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『クレバーなクレーマー』のキャプチャ問題は真面目に問題にするようなことなのか?

7月8日放送の『永野&くるまのクレバーなクレーマー』(テレビ朝日系)でのこと。同番組の趣旨は永野と令和ロマンの高比良くるまが、世の中に存在するクレームの中から、クレバーなものを見つけるというもので、この日はテレビマンから視聴者へのクレームが紹介された。

その内容は、SNSでの番組のキャプチャに苦言を呈すもの。この元のクレーム自体は、文面からして、バズ狙いで番組のキャプチャを貼り付けているアカウントを指していると思われる。ただ、永野は「それやってる人って関係者ぽい自意識ない?」「サンプリングのセンスに命かけてない?」と、くるまは「自己肯定感の最下層」「テレビを監視する超越した存在」と、お笑い好きの自意識を笑うような発言をし、これを聞いた周りのスタッフも爆笑していた。

この発言はネット上のお笑い好きの間で波紋を呼び、キャプチャを真摯に反省して、もうスクショは投稿しませんと表明する者まで現れた。

しかし、この発言はそんな真面目に受け取るようなものなのだろうか。スタッフがあれでゲラゲラ笑い、放送したのはよくなかったと思う。ただ、永野がその場でウケそうなことを言ってみせるのはいつものことだし、「サンプリングのセンス」と言葉も選んでいる方だと思った。この後のキャプチャしてるやつと勝手に会話するくだりで、イジりであることも分かるし。

永野に引っ張られ、「自己肯定感の最下層」というより強いワードを引き出したくるまは少し良くなかったかもしれない。というのも、くるまは年始の『爆笑ヒットパレード』で、芸人とあのちゃんの顔を合成した写真を見ての「なんかこのコーナー炎上しそう。気持ち悪い」という発言が真剣に持ち上げられていたし、ガチで正論を言ってくれる人と思われている節があるからだ。

しかし、それにしたって、彼らの発言ごとき別に気にすることではない。正しい応援なんてものあるわけでもないし、全部訴訟したら解決とも言ってない時点で、話の本質が著作権にあるわけでもないのは明白だ。キャプチャでもなんでも好きにすればいい。

そもそも永野やくるまが好きで、こんなマイナーな深夜番組までチェックしている層が、彼らの話をガチで受け止めるって、これまで一体何を面白いと思っていたのか。反省なんかせずに、渾身のセンスで選び抜いた四枚のキャプチャに永野とくるまを収めて皮肉で返せばいいだろう。

上岡龍太郎はネットの時代が到来する前に引退したが、その理由の一つに、自身の理屈芸が本気で受け止められることへの危惧もあったのではないか。永野やくるまの発言に対する一部のお笑い好きの反応を見て、そんなことを思った。

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