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身体イメージとスキル習得

はじめに
 人生はスキル習得そのものともいえるにもかかわらず、研究があまり目立たないスキル習得法。なので、まとめてみました。



人間のスキル習得特性

1 五感以外の感覚

スキル習得にあたって五感以上に重要な感覚があります。それが深部感覚である固有受容覚 と筋感覚 です。これにより身体の動き・位置、力加減を感覚し思いどおりに身体を動かしています。

また、脳は手に持った道具を身体と認識しています。

2 小脳の学習

「わざ」は小脳で以下のとおり学習されます。

小脳の学習メカニズムを、次のようなたとえ話で解説してみます。教室に、先生とたくさんの生徒がいるところを想像してください。この場合、先生は、脳の大部分を占める大脳で、生徒が小脳です。先生は始め、たくさんの生徒(図2の赤い枠で囲った部分)にまんべんなく教えていますが、次第に、まともな答えを出す生徒(図2の青い部分)の周辺に、的を絞って教えるようになります。最終的に、他の生徒は居眠りをし、先生までが休んでも、一部の生徒(青い部分)だけで答えを出せるようになります。緑の曲線で示した活動は、先生からの教え(赤い曲線)を差し引いて、青い部分の生徒たち自身が出した答えを反映していると考えられます。面白いことに、先生は正解を教えるのではなく、生徒の間違い(誤差)を指摘するだけです。「わざ」の修得は、このような「淘汰」の結果

「わざ」の記憶は小脳で  今水寛・宮内哲
(科学技術振興事業団川人学習動態脳プロジェクト・
郵政省通信総合研究所関西先端研究センター知覚機構研究室)

このように失敗した時のことを自覚して練習を重ねるべきのようです。

https://twitter.com/motoyam54617946/status/1294764470300893184?ref_src=twsrc%5Etfw

早い速度で運動すると感度が鈍るので動作ゆっくりするほうがよいようです。

3 小脳の内部モデル

小脳でスキルができるよになるとそこに「内部モデル」が作成されます。

「心の中の身体」一つだけできるのではなく、手足や目線などで複数できます。

4 トランス

 人間は通常歩行などやり慣れた動作を無意識にしています。これがトランスです。

イデオモーター:観念運動  模倣、予測

 トランスが顕著になっているのが催眠状態です。これをイデオモーターといいます。例えば、振り子、Oリング、ダウンジング、こっくりさんなどがそうです。トランスは、内部モデルに類似し、言葉で呼びかけると動いてくれます。ただしこの答えは正解ではありません。模倣・予測したものなどを現しているのです。
イデオモーターは無意識になされる予測と模倣により構成されています。

イメージトレーニングは模倣が入り口となります。

5 意識・言語はスキルを妨げる

意識、言語、内言などは運動・スキルを妨げます。

6 できるようになった後に感覚できるようになる

 バイオフィードバックでは動かせるようになった後に感覚できるようになることが知られています。

biefeedbackの実験事実からわかってきたことは,こうした意識しにくい「内的」な過程が実はある程度感じとしてつかめ〔知覚でき〕意識できるようになるということであり,しかも,それは,そうした過程をある程度制御できるようになった,その後で意識できるようになる、そして,それがまた次の動きに影響するのだが,「意識できるから制御できる」「知覚した情報によって動きが生じる」という常識的考えが破綻したことは事実

運動・動作・行動の流れの中の「意志」と意識 : 状況理論に向けて(動作の探究)

https://ci.nii.ac.jp/naid/110004042805

効率的スキル習得方法

モデリング

人間の模倣を利用して昔から3年間の見取り稽古などスキル習得法があります。現代ですと動画を利用する「モデリング」が新たに実践されています。

初心者をずっと見ているとエキスパートも下手になる事が知られていて、モデルは世界で最高であるのが理想的です。

インターリーブ

あなたの練習というもののイメージはどういうものでしょうか。多くの方は一つの練習方法を変化なしで、ずっと続ける方がスキル習得ができると思いがちです。

ところが実験をしてみると以下のようにいろいろことがわかってきました。

○ インターリーブ

これは関連はあるが異なる学習をランダムに行う方が一つの方法を集中して行うより効果的であるというものです。

○ 少しずつ変えること

○ 休憩時間に習得していること

実は練習中ではなく休憩中習得しているそうです。そしてひんぱんに休憩したほうがいいそうです。

https://www.riken.jp/press/2011/20110615/index.html

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/50/9/50_631/_pdf

○ 少しずつ忘れること
スキル習得は習得して少しづつ忘れたほうがよいようです。

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