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23/02/03 (金) 「27500円で迎える雇用統計」引け後情報

27500円で迎える雇用統計

株価指数等の値動き:

木曜日の米国ではNASDAQが3%高と大きく上昇した一方でNYダウは小反落、また取引終了後のApple、Alphabet、Amazonは冴えない決算となり時間外で大きく下落していました。また雇用統計も控えており、読みづらい今晩の相場を前にした中、日経平均株価は上昇でスタートしたあと27500円付近で序盤から揉み合いをし、それをこなすとさらに上げ幅を拡大、27600円も突破する動きをみせました。ただそこで動きが鈍くなると今度は上げ幅を縮め、27500円の水準に落ち着くと後場はそこで強い膠着感が出ました。大引けの少し前はこの水準を少し下回っていましたが、大引けで買われたため27500円を超えて終える形となりました。終値として27500円を超えるのは12月16日以来となります。
一方でマザーズ指数はNASDAQの大きな上昇の反面、今晩のGAFAM決算の反応などを気にしてか上昇は鈍く、後場ではマイナス圏に転じて大引けまでそのまま小幅なマイナスで終える形となりました。

東証業種別・市場別指数などの動き:

業種別指数をみてみると、33業種中10業種上昇となり、前日、前々日に続いて下げた業種の方が多くなり、また東証プライムの値上がり数よりも値下がり数の方が多い状態が続きました。
上昇した業種のうち、特に上昇が大きかったのは海運業で、本日は日本郵船と川崎汽船の決算発表がありました。川崎汽船は増配などを好感されて上昇した一方、日本郵船は配当は据え置きなどで下落していました。
売られた業種のトップは鉱業でした。米国市場でも原油先物の下落とともにエネルギーセクターが大きく下落していました。

その他の主な動き:

東証プライムの売買代金は久々に3兆円越えとなりました。今年売買代金が3兆円越えになったのは1月18日の日銀会合があった日で32776億円、また1月13日が34556億円の2日が3兆円越えでした。
最近は動きが鈍い状況が続いていますが、決算発表によって個別物色が目立つためか売買代金は割と大きめになっています。


コラム:決算後の反応

昨年は急速な利上げ、ウクライナ問題などと激動の年といえそうな1年になりました。そのため最近の決算をみると、普段は成長の大きい企業において成長の鈍化がみられます
当然前年よりも厳しい決算内容になるとは想定しやすいため、減益や減速感自体はサプライズになりにくいとはいえ、それでも内容の割には株価の反応が堅調になるものが多くありました。
代表例として先月決算を発表した米国のMicrosoftをみると、発表後の取引では安いところで230.90ドル(前日は242.04)となったものの、結局当日中に値を戻し前日を上回る場面もあり、翌日には248.00ドル、昨晩終了後は264.60ドルとなっており、わずか1週間少々で15%程株価が上昇しています。
昨年の値下がりを以ての底打ち期待とともに最近の欧米の相場が非常に楽観的で上昇しやすかったという面もありそうです。
この傾向は日本でも見られ、例えば昨日引け後に決算発表をした村田製作所は減益や業績下方修正がありながらも本日の株価は大きく上昇して始まりました。

元々株式市場とはそういうものとはいえ、最近は特に今後の先行きについて不透明感がありながらも先に先にと動こうとし、想像以上に市場全体が大きく動いてしまっている印象のある欧米市場です。
そんな中で動きが極端に少ない日本市場ですが、その理由として日本はまだ物価高の最中にいる上に、金融緩和を今後どうするかという点にも不透明感があるからというのが理由に挙げられそうです。

長い目でみたとき、まずはこの欧米を中心とした市場の楽観視が本当に正しいのかという点(つまりインフレが落ち着き、金利上昇も近いうち止まり、今後企業業績は思ったほど悪くならないのか)をしっかり確認しながら過ごし、日本に関しては日銀の動きが例年以上に大事になりそうなため、(日本の金融政策は非常に分かりづらいため)知識を深めておきたいところです。


来週の注目ポイント

今週に比べると来週のイベントは少なくなっています。
一方で米国も決算発表がありますが、日本も決算発表が非常に多く、来週金曜日は特に600件以上あるそうです。
またグロース市場の人気銘柄などはその翌週の13日、14日に集中している傾向があります。
また日銀人事がそろそろ出る頃だと思われますので、それを警戒する動き、さらに決まった後にどう動くかも少し想定しておきたいところです。
月曜日に関しては今晩の米国の動きがどうなるかが気になりますが、冴えない決算内容だったApple、Alphabet、Amazonなどの動き、そして雇用統計を受けた全体の動きがどうなったかを週明けにチェックしたいと思います。
特に今日は上値として非常に意識されていた27500円に乗っかって終えた形なので、ここから下に行くか上に行くかというのは2月の相場の中でも大事になるかもしれません。


指数・今後の重要イベント

02/03 終値
日経平均株価:27509.46 (+0.39%)
TOPIX :  1970.26 (+0.26%)
マザーズ  :    783.75 (-0.19%)

東証プライム市場指数   :1013.91 (-0.36%)
東証スタンダード市場指数 :1022.87 (-0.22%)
東証グロース市場指数   :  993.61 (-0.21%)
スタンダード市場トップ20:  992.22 (-0.72%)
グロース市場コア     :  969.82 (-0.15%)

東証プライム 売買代金:32174億円


イベント
2023年1月第5週/2月第1週

02/03 (金):米1月ISM非製造業景気指数
02/03 (金):米1月雇用統計

2023年2月第2週 (SQ週)
02/10 (金):米2月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年2月第3週
02/14 (火):米1月消費者物価指数
02/15 (水):米1月小売売上高
02/15 (水):米1月鉱工業生産
02/16 (木):米1月卸売物価指数
02/16 (木):米1月住宅着工件数
02/16 (木):米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2023年2月第4週
02/20 (月):ワシントン生誕記念日 米休場
02/21 (火):米1月中古住宅販売件数
02/22 (水):FOMC議事要旨 公表予定
02/24 (金):米1月新築住宅販売件数
02/24 (金):配当・株主優待 権利付き最終日
02/24 (金):米1月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年2月第5週
02/27 (月):米1月耐久財受注 速報値
03/01 (水):債券市場サーベイ 結果発表
03/01 (水):米2月ISM製造業景気指数
03/03 (金):米2月ISM非製造業景気指数

2023年3月第2週 (メジャーSQ週)
03/08 (水):1月JOLTS雇用動態調査
03/08 (水):米2月ADP雇用統計
03/08 (水):ベージュブック公表
03/10 (金):米2月雇用統計
03/12 (日):米 サマータイム開始

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