見出し画像

トランスジェンダリズム関連の質問に対する日本共産党の一連の対応

 11月4日付で「『日本共産党への公開質問状』に対する日本共産党中央委員会からの回答」というnoteを投稿し、Twitterで様々なご意見・ご感想をお寄せいただきました。ご協力いただいた皆様に改めてお礼申し上げます。

 皆様からお寄せいただいたご意見の通り、私の質問には実質的にはほぼ回答していただけなかったという気持ちがありますが、日本共産党中央委員会には取り急ぎ返信に対するお礼のみ行い、後日改めて、問い合わせや意見提出を続けていきたいと思います。

********************

 併せて、作家の笙野頼子さんが日本共産党に問い合わせた件とその後の反応等について、時系列で経緯を記録しておきたいと思います。

①10/18公開 笙野頼子さん:共産党の見解

 日本共産党ジェンダー平等委員会に質問しお返事のメールをいただきました。「terf」「差別者」と一概に決めつけて「糾弾する」やり方に共産党はけして「与しない」とありました。「議論する」ことも侵入派を怖がることも共産党の判断において差別ではありません。今は「研究途上」だそうです。私含め人々の懸念は真剣に受け止めてくれてそのうえで「政策を深め」るというのが現時点の回答です。お伝えまで。

②10/19公開 ゆな氏:日本共産党への問い合わせ

③11/2公開 ゆな氏:日本共産党からの返信

④11/5公開 笙野頼子さん:共産党の見解証拠写真

【参考】共産党の見解証拠写真の文字起こし(ねむみさん提供)

⑤11/7公開 笙野頼子さん:FLJ読者の皆さんへ

 大まかに要約すると以下の通りになると思います。

 笙野頼子さんがFLJに寄稿した「共産党の見解」【上記①】を受け、ゆな氏が日本共産党に問い合わせを行い【②】、「『笙野さんの文章は笙野さん個人の認識という外ないだろうと思います。』という回答を得た」とブログで報告した【③】。それに対して、笙野頼子さんが日本共産党からの回答メールの画像を添えて「あれは捏造ではありません。要約です。」と自らの潔白を主張した【④・⑤】

 誰の主張が正しいのか、それは上記のリンク先をご確認いただき、ご自身で判断していただきたいと思いますが、個人的には以下の言葉を信じたいです。

9/15 日本共産党ジェンダー中央委員会から笙野頼子さんへの回答

 SNS上でのやりとりはどうしても先鋭化してしまいがちですし、言葉尻をとらえたり文章をゆがめたりして攻撃してくる人たちがいますので、私たちとしては現在、このテーマについてはSNSでの発信は控えているところなのですが、笙野さんがおっしゃる「女湯侵入派」や、それらの存在を怖いと表明する女性のツイートを「TERF」「差別者」とひとくくりに決めつけて糾弾するような意見に、私たち日本共産党が与するものではないことは、明確にお伝えしたいと思います。
 日本共産党は綱領に、「性的指向と性自認を理由とする差別をなくす」と明記しました。私たちがこれを盛り込む過程で念頭に置いた「トランスジェンダー」は、「身体の性と心の性が違う人」のことであり、「女湯に入りたいなどの思惑から女性を自称する男性」などまで含めてはおりません。
また、綱領に掲げた「ジェンダー平等」も、笙野さんがご懸念するような「男女(女男)平等」をあいまいにする立場ではなく、両性の平等を真に推し進め、さらに広い視野で取り組んでいこうとの決意から使っているものです。
 このメールだけで十分ご説明できるとは思いませんし、私たち自身もまだ研究途上ですが、今後もいただいたご意見をしっかり受けとめ、党としての政策を深めていきたいと思います。

 また、笙野さんが10/18付でFLJに寄稿した内容は要約の範囲内であり、日本共産党中央委員会がゆな氏に送った回答(「笙野さんの文章は笙野さん個人の認識という外ないだろうと思います。」)こそ、日本共産党中央委員会独自の認識なのではないか、と私は思います。

 党内で、中央委員会とジェンダー平等委員会の足並みが揃っているのか気になるところです。

 長くなりましたが、多くの女性にこの問題に関心を持っていただき、国や自治体、政党に対して意見や要望を伝えることが「有権者として当然のこと」という認識が広まったらいいなと思います。

********************

【おまけ】「公開質問状」を送信してみて感じたこと

 「党の綱領に書かれている『性自認を理由とする差別』とは具体的にどのようなことを指しますか?」というオープンクエスチョンを投げてみたのだけど、具体的な回答が得られなかったのはちょっと意外だった。党の綱領に盛り込まれたのは2020年らしいけど、2016年時点で「LGBT差別解消法案」を共同提出しているので…。

 一方、TRAの人々の場合、「○○はトランス差別です(差別か否かの議論はしません)。あなたはトランス差別に反対しますか?しませんか?」という形で踏み絵を迫るパターンの質問が多いと感じる。一見、選択権を与えているように見えて、1つしか選べない形式の誘導尋問的クローズドクエスチョン。

 あと、元の発言そのものに対する質問ではなく、発言の意図を自分で曲解したり想像を膨らませたりして「この人のこの発言者はこういう意図でなされたものです。あなたはこんな人を容認するのですか?」と質問してしまうパターン。

 今後、公開質問状を出す人を見かけたら、このようなパターンが含まれていないか注意しながら読みたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?