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23/03/30 (木) 「株式市場を見る上で重要な4月のイベント」引け後情報

要点まとめ

  • 権利落ち日のための下落、落ち分を加味すればやや堅調な終値

  • ただ欧米の堅調さの割に指数が落ち分と同等の下げになる時間も

  • 明日は3月最終営業日、欧州の反発の勢いもここまで大きい

配当落ち分をカバーした欧米株高の雰囲気

株価指数等の値動き:

配当・優待の権利落ち日となった本日の日本市場ですが、まず日経平均の配当落ち分が約250円とされていた中、開始直後は欧米株が堅調に終えていた影響もあり、配当落ちを加味しなくともプラスになっている銘柄が多い時間がありましたが、前場では下げ幅を広げていき、日経平均株価は安いところで250円安以上となる場面もありました。
そのまま安いところで膠着感が出ていましたが、大引け前になると下げ幅を縮める動きが大きく出て、日経平均は約100円安となり、権利落ち分を考えれば堅調な動きとなりました。
一方配当や優待の無い銘柄が多いグロース市場はプラス圏を中心に動いていましたが、他市場と同様にじわじわと上げ幅を縮めていき、一時はマイナス圏に転じました。
ただこちらも大引け前に戻す動きもみられ、小幅高で取引時間を終えました。

東証業種別・市場別指数などの動き:

業種別指数をみてみると、33業種中5業種上昇でした。
今日は権利落ちの影響で下落している業種が多くなっています。
東証の発表した本日の空売り比率の合計は45.9%となりました。

その他の主な動き:

一昨日は円高方向に、昨日は円安方向にじわじわと日中に動いていたドル円でしたが、今日は比較的動きが少ない一日でした。
10時半頃から始まった上海総合指数や香港ハンセン指数は、開始直後はプラス圏だったもののすぐにマイナスに転じましたが、日本の取引時間終盤頃に下げ幅を大きく縮めてプラス圏に転じる動きがありました。この時間で日本株も下げ幅を縮めていました。


コラム:株式市場を見る上で重要な4月のイベント

来週からは4月相場入りとなるため、その前に4月のイベントを整理したいと思います。

4月第1週ではISMの製造業、非製造業の景気指数がでるほか、金曜日には雇用統計が発表されます。
注意点として、金曜日の雇用統計の発表日は米国ではグッドフライデーで祝日となることです。

4月第2週になるとCPIの発表がありますが、同日には先日のFOMCの議事要旨の公表が予定されています。金融不安が広がっていたために利上げ停止についても議論がされたということもあって、いつも以上にその内容に注目が集まりそうです。
他にもミシガン大消費者信頼感指数の速報値、小売売上高などの発表もあります。米国の前週のISM景気指数の反応の度合いによっては、続くこれらの景気指数の重要さも変わってくると思います。
また米国で金融業の決算発表なども出てくるため、ここで再び相場が不安定になったりしないかを注意するため、普段はあまり気にしないような地銀の決算などに対する市場の反応をチェックしたいところです。

第3週では4月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数が出ます。最新の景気指数ですから、先程と同様景気指数への注目度を見つつ気にしたい指標です。またこの週の週末から5月FOMCに向けてのブラックアウト期間に入ります。また米国の主要企業の決算発表が増えてくる時期です。

第4週では日本で植田総裁としての最初の金融政策決定会合がありますので、日本市場としては大変注目を集めることになりそうです。
さらには米国に続いて日本でも主要企業の決算が増えてくる時期です。
5月の初週の後半はゴールデンウィークで日本は休場となる上、その間にFOMC、ECB理事会、雇用統計など様々なイベントがあるため、翌週は非常に動きづらくなるということを意識しながら過ごしたい1週間にもなります。
そのため大きなイベントで持ち越したくないと考える場合は、第3週までの間に大体の方針を決めておく方がいいかもしれません。


明日の注目ポイント

明日は3月最後の営業日となります。引き続き普段とは違う需給になる可能性も頭に入れつつ過ごしたい1日です。今晩は連銀総裁の発言が相次ぎますので、その反応にも注目です。

明日の夜には米国でPCEデフレーターの発表もあるため、注目が金融不安に集中してしまっている中、物価動向に対して金利がどれだけ反応するのかを確かめたいところです。


指数・今後の重要イベント

03/30 終値
日経平均株価:27782.93 (-0.36%)
TOPIX :  1983.32 (-0.61%)
マザーズ  :    747.46 (+0.13%)

東証プライム市場指数   :1020.43 (-0.61%)
東証スタンダード市場指数 :1045.73 (-0.61%)
東証グロース市場指数   :  961.09 (+0.09%)
スタンダード市場トップ20:  977.88 (-0.92%)
グロース市場コア     :  900.76 (-0.86%)

東証プライム 売買代金:29680億円


イベント
2023年3月第5週

03/31 (金):米2月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年4月第1週
04/03 (月):米3月ISM製造業景気指数
04/04 (火):2月JOLTS雇用動態調査
04/05 (水):米3月ADP雇用統計
04/05 (水):米3月ISM非製造業景気指数
04/07 (金):米3月雇用統計
04/07 (金):グッドフライデー 米休場

2023年4月第2週(SQ週)
04/12 (水):米3月消費者物価指数
04/12 (水):FOMC議事要旨公表
04/13 (木):米3月卸売物価指数
04/14 (金):米4月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
04/14 (金):米3月小売売上高
04/14 (金):米3月鉱工業生産

2023年4月第3週
04/18 (火):米3月住宅着工件数
04/19 (水):ベージュブック公表
04/20 (木):米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
04/20 (木):米3月中古住宅販売件数

2023年4月第4週
04/25 (火):米3月新築住宅販売件数
04/26 (水):米3月耐久財受注 速報値
04/26 (水):配当・株主優待 権利付き最終日
04/27 (木):日銀金融政策決定会合(~4/28 28日に会見予定)
04/28 (金):米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年5月第1週
05/01 (月):米4月ISM製造業景気指数
05/02 (火):3月JOLTS雇用動態調査
05/02 (火):FOMC(~5/3 日本時間4日早朝にパウエル議長会見予定)
05/03 (水):米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (水):米4月ADP雇用統計
05/03 (水):憲法記念日 日本祝日
05/04 (木):ECB理事会
05/04 (木):みどりの日 日本祝日
05/05 (金):米4月雇用統計
05/05 (金):こどもの日 日本祝日

2023年5月第2週(SQ週)
05/10 (水):米4月消費者物価指数
05/11 (木):米4月卸売物価指数
05/11 (木):英国金融政策委員会
05/11 (木):MSCI定期見直し公表 (日本時間12日 リバランス発生は月最終日)
05/12 (金):米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年5月第3週
05/16 (火):米4月小売売上高
05/16 (火):米4月鉱工業生産
05/17 (水):米4月住宅着工件数
05/18 (木):米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
05/18 (木):米4月中古住宅販売件数

2023年5月第4週
05/23 (火):米4月新築住宅販売件数
05/24 (水):FOMC議事要旨公表
05/26 (金):米4月耐久財受注 速報値

2023年5月第5週
05/29 (月):配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (月):メモリアルデー 米祝日
05/31 (水):ベージュブック公表

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