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受験秀才などの正解病について

正解病

正解病とは、正解があると思い込むことで仕事に支障をきたす、日本の大学生・社会人によく見られる思考や行動の傾向です。

正解病には思考停止、待ち体質、創意欠如、過剰調査、早い諦め、無発言、短絡思考、失敗忌避、権威追随、批判喪失、規則追従、仮説下手、応用力欠如、胆力不足、手抜き気質などがあります。

正解病の原因には、環境要因と個人要因があります。環境要因としては、

インターネット環境が「どこかに正解がある」という固定観念を持ちやすくする

日本の義務教育が「正解を当てる」という学習方法に偏っていること

があるといわれています。

また日本のテレビはGHQの方針でクイズ番組が取り入れられ好評を博しました。そのクイズは必ず正解がある問題が出題されています。

伊東乾教授は、東京大学に入ったけれども、社会に出てから失敗するような学生たちを見てきたと述べています。
その原因として、彼らが「正解のない問題」に対処する能力が低いことを挙げています。
彼らは、受験勉強で培った「問題と模範解答」を求める思考パターンから抜け出せず、自分で考えることや創造することが苦手だと指摘しています。
伊東教授は、このような学生たちに対して、「過剰適用」という病にかかっていると診断しています。
「過剰適用」とは、ある特定の状況で有効だった方法やルールを、他の状況でも適用しようとすることです。

個人要因としては、リスク意識の高さ、短絡的な効率化発想、依存心の強さ、ストレス耐性の弱さなどが挙げられます。

伊東乾教授は、この病を治すためには、「正解のない問題」に挑戦することや、「自分で考えること」を楽しむことが必要だと提言しています。

2019年度日本認知科学会第36回大会
OS13-1
   正解のない問題に対処する方法を考える意義
Why you should conduct research on the methods to cope with problems without the correct answer.
https://www.jcss.gr.jp/meetings/jcss2019/proceedings/pdf/JCSS2019_OS13-1.pdf

正解病類似

先生病(誰かに教えてもらわないとできない)
検索病(検索して見つからないとできない)
事例病(事例がないと決められない)
受け身症候群(常に受け身で仕事をする)
指示待ち体質(誰かに言われるまで自分から行動しない)
失敗回避体質(失敗しそうなことを片っ端から回避する)
創意喪失(自分で創意工夫して考えることをしない)
Bot病(決まったパターンに従うだけのBotみたいな仕事しかできない)

問題について

野口悠紀雄は、受験秀才が実社会で活躍できない理由を受験秀才は、問題が与えられて答えを出すことに長けているが、自分で問題を見つけて解決することができない指示待ちだと著作で主張しています。

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