太平洋戦争前の大正時代に流行った日米未来戦記と戦争直前に敗戦予想3調査結果についてまとめてみます。
大正時代の日米未来戦記の流行
明治末から大正にかけて、黄禍論の流行により、アメリカの日本人移民へ向けられた悪意などから日米の関係が悪くなり将来日米が戦争をするという日米未来戦記が流行しました。大空襲も予想されていました。代表的な作品がへクター・C・バイウォーター”The Great Pacific War”『太平洋大戦争』です。
大正期における日米未来戦記の系譜 上田信道
「児童文学研究」第29号(1996.11.1 日本児童文学学会)
https://nob.internet.ne.jp/note/note_2.html#mokuji
へクター・C・バイウォーター”The Great Pacific War”『太平洋大戦争』
本書は邦訳も何種類もでて当時大ベストセラーとなりました。元ネタはバイウォーター自作の小説ではない研究本"Sea-power in the Pacific : a study of the American-Japanese naval problem"です。
”The Great Pacific War”の内容は以下のとおりです。
山本五十六はバイウォーターを訪問したことがあるようです。そのせいで山本は、この本にないパールハーバー奇襲という作戦に固執したのかもしれません。
大日本帝国の日米戦シミュレーション
三つの調査があります。その結論は大日本帝国の敗戦でした。ですがなぜかその結論自体否定されています。
新庄健吉「 米國の國力調査 」 「 第一次報告書 」
ハルノートへの回答遅延にもかかわる新庄健吉が単独でまとめた調査です。
秋丸機関 『英米合作経済抗戦力調査』
この調査結果は謄写本を全て焼却せよとなっていましたが、なぜか報告書が残存しているのが発見され、今は東大で公表されています。
総力戦研究所 予想
総力戦研究所による机上演習の報告会についてです。