見出し画像

(9/22 18:00分)「日本は底堅さ」引け後情報

日本は底堅さ

まず米国株はFOMC後のパウエル議長の会見中は上げたり下げたりを繰り返していましたが、会見が終わった後は引けにかけて下落が大きくなってしまいました。これを受けての日本市場はやはり下落し、日経平均株価は節目の27000円を一時割り込む場面がありました。27000円を割り込むのは7月19日以来となります。ただその後は下げ渋って下げ幅を縮めていきました。昼頃には日銀決定会合の結果が出て、大規模金融緩和の維持が発表され、ドル円はその直後に大きく上げ下げをしました。
後場もある程度下げ幅を縮小していき、最後の1時間ほどは膠着感がありました。後場の途中では神田財務官が報道陣向けの取材に応じ、為替介入に関して「スタンバイの状態」と述べたという報道もありましたが、為替への影響はそこまで大きくありませんでした。
結局日経平均株価は0.58%安と米国株の下落と比較して底堅さをみせて終え、TOPIXは0.24%安とそれよりもより底堅さをみせました。
昨日下落の大きかったマザーズ指数は7月下旬以来となる一時節目の700ポイントを割り込みとなりましたが、そこから切り返す動きをみせ、プラス圏に浮上し、そのまま0.32%と小幅ながら上昇して終えました。

これで先週金曜日と比較して日経平均株価は413.82円安(1.50%安)となります。先週も大きく下げたために、2週合わせて1000円以上の下落となっていますが、兎にも角にもFOMCという重要イベントを通過した今後の動きを考えていきたいところです。

タカの中のハト

今回のFOMCにおける景気見通し、金利見通しなどを含むFRBの出している資料(SEP)はこちら(FRBのホームページ)の「Projections (PDF)」からみられます。
その資料における4ページ目がいわゆるドットチャートとなっていますが、これをみると、まず2024年末の金利見通しについてはバラバラであることがわかります。そもそも今回のSEPにおいてGDPの見通しなども下方修正しており、2年後に実際の景気がどうなっているかを予測し、そこから金利の
見通しを立てるのは難しく、さらにいえば毎年FOMCで投票権をもつメンバーも変わるため、バラバラになるのも当然と思えます。
注目すべき点はやはり今年の年末の見通しと来年末の見通しです。
今回はその中でも2022年末の見通しについてみていきます

今年の年末の見通しをみると、4.25%を境に、それより上に10人、それより下に9人のドットがあります。
朝のnoteでも述べましたが、仮に11月のFOMCが75ベーシス、12月のFOMCが50ベーシスの上昇となった場合のFF金利の誘導目標が4.25%~4.50%ですから、これを考えると現時点での11月のFOMCにおける利上げ幅はやや75ベーシスが支持されていながらも拮抗というように見えます。

今後の11月のFOMCにむけて気になる動きとしてはやはり雇用統計などからみえる労働市場の需給の改善が進んでいるかという点、そしてPCEやCPIなどからみえるインフレ率はもちろんのこと、FRB高官発言でどのような種類の言葉が出てくるのかという点も気にしておきたいところです。
とはいってもインフレと対峙する姿勢をみせているパウエル議長と真反対の立場を主張するのを避けるために、言葉を選ぶということは考えられますが、中にはいるはずの4.25%の下にドットを打った9人がどういった考えをもち、11月にかけて主張が変わらず維持されるかという点、同じく上にドットを打った10人の考えが変わるかという点に注目です。
この主張の移り変わりが年内の金利が最終的にどうなるかという点において重要になりそうに思えます。
11月にかけてはFRB高官発言、特に投票権をもつメンバーの発言を逐一メモをしてリスト化してみると面白いかもしれません。

来週の注目ポイント

来週の注目点としてはまず水曜日が配当・優待の権利付き最終日であることです。3月期決算の中間配当が集中しますので、これを踏まえた水曜日とその前後の売買が気になるところです。
また、FOMCを通過したばかりでさっそく約1週間後の金曜日にはPCEの発表があります。その中でもインフレ指標となるPCEデフレーターの内容に注目したいところです。

指数・今後の重要イベント

9/22 終値
日経平均株価:27153.83 (-0.58%)
TOPIX:1916.12 (-0.24%)
マザーズ:712.50 (+0.32%)
スタンダード市場TOP20:934.36 (-0.59%)
グロース市場Core:820.35 (-0.13%)

イベント
9/23 (金):秋分の日 日本休場
9/23 (金):米9月PMI 速報値
9/27 (火):米8月耐久財受注
9/28 (水):配当・株主優待 権利付き最終日
9/30 (金):米8月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?