホール会議とは
ジャクソンホール会議とは、毎年8月下旬に開催されているカンザスシティ連銀主催の経済についてのシンポジウムです。
カンザスシティ連銀が管轄しているワイオミング州の、ジャクソンホールとよばれる地域で開催されることから、「ジャクソンホール会議」とよばれています。
毎年各国の金融機関の代表者ら、経済学者などが参加し、金融政策、経済政策に関しての議論をする場となっています。
毎年議題・テーマが決まっており、今年の議題は
"Structural Shifts in the Global Economy" (グローバル経済の構造転換)
となっています。
コロナパンデミックの後に生じた金融の流れの変化、貿易ネットワークの変化など、また経済政策の急速な変化など、後遺症のように残る長期的な影響について議論されるとのこと。
過去のテーマは、
2022年 "Reassessing Constraints on the Economy and Policy"
2021年 "Macroeconomic Policy in an Uneven Economy"
2020年 "Navigating the Decade Ahead: Implications for Monetary Policy"
2019年 "Challenges for Monetary Policy"
などなど……
毎度注目されるのはFRB議長の講演で、今年のジャクソンホール会議では25日(金)の日本時間午後11時頃にパウエル議長の講演が予定されています。
ほかにもECBのラガルド総裁の講演などの注目点もありますが、ここではFRB議長の講演についての話をまとめます。
なぜ注目されるか
ジャクソンホール会議は毎年のように株式相場などの金融市場において非常に注目されるイベントになっています。
その主な理由は、過去にこの場でFRB議長が金融政策に関し重要な発言をし、マーケットが大きく反応した過去があるためです。
一番有名なのはおそらく2010年の会議において、当時のバーナンキFRB議長が量的緩和策第二弾を示唆した出来事です。
2008年のリーマンショック時に導入した量的緩和策に続く緩和策を示唆したことから、その後しばらくの株式市場の上昇を促す結果となりました。
昨年、一昨年のジャクソンホール会議
昨年のジャクソンホール会議への"期待"
まずは昨年、2022年のジャクソンホール会議を振り返りましょう。
この時のパウエル議長の講演後、株価は大幅安に。
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