救い

首はいつもくらい穴の底を覗いており

気がつくと自分もその底に吸い込まれる

そこは誰も居なくて光は遠く頭上に小さく見える

どこからか冷たい風が吹くそこは静かだ

誰も傷つけには来ないし 傷つけることもない

登ろうという気持ちは起きない

あらゆる種類の欲望や愛着を導入しようと試みるが

ここに来る道々に落としている

しばし座り込んで目を閉じる

目を閉じた時にしか感じられない光がある 

得られない力がある

むしろそこにしか救われる道はない

救いのないところに落ちる人間など居ない

暗闇に目が慣れると

そこかしこで血だらけの手で這い登ろうとする人達がいる

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