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乳の食文化と遺伝

乳製品について興味深い歴史のお話です。

新石器時代からある乳製品食文化

最近新石器時代のチーズとか哺乳瓶とかが発見されています。

実は新石器時代にはまだ人類は乳をそのまま飲めませんでした

乳をそのまま飲める乳糖耐性は新石器時代以降に、ごく一部の民族の遺伝変異により獲得された形質なのです。

変異がおこったのはおおよそ7000年前と推定されており、 北アフリカの牧畜民でも同じ変異が見つかっているので起源は北アフリカとされます。 その後急速に広まり、 ヨーロッパではこの変異を持つ人たちが大多数となったのでしょう。 7000年前ですからざっと350世代前です。 自然選択が働くと有利な遺伝子が残るいい例です。 サハラ砂漠以南のアフリカ人では同じ領域ながら異なる変異がみられます、 -14010Cです。これらすべての変異は機能的にラクターゼ持続症をおこしうることが 実験的に示されています。 すなわち、牧畜民の間ではこの変異を有すると生存に有利となり、 急速にこの変異が広まったと考えられます。 ヨーロッパでひとつの変異しか見つかっていないので、 あるグループが遊牧しながら移動した結果が、 今のヨーロッパ人の祖先ということとなるでしょう。 農耕を主な食料源としたアジア系ではこのどちらの変異も頻度は非常に低く、 ラクターゼ持続症も少ないです。 一部においてはアジア系でもラクトース持続症は見られ、 さらに新たな変異が検出されています。 その由来は不明

乳糖不耐症そしてラクターゼ持続症https://web.archive.org/web/20150522011959/http://humgen.lab.nig.ac.jp/inoueColumn_01.php

乳糖を消化できない乳糖不耐性の人の割合と反対に消化できる人の割合です。

哺乳類は成熟すると乳糖が消化できなくなり以降腸内細菌が消化する

昔は乳糖不耐は病気のように思われていましたが、実は哺乳類としては正常であり多数派であることがわかりました。
約1リットル/回程度なら腸内細菌が消化してくれるそうです。

牛乳がわかる Q & A
https://web.archive.org/web/20130309101601/http://www.j-milk.jp/tool/kiso/berohe0000004ak6-att/berohe0000004axe.pdf

https://web.archive.org/web/20200923030217/https://matome.naver.jp/odai/2139818219046199101



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