氷菓を渡せたらいいな

このままずっと想いを馳せるだけの一方通行だと思うと遣る瀬ない。

大きな音で突き落とされたんだから飛び降りなきゃだめだったんだ。だけどあの時舞い降りたのは声だった。何の音も聞こえなくても「わたしたちは光の戦士だよね」って言葉はたしかに届いていた。

神様に見放されてるってそんな筈ない。私のことはどうでもよくてそれ以外は何もかもが尊いのにまだ傷を抉らなきゃいけないなんて嫌だよ。

アヴェマリアを歌ってくれたのもまだおぼえてるんだよ。あんなに美しい旋律を忘れなくてはいけないという現実が悲しい。

辿り着いた墓標には無力な手だけどたとえこんなものが折れても祈り続けるって書いてある。こんな私に「あなたのは決して折れない」と言ってくれたことさえいつも忘れてしまう。

わたしさ、ほんとにさ、何なんだろうね。

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