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23/02/02 (木)「FOMC直後はやや楽観」寄り前情報

FOMC直後はやや楽観

FOMCの結果

本日未明にFOMCの結果が出て、市場で想定されていた通り25ベーシスポイントの利上げに決まり、これによってFF金利の誘導目標が
4.50%~4.75%
となりました。

その後、今後のスタンスを見る上で繋がりそうな材料としてパウエル議長の発言として注目されたのは、「継続的な利上げをすることが適切」と主張していたことで、これを受け少なくとも次の3月会合では利上げ停止にはならなそうだという受け止めになりそうです。ただFedWatchをみる限り、市場もそれに関しては既にその方向で織り込みを進めていました。
労働市場に関しては賃金の伸びの鈍化の兆候などにも言及しながらも「The labor market continues to be out of balance(労働市場は未だ不均衡)」としていました。
質疑応答の中でも「It is a good thing that the disinflation that we have seen so far has not come at the expense of a weaker labor market(現時点のインフレ後退が労働市場が弱まることなく進んでいることは良い事)」としながらも、”モノ”のインフレはサプライチェーンの改善や需要が戻ったことにより低下をみせているが、住宅を除くコアの"サービス"が未だ強いことを懸念していました。
以前(先月末)も有名なFedウォッチャーであるニック記者が「パウエル議長は住宅を除くコアサービスの指標を特に注視している」とツイートしたばかりでした。

またその後の発言として「We can now say for the first time that the disinflationary process has started.(ディスインフレがもう始まったと今回初めて主張できる)」とし、これを市場ではハト派発言として捉えられたようです。ただしやはり"core services ex-housing"が未だ強すぎることを懸念しており、これに言及する場面が何度もみられました。

米国株主要三指数の値動き:

FOMCの結果が出る前にはADP雇用統計、12月雇用動態調査、米1月ISM製造業景気指数などの経済統計が出ました。
まずADP雇用統計では前回や市場予想を大きく下回り(とはいっても毎回のようにやたらとブレのある指標ですが)、ISM製造業景気指数は前回、そして市場予想より弱く47.4ポイントとなり、節目の50ポイントを下回った状態が続いています。雇用動態調査では求人件数が市場予想より増加しており、労働市場の逼迫感が未だに続いているとみられる指標となりました。

ただ主要三指数はFOMCの結果を前にしてあまり動かず、前日終値より低いところで横ばいを続けたままFOMCの結果を待つ形になりました。実際に結果が出ると、NYダウは一時200ドル以上上昇しましたが、終了前には上げ幅を縮め、前日終値付近で終了しました。一方長期金利の急落を受けてかNASDAQやS&P500は上昇を維持したまま終了し、NASDAQは2%高、S&P500も1%高となっています。

S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中エネルギーセクターを除く10業種が上昇となっています。
情報技術、一般消費財、コミュニケーション・サービスといったハイテク系を多く含むセクターが並んでこの日の上昇の上位となっていました。
一方WTI原油先物の低下を受けてかエネルギーセクターの下落もやや大きめになっていました。

その他の主な動き:

ドル円は一時128円半ば付近まで円高方向に動きました。現在は129円手前付近で動いており、前日昼頃よりも1円以上円高に寄った状態となっています。
米長期金利は低下しており、10年債利回りは一時3.4%を下回る場面もありました。
金利の低下のほかに前日に決算発表を終えたAMDの上昇もあってか、半導体関連セクターは揃って大きく上昇したものが多く、フィラデルフィア半導体指数は5%以上の急騰となりました。


今日の注目ポイント

Metaの決算発表が取引時間終了後にあり、時間外取引では8:00時点で18%を超える急上昇となっています。
今晩の米国株の取引時間終了後にはApple、Amazon、Alphabetといった残るGAFAM決算が控えており、また欧州でも金融政策発表があるため、依然材料が豊富になっています。
金曜日には雇用統計もあり、これらをどう構えるかを考えながらの木曜日、金曜日の相場となります。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 34092.96 (+0.02%)
S&P 500 : 4119.21 (+1.05%)
NASDAQ:11816.32 (+2.00%)

イベント
2023年1月第5週/2月第1週

02/02 (木):ECB理事会
02/02 (木):英国金融政策委員会
02/03 (金):米1月ISM非製造業景気指数
02/03 (金):米1月雇用統計

2023年2月第2週 (SQ週)
02/10 (金):米2月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年2月第3週
02/14 (火):米1月消費者物価指数
02/15 (水):米1月小売売上高
02/15 (水):米1月鉱工業生産
02/16 (木):米1月卸売物価指数
02/16 (木):米1月住宅着工件数
02/16 (木):米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2023年2月第4週
02/20 (月):ワシントン生誕記念日 米休場
02/21 (火):米1月中古住宅販売件数
02/22 (水):FOMC議事要旨 公表予定
02/24 (金):米1月新築住宅販売件数
02/24 (金):配当・株主優待 権利付き最終日
02/24 (金):米1月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年2月第5週/3月第1週
02/27 (月):米1月耐久財受注 速報値
03/01 (水):債券市場サーベイ 結果発表
03/01 (水):米2月ISM製造業景気指数
03/03 (金):米2月ISM非製造業景気指数

2023年3月第2週 (メジャーSQ週)
03/08 (水):1月JOLTS雇用動態調査
03/08 (水):米2月ADP雇用統計
03/08 (水):ベージュブック公表
03/10 (金):米2月雇用統計
03/12 (日):米 サマータイム開始

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